見出し画像

アマチュアコントの大会で準優勝しました!

楽しいペチカさんが主催されたアマチュアコントの大会、CONTestに参加しました。

CONTestの開催が発表されたのは2月の後半、ペチカフェスの頃でした。キングオブコント等とは違い、ピンでもエントリーが可能ということだったため、せっかくなら出てみたいという気持ちはありましたが、実はすぐには出ようという決心はできないでいました。

僕はコントにはかなり苦手意識がありました。アマチュアお笑いを始めてすぐの頃、今みたいなキャラクターには頼らない一人コントをしてみたことがあったのですが、正直全く満足のいくような笑いは取れませんでした。さらに自分で動画を見返してみて、これはひどい、という感想しか出てきませんでした。滑舌は悪いし、下の方ばかり向いているし、真面目な顔をするネタなのになんかずっと表情がへらへらしているし、何より台詞が棒読みすぎでした。いわゆる演技力というのが自分には全くないんだなと痛感しました。そんな中フリップネタをしてみたら手ごたえがあり、そこからはずっとフリップネタばかりをしていて、コントは何か月もやっていない状態でした。

そんな自分が普通にコントをやっても勝てっこないことはわかり切っていたので、とりあえず、自分の一番の武器であるキャラクターに全力で振り切ったネタをやってみることにしました。そしてなんとかひとつネタを作ってみましたが、所詮は数か月ぶりに急遽慌てて作ったコントですし勝負にはならないだろうなぁと思っていました。それでもせっかく作ったコントなので、まずは水中トリックさん主催の大喜利とネタ見せの会で披露してみることにしました。すると、自分の予想には反して、はっきり言って相当ウケたため、とりあえずこのネタで出てみようかなと思えました。思えばR-1といい、藤四郎といい、勝負ネタとはいつもこの大喜利とネタ見せの会でやらせてもらっています。本当に水中トリックさんには頭が上がらないです。

そしていよいよCONTestの予選の日がやってきました。僕は最終日5日目の1ブロック目が出番だったのですが、受付完了からネタの出番までヅカマゲドンさんと羊狩りさんのユニット、おかえり、ギターさんとアンナ・カリィさん、あ生さんが借りていたレンタルスペースに僕も参加させて頂けることになりました。1日で45組もの方がしかも全組がコントをするため、受付から実際の出番まで、5時間以上の空き時間ができてしまうところだったのでとてもありがたかったです。ネタ練習中他の方の様子も横目で見てましたが、アンナ・カリィさんは少し前に見たネタがさらに進化していましたし、あ生さんはネタの世界観と本人のキャラクターが強烈でしたし、おかえり、ギターさんは短時間でどんどんネタを仕上げていってるのが凄くて自分のネタに集中できないくらいでした。

そして時間になったため会場へ向かい、ドキドキしながら最後の練習をしていたらあっという間に自分の出番になりました。覚悟を決めていざ舞台へ!途中ちょっとだけ台詞を噛んでしまいましたが、何とか無事にネタをやり切れました。体感ある程度笑っていただけたとは思えましたが、これがどの程度のものなのかは全く分からなかったです。何しろ45組(実際は当日キャンセルがあったため40組程度でした)が出て、決勝にストレートで進めるのはたったの二組、敗者復活に行けるのも5位までととんでもなく狭き門だったため、正直いけたらラッキーくらいに思っていました。

夜になって、予選の結果が発表されました。結果は・・・まさかの1位通過!思わず家で一人ガッツポーズしてしまいました。アマチュアお笑いを始めてから、そもそも大会に出たこと自体がR-1くらいしかなかったので当然といえば当然ですが、初めて決勝に進出進出することができました!もちろん喜びの気持ちが殆どでしたが、だんだんある不安事項が大きくのしかかってきました。

ネタがない・・・!!!

決勝は1stステージ、そして勝ち上がった3組による2ndステージがあるため、出るからには当然ネタが2本必要です。しかし僕は自信をもってやれるネタは予選のために作ったこの1本しかありません。一つ目はこのネタをやるからいいとしてももう1本ネタがいります。決勝までは残り3週間!それまでにネタを、それも決勝でやっても恥ずかしくないようなネタを作らないといけない!そこからは毎日ひたすらコントのことばかり考えていました。今年に入ってから一か月間一枚もフリップを描かなかったのは初めてです。

そんな中、決勝でのネタ順決めがありました。みなさんが思い思いの順番を選んでいく中、僕は自ら2番目を選択しました。決勝までの間、結構色んな人にそのことはツッコまれました。全組のネタ終了後にお客さんによる投票で勝ち上がりが決まるルールのため、印象に残るためには後半のほうが有利ですし、他にもまだ会場が温まっていないんじゃないかとか、そういうことを考えれば普通はある程度後半、少なくとも2番を選ぶのはもってのほかです。ただ、一応僕の中にもある程度の考えはありました。自分のネタは上手な演技も入り組んだ世界観も緻密な構成も何もない、とにかくキャラクターとわかりやすいボケだけのネタなので、他の方の完成度の高いネタをいっぱい見た後にやったら絶対に弱くなると思いました。また、決勝に進出されたほかのピンの方である布ちゃんさんとヨシダin the sunさんが既に後半の出番を選択されていたのでそことできるだけ離したいというのもありました。なので自分の選択は間違ってないはず!・・・と思ってはいましたが普通に後半の順番選んどいたほうがよかったかなぁ?ともちょっとだけですが思っていました。特に、最終的な順番がまず敗者復活、そしてKキチ、その後また敗者復活というぱっと見おかしすぎる順番になってしまったのは自分でちょっと笑ってしまいました。

そうこうしてる中なんとかもう一本ネタを作ることはできました。一本目の雰囲気は残しつつ、ある程度違う展開にした方がいいのではと考え、自分のネタでは初めて場面転換も入れてみましたが、このネタで大丈夫なのかはかなり不安だったため、決勝一週間前にみんなのペチカでやってみました。結果としては、これじゃぁ決勝では絶対に戦えないなという感触でした。悩みましたが、きっぱり諦めて違うネタをまた作ることにしました。しかし決勝までは残りたった1週間!さぁどうする僕!しかもここにきて実家から父がアキレス腱を切って入院したとの連絡!さらにさらに仕事で手間取って毎日残業ラッシュ!果たしてネタは完成したのか!?そして大会の結果はどうなるのか!?

決勝当日、僕はまず敗者復活を観に行きました。敗者復活という名前にはなってましたが出る方はどの方も超実力者ばかり。全てのネタが拍手笑いでとんでもない盛り上がりを見せていました。村民代表南川さんと堀川ランプさんのMCも最高でした。個人的には完成度抜群の正統派コントをされていたふねしぼりさんとコントの概念どころかネタというものの概念ごとぶち壊された肉喰いジーヌさんが特に印象的でした。大爆発まみれの中、特に大きな爆発を起こしていたマーガレットマガジンさんとツクヨミさんが勝ち上がり、僕はお客さんとしては大満足しながらもこんな方々とこの後勝負するのかー!と戦々恐々でした。特に僕の場合はこの方々に挟まれる形になるのでなおさらでした。とはいえそもそも自分が決勝に来れた時点でもう奇跡みたいなものなので、もう覚悟を決めて全力を出し切ること、そしてとにかく楽しむことだけを目指すことにしました。

決勝の受付、説明、きっかけ確認を済ませた後はひたすら楽屋で本番の時を待っていました。本当は詳しいきっかけ確認を含んだリハーサルを皆さんされてたのですが、僕は道具音響証明全部無かったため(コントの大会でそんな奴いるか!)、リハーサル自体やらなかったので誰よりもずっと楽屋にいたと思います。本番まではひたすらネタの練習、ということもなく、30分に一回練習していた以外はボーっとしているか、他の方々とお話ししていました。社会人芸人仲間のドウセイブンさん、ヨシダin the sunさん、みんな銀河さんや、楽屋で居場所が近かったツクヨミさん、デカもり薬膳さんととくにたくさんお話しできて楽しかったです。

そしてついに決勝が始まりました!僕は出番順が早かったおかげでオープニングから舞台袖で見させていただきました。予選のダイジェストを中心としたオープニングVTRは滅茶苦茶かっこよくて、すごい大会の決勝がこれから始まるんだということを改めて実感しました。そしてラパルフェさんによる決勝のMCもこれまた最高でした。敗者復活戦から勝ち上がってトップバッターとなったマーガレットマガジンさんのネタも演技力にストーリー性に、僕にはないものばかりですごく面白かったです。そしてついに僕の出番がやってきました。

はっきり言って、滅茶苦茶ウケました!このネタをやった中でだけでなく、今までネタをやった中で一番ウケていたんじゃないかと思います。ただ、ネタをしている最中は緊張で頭が真っ白で、足も震えまくりでそれどころじゃなかったです。終わって楽屋に戻ってきて、ようやくウケたなぁという実感がわいてきました。上でも書いた通り自分の出番は2番目で終わった後はすぐ楽屋に戻っていたため、他の方のネタが全然見れなかったので自分がどのくらいの位置にいるのかは全く分かりませんでした。皆さんのネタが終わるたびにドキドキはどんどん募っていってました。そして中MCで全員がステージ上に集合するために一回ステージ横に集められたのにもっかい楽屋に戻らさせられたりなどもありながら、改めてステージ上に集合し、いよいよ1stステージの結果発表となりました。結果…!

3位で1stステージを通過することができました!

本当に信じられなかったです。あまりにびっくりしすぎてコメントを求められたとき「ありがとうございます」の一言を言う間に20回くらい噛んでしまいました。決勝すら夢のようだったのにさらにその中で勝ち上がれるだなんて!出番2番目を選んだのには考えがあってのことだの偉そうなこと言ってましたが、本当に勝ち上がれるなんて思ってもいませんでした。自分にいったい何が起こっているのか理解できていないままでしたが、3位通過ということは2ndステージでのネタ順は1番目になるので、すぐに準備を行いました。慌てて2本目の準備を終え、まだ結果発表から数分しかたっておらず全く頭の整理がついていないまま、すぐに2本目のネタへと突入しました!

結局僕が2本目のネタで何をしたのかということですが、簡単に言えば1本目とほぼ同じことをやりました。設定も展開も一本目とほぼ同じ、台詞すら文字にすれば半分近くは同じだったかもしれません。2本目の候補に考えてたネタをボツにし、一週間で新ネタを一から作るなんて自分にできるわけがないと考えた僕は、唯一信頼できるネタに本当に全部を賭けることにしました。とにかく1本目よりさらにバカなことをやるということだけ考えて急ごしらえにもほどがある2本目のネタを披露しました。

結果としては、こちらもかなり笑っていただけました。特に、1本目とほぼ同じ最初のセリフを叫んだ瞬間拍手がもらえたのは正直気持ちよかったです。心残りとしては緊張と興奮と、後1日に2本ネタをやることにバテてしまったせいで、自分のネタに何より大切な声があまりちゃんと出せなかったのは悔しかったです。それでも何とか最後までネタはやり切り、満身創痍で舞台袖に戻った後はもう放心状態でした。2ndステージ全組ネタ終了後の中MCでは何をしゃべっていたかあまり覚えていないです。とりあえず翌日の寺田寛明さんに大喜利を見てもらうというライブの宣伝ができただけでも良かったと思います。

そして運命の結果発表!優勝されたのはいわし雲さんでした。ウケも完成度も圧倒的だったので納得です。優勝はできませんでしたが、ここまで来れている時点ですごすぎて悔しいという気持ちは全くありませんでした。しかも大会終了後に聞いたところ、なんと自分が2位だというではありませんか!

準優勝!
準優勝!?!?!?

こうしてnoteを書いている今も文字を見るたびにびっくりしてしまいます。お笑いの大会、しかも自分が苦手だと思ってたコントの大会で準優勝!準優勝!?!?!?何度見ても慣れないです。多分これからも毎日のように思い出してはびっくりすると思います。今回のことを受けて、流石にコントへの苦手意識はさっぱりなくすことができたので今後はもっと積極的にコントもやっていきたいです。

その後は楽屋で他の出演者さんとお話ししてたら大会を見に来てくださってた有村ありゃまさん、アンナ・カリィさん、苔むし地蔵さん、そして決勝に出られていたヨシダin the sunさんとその相方であるかねきさいりさんが会場近くの公園にいらっしゃるとのことだったのでそこへ向かいました。途中車で颯爽と帰っていく白山さんとすれ違い公園でいっぱいお話しできました。大会を通して本当にたくさんの方と話せて、新しく知り合えた方もたくさんいたので本当に参加してよかったです。

予想だにしないことしかばかりで、本当に最高以上の思い出となったCONTestでしたが、僕の戦いはこれだけじゃありません!もうすぐ全日本アマチュア選手権の予選があります!今年の初めに立てた目標では賞レースで一回でも勝ち上がるとしていてすでに達成済みとなってしまっているのですが、ここまで来たらとことん欲張ってやります!これからも全身全力で楽しんでいきます!

くどいですが本当にここまでのことになるとは思っておらず、書きたいことを全部書いていたら多分今までで最長になってしまいました。ここまで読んでくださった方は本当にありがとうございます。ちゃんと書きたいことを端的にまとめるのも今後の課題です。多分まただらだら長い記事を書くことがあるかもしれませんが、よかったらまた読んでください。