2820 やまみ

8/9に第4四半期決算を発表。実績は売上・営業利益とも会社予想を上回って着地し、今期予想も中期経営計画で示していた目標値を上方修正したものが出てきました。ポイントは以下。

  • 富士山麓工場への投資による業容拡大

  • 大豆価格の下落による粗利率改善期待

  • 円高による粗利率改善期待

まず一つ目の富士山麓工場ですが、2020年6月期に設備投資して稼働し始めた工場です。やまみは広島県の会社で事業所もほとんどが西日本にありますが、この工場を足掛かりにして関東地方にも進出しようとしているようです。新工場なので減価償却費は重め。定率法で償却しているようですので、逆に言えば今後数年は何も変化がなくても利益率が改善していくことになります。

設備投資と減価償却費の推移

現在のやまみの粗利率は後述の大豆価格や為替の影響もあり。20%程度にとどまっていますが、富士山麓工場の投資前の粗利率は27%程度あり粗利率改善の余地はかなり大きいです。仮に今期の売上・販管費をそのままにして粗利率を27%に変えると営業利益はほぼ倍の21億円になります。

さて、直近落ち着いていますが、大豆価格と為替もやまみの業績に悪影響を及ぼしていると思われます。大豆価格はドル建てで見ると2020年半ばから上昇し始め、1.5倍くらいの価格になっています。

シカゴ大豆価格5年チャート

日本の大豆(油糧用を除く)の自給率は25%で、ほとんどをアメリカからの輸入に頼っています。

大豆の輸入相手国

日本で流通している大豆の半分くらいがアメリカ産。ここ半年ほどはかなり円安も進んでいますので、やまみの原価率を悪化させていると推測できます。
やまみ側でも国産大豆を使った高付加価値商品に軸足を移す等して影響を軽減するよう工夫しているようですが、大豆価格の下落と円高はポジティブ要素ではあると思います。

ちなみに今回中計の更新も発表しており最終年度の営業利益率は8.6%で、富士山麓工場投資前の営業利益率とほぼ一致しています。2026年時点のことはわかりませんが、昨今の値上げの順調さを考えると、少なくとも一時的には以前の営業利益率を超えることになると思いますので、利益率の観点からは中計は保守的な設定になっていると思われます。

中期経営計画
商品別動向

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