友人夫婦の家は良い家だが、廊下の奥だけは日中も煤けた様に暗い。転居祝いの宴会の時手洗いから戻らない共通の友人を捜しに行くと、煤けた奥でしゃがみこんでいる。友人は私に気づき振り向くと、シィ、と指を口元に当て何事も無かった様に戻っていった。その日以降、あの暗さは消えたという。 #掌編

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?