2936 ベースフード

何やらトップラインの伸びが素晴らしかったようなのでチェック。株価は決算発表翌日こそ上がったものの、そこから陰線を引いているようです。押し目なのかおしめえなのか。

元々売上成長率の見映え自体は割と高い銘柄ですが、ここ数四半期は鈍化が目立つ決算でした。4月からコンビニでも販売を始めたので、今1Qからそれが貢献してトップラインが伸びたのもありそうです。

四半期ごとの売上高推移

売上規模自体が小さいのでトップラインが伸びるのは当然として、将来的にどの程度の数字に落ち着くのかが焦点かなと思います。ポイントは解約率で、これが高いとザルで水をすくうようなものですので、いくら新規が多くても売上高は伸びません。今四半期の決算説明資料によれば、解約率は7.9%。QonQでは

解約率

今四半期の決算説明資料によれば、月次解約率は7.9%。QonQでは若干悪化しているように見えますが、直近は大体8~9%と言ったところでしょうか?期によって結構凸凹がありますが、だいたい四半期での売上高の増加はざっくり2億円程度。一方で月次解約率が8%ありますので、月次売上高が8.3億円を超えると新規加入と解約が均衡することになり、売上高が伸びなくなります。実際、先の4Qまでで見ると四半期売上高は26億円程度で頭打ちになっており、8.3億/月×3ヶ月=24.9億円とほぼ一致します。

次に変動費と固定費の比率を見てみます。粗利率は大体50%くらいで比較的高いのですが、販管費のうち荷造運賃や決済手数料等減らしようのなさそうな変動費が売上高比率で15%程度あるので、これも考慮すると限界利益率は35%くらいです。
1Qの売上高は37.4億円でしたので限界利益は13億円。人件費等の固定費っぽいものが6.5億円ですので、四半期で出せる最大の営業利益は6.5億円といったところでしょうか?一年あたりに換算すると26億円。
この場合広告宣伝費はゼロ円前提ですが、このビジネスで広告費ゼロはあり得ない。解約率が一定だとすると新規の流入がなければみるみる利用者数が減る可能性が高いです。生命維持装置的な意味で最低限必要な広告宣伝費は昨年度の広告宣伝費程度でしょうから16億円程度。

結局、上記の営業利益から差し引くと、最大の営業利益は10億円程度ということになります。純利益で7億円程度でしょうか?現在のベースフードの時価総額が264億円ですので、PERで38倍。成長しない前提ですので今の株価は高すぎます。

もちろんこれは今期の売上増を評価しない前提での株価ですのでかなり辛口ではあるのですが、販売チャンネルが増えて一時的に売上成長率が高くなるのは当たり前ですし、継続性がないと評価できないと思います。次の四半期以降解約率が高くなる可能性もありますし。
継続性がある可能性は否定しませんが、この株価、この内容で買い向かうのはかなり分の悪いギャンブルのように思います。

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