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ジュニアの育成指導はチーム戦、地域戦。【リスタートへの思考整理帳01/僕の仮説61】

▼コロナを経験し、未熟さに気づいた行動変革

山ほどある課題を、どこから、どう手をつけたら全体に影響をもたらすことができるか。

「サッカーを仕事にしよう」。そう決意したときから考え続けている命題だ。だから、ジュニアに目をつけた。氷山の頂上が目立つし、当然お金にもなる。しかし、目に見える部分を変えても、見た目は変わっているが、根本は何も変わっていない。

これまでジュニアの課題は『指導』だと思ってきた。それは選手の質が上がれば、結果としてトップに上がっていく選手の質も上がると考えていたから。その指導が意味することは、『サッカーのプレーが向上させる』ことを指す。

ずっとそう思い込んでいた。

国内で開催されるジュニアの主要な全国大会、国際大会を取材し、この年代のトップを知るのはもちろん、4年前から地域の街クラブのアドバイザーをしながら「どこから、どう手をつけたら全体がよくなるか」を模索してきた。指導には知識が不可欠だから、それに必要な情報をメディアを通して発信し続ける。

ここに職業としてこだわってきた。

しかし、現実はほとんど何も変わらなかった。何も変化がなかったわけではない。ただ、自らが望むようなことは何も起こらなかった。正直、その原因はJFA、都道府県協会、市町村協会など組織にあると思っていたし、そこを長きに渡って原因追及してきた。

実は、彼らができることと現場が変わることは複雑に絡み合ってはいても、本質的にやることが違う。

ここに気がついた。今さらながら自らの能力の低さに失望する。長年メディアで現場主義を貫き、取材の中で感じたことしか企画にしなかったし、記事として執筆もしなかった。その自負はあるが、それが自己満足だったのだと振り返った。記事を書くことに酔っていた部分もあったのだろう。結果的に自分のスキルアップという現実しか起こらなかった。

そういうことが見えてきたのは、奇しくもコロナウイルスによって世界の社会的な活動が止まってからだった。社会そのものが機能不全を起こし、スポーツどころではない。街クラブは完全に死んだ。思考そのものが停止した。そんな状態のなか、「なんとか現場のためにできることはないか」と自分なりの救済措置として『ジュニアサッカーカンファレンス2020』を開いた。

とった手段は、垣根を超えた『情報の共有』だった。

Jクラブ、JFL、先鋭的な街クラブが持っている知識や知恵を拝借し、それを拡散すれば多くの人が救われるのではないかと直感したので、一人で動いてオンラインセミナーとして開催した。反響は想像以上だった。現在も、それはオンラインコミュニティとして存在している。週一で自身が感じたことをコラムとして投稿している程度だが、脱退者はいない。

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「僕の仮説を公開します」は2020年1月より有料になります。もし有益だと感じていただけたらサポートいただけますと幸いです。取材活動費をはじめ、企画実施費など大切に使わせていただきます。本当にありがとうございます。