将来、子どもがスポーツ経験を振り返ったとき、「社会でも役立ってる」と思える指導がされるといいよね。【毎日のつぶやき/僕のネタ帳56】

僕は、サッカーが社会に出ても役立ったとどのくらいの選手が思えるかが大事だと思う。

この記事は興味深かった。印象的だったのは「でも、(顧問に)怒られないって、実はしんどいんです。自主性をもって自分を律して高みを目指すって、すごい大変なことで」という言葉。教育制度の課題を表している。

先日もある指導者とこんな話になった。

「怒られたらピリッと練習できる。それじゃダメ。自分が望んでサッカーに来てるのに誰かから圧をかけられないと緊張感を持ってプレーできないようじゃ上はない」。

主体性の領域なんだろうけど、選手だけに責任はなく、ジュニアコーチのアプローチに問題がある。日本のコーチは自分の指導を客観的に振り返る機会が少ない。

私はそこに問題を感じ、2018年から街クラブのコーチに現場でトレーニングの振り返りを行うコンサルをしている。ビジャレアルの育成を実際に現地で研修を受けた指導者に聞いたが、コーチ同士の交流が頻繁だという。

街クラブのコーチに客観的な振り返りを2年続けたら、一人のコーチは劇的に変わった。あれだけ子どもに指摘することしかできなかったのが、どうアプローチすれば自分たちで動くかという声かけに変わった。

もちろん私は指摘も大事だと思う。

問題は割合。そのコーチの声かけはポジティブ7のネガティブ3。この子どもの指導に対する声かけの重要性は過去フットサル日本代表を務めた経験を持つミゲルも同じことを言っている。

「具体的に比率を伝えると、私の経験上『7対3』、もしくは『8対2』がいいでしょう。練習の中で行う10回のフリーズのうち、ミスの修正は3回ほどです」

他国から指導を学ぶときに大切なのは方法論だけでなく、「これをこうしたらこうなった」という文脈も含めて学ぶこと。

他人の方法論ほど当てにならないものはない。背景を含めて取り入れてこそ自分の経験則に融合される。マネるならそのコーチが背景に客観的な結果を言えてかどうかを見たほうがいい。

※このコンテンツは「Twitter」で毎朝つぶやいている内容をまとめたものです。頭の整理を目的とするもので、記事として書いているわけではありません。その点をご理解の上、ご一読ください。

木之下潤

【プロフィール】
文筆家&編集者/「年代別トレーニングの教科書」「グアルディオラ総論」など制作多数/子どもをテーマに「スポーツ×教育×発育発達」について取材・研究し、2020年1月からnoteで「#僕の仮説」を発表中!/2019年より女子U-18クラブユースのカップ戦「XF CUP」( @CupXf )の公式メディアディレクターを務める/趣味はお笑いを見ること

▼ジュニアサッカーを応援しよう!
2018年4月〜2020年3月まで「特集担当」として企画から執筆までを行う

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木之下潤(Kinoshita Jun)
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