$SPR Spirit AeroSystems 1Q決算
5/3の朝(米国時間)に決算発表。
決算内容より先に、先日発表された垂直尾翼の取付問題について解説されています。繰り返しの内容も含まれますが、以下のような内容。
安全性に問題はない
同種の問題を起こさないよう、再発防止策を講じる
ウィチタ工場にある分の修理については7月末までに完了予定
この問題によって発生する損害額は31百万ドルで、うち17百万ドルは1Q決算に織り込み済
上記の見積もりにはボーイングから要求されるであろう追加修理を含んだものであるが、現時点ですべてのインパクトを含めた正確な見積もりをすることは難しい
引き続きボーイングと連携してインパクトを最小化することに努める
今後も追加で細かいものは出てくる可能性はあるものの、いったん損害額がハッキリしたのは好材料か。
決算の数字と受注残については以下の通り。
売上高はYonYで22%増
増加の主要因はB737の生産再開に伴うものと防衛関連によるもの
A220の期ズレによる増加も若干含まれる
出荷台数は346機で昨年の321機を上回った。これにはB737が60機から95機に増産された影響が含まれる。
受注残はボーイング及びエアバスからの受注を合わせて37十億ドル
営業損失は95.1百万ドルで、前年同期の42.2百万ドルから悪化
これは2022年に計上していたAviation Manufacturing Jobs Protection Programによる収入がなくなったため
その他、生産工程遅延のキャッチアップのために11.9百万ドル
A220の原材料高及び生産スケジュールの変更、為替差損によるインパクトが80.9百万ドル
一過性のサプライチェーンの混乱によるコストが46百万ドル
EPSは-2.68ドルで前年の-0.51ドルから悪化
繰延資産引当金やらなんやらを除いた調整後EPSも前年の0.03ドルから1.69ドルに悪化
垂直尾翼の品質問題以外にも、原材料高や為替、生産の混乱等で苦戦している様子。。。
もっとも、この会社は現時点での決算の数字でどうこう言うものでもないと思うので、垂直尾翼のネガティブインパクトがある程度確定したと考えれば良いのかもしれません。
工場が生産再開すればすぐに以前と同様に生産出来て利益も出せるわけじゃないんだなぁ、、、ということをしみじみ感じさせる決算でした。