桜色の花が咲く。小さな花の塊がまるで綿菓子の様だ。
咲き誇るその花達を、塊が崩れぬ様にそうッと収穫する。
冬を越えたモノ達が目覚める為の花。冬という死を乗り越えて春という誕生の時に口に含む生命の乳。穢れた血生臭さとは程遠い漲る血潮の香りを、次の春への想いと共に箱へ納める。 #掌編

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