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「ジュニアサッカーカンファレンス2020」コミュニティ会員の皆様へ

こんばんは。

約2週間ぶりの投稿になります。このコミュニティを「どのような形態にしていくか」をずっと考え続けていました。まず、その方向性は私の中で見えてきました。

そこで、次にこの思いをみなさまにわかりやすく伝えようとあれこれ考え、20年近く出版界で培ってきた「見える化=カタチ化」のスキルを生かし、さまざまな方法論からこう表現したらたくさんの人に理解してもらえるという結論も出しました。

しかし、それはベターな手段であって、どんなに考えてもベストな表現ではないという答えにたどり着いたので、私が考えていること、思っていることを「ただそのまま伝えること」にしました。

とりあえず書き綴ってみます。

私は日本サッカーが強くなろうと選手がうまくなろうとそれそのものに興味はありません。結果として強くなり、選手がうまくなることはとても嬉しいことですが、コーチのみなさまはその先もそういう選手を育成し続けて、どんな世界が待っていると思いますか?  

そもそもうまい選手を育成し続けることに何の意味があると思いますか? インテリジェンスのある選手、地頭のいい選手…呼び方なんて何でも構いませんが、それぞれのコーチの思ういい選手を育成した先に何が生まれますか?

私は「コーチには未来を背負う覚悟が必要だ」と感じています。なぜなら選手の未来に大きく関わる仕事にしているからです。それは「給料=報酬」が少なかろうが、多かろうが、ボランティアだろうが、言い訳には一切なりません。

たとえば、1回×2時間の練習が週2回あれば、年間52週でトータル208時間、子どもたちを指導することになります。ある選手が小学校1年生から6年生まで所属クラブで指導を受けたとして、最低でも私たちコーチは1248時間もの貴重な成長の時間を預かっていることになり、この数字はあくまで試合を除いた時間です。

それなのにサッカーが嫌いになる言動や行動をしてしまっているコーチがまだ大勢います。きちんと自信をもって次のコーチ、カテゴリーにバトンを渡しているし、バトンを受け取っていると言えますか?

私の目には、ずっと目の前の1年しか見ない指導をしてしまっているように映っています。仕事としてジュニアを専門に取材活動を10年近く続け、プロやアマ、大学からジュニアまで、そしてサッカー以外のスポーツ現場を見ていて、それなりの知見は持っているつもりです。

先日、「昨年度はジュニアからジュニアユースで上がるタイミングでサッカーを選ばなかった選手が4万人近くいる」とTwitterで投稿したら、こう引用ツイートしている方がいらっしゃいました。

「4種と3種との比較ではなく、3種と2種の比較じゃないとサッカーを辞めた材料として参考にならないのでは? 3種から2種で5万6000人も減っている方が問題だと思う」

この意見自体を批判する気も、ここで議論する気も一切ありません。一つの意見としてはすばらしい考えです。しかし、私が毎朝のジュニアサッカーの連続ツイートを市場調査として行うときに、コーチたちに対して見ているポイントは「3種から2種で5万6000人も減っている方が問題だと思う」といった内容です。

みなさまはこの投稿をどう思いますか?

私はこれを読んだ瞬間に自分の関わるカテゴリーにプライドを持っているからこそ視野が狭くなっているんだな、戦う相手が見えないのだなと思いました。この方の経歴をプロフィールで確認するとジュニアサッカーのコーチのようでした。私の投稿はあえて読んだ方に刺激が入るように表現しているので、イラッとされたのだと思います。そこについて「あえて」やっている部分もあるので素直に申し訳なく思う部分はあります。

しかし、同じサッカー界に属し、選手育成にたずさわっているのに、なぜ同じサッカー界に敵を作って自分の主張を正当化しなければいけないのでしょうか? この行動で結果的に「選手に何かメリットはある」のでしょうか? もちろんTwitterなので、それだけで語れる限界があることは承知しています。

育成に必要なものは環境です。子ども、青年を優しく、厳しく、直接的に、間接的にサポートすることがとても大切なことです。

そういう環境を作るためには「コーチはみな仲間だ」と感じられる環境づくりが必要不可欠だと考えています。全員が将来のサッカー界の、日本の人材育成に関わる務めを背負っているとほんの少しだけ思うことが大事なことではないかと思うのです。

しかし、現実はプロクラブだろうと街クラブだろうと組織内や団体内の人間関係で現場とは関係のない政治的なものは働きますし、だからくだらない争いは絶えません。ただ、ずっとこの環境に巻き込まれていても「選手が育つ」環境はよくなりません。

長年取材をしてきて、この問題が永遠に消えることがないことは誰よりも知っているつもりです。だからこそ、ライターとして誰に忖度する必要もない私が媒介役となり、コミュニティを作ることで人とつながり、アイデアとつながり、専門家とつながり、スポーツと応援するサポート企業とつながることで何かできないかと未来への実験的な活動を始める決意をしました。

このコミュニティ活動は、それぞれの立場の方々が少しでも自身の活動にプラスに働けば身の丈以上のことは望んでいません。

絶対に成長する必要はないし、
絶対に問題を解決しなくていい。

これが本音です。それは成長には時間がかかるし、問題解決にも時間がかかることを、私は2018年4月から行う街クラブのコンサル経験から現場レベルで起こっている現実を知っているからです。

そんな簡単に物事が進むわけがない!

私がこのコミュニティで大切にしたいのは「みなさまの心の中にあるサッカー界、スポーツ界に何かをしたい」というちょっとした思いです。この場でやりたいと思っているのは大きく2つです。

▼失敗前提で自分の思いや考えを発言できる場所を作ること
▼答えがない問いについて安心して話し合える場所を作ること

そんな場所にするにはいくつかの段階を踏む必要がありますが、大まかにはこんなことです。そのためにコミュニティで「みんなで共有するモノ」はまず次の4つが大事だとイメージしています。

1.知識、知恵、アイデア
(思考=頭脳)
2.喜怒哀楽の気持ち
(心)
3.解決できる課題
(共に考え、取り組む機会)
4.解決できない課題
(共に考え、気持ちを知り合う機会)

何度も繰り返しますが、もう一人の活動で選手育成をやれることの限界は見えています。ネガティブな意見を挙げ出したら切りがないので控えますが、これから先に大事なのはこれまで交わることのなかったカテゴリーのコーチ、異国の指導者、体や社会に関する専門家、スポーツ企業、他業種の方々と少しずつ交流をすることで、それぞれの人たちがサッカー外の知見をサッカー内に取り込むことで起こる変化です。

私はこの変化をこのコミュニティを通じて起こしてみたいと考え、有料イベントの講師を務めていただける方と交渉をしております。たとえば、「成長痛とパフォーマンスの関係」でお話していただく体の専門家の先生と交渉をしております。

そして、何より私自身がみなさまに対して記事を投稿する以外にサッカーらしいことを見せられていないため、最低限の力は示す必要があると思い、自身の試合分析の仕方を有料イベントとして会員の方にもコミュニティ外の非会員の方にも公開することにしました。

すでに、第一回の有料イベントは長年街クラブの運営をし、キッズから社会人、そしてシニアのチームまで保有する歴史ある大阪の街クラブであり、関西クラブユース連盟の会長である宮川さんに「コロナ禍の活動の変化」と「クラブの歩みと運営構造」について話をうかがうことが決まりました。

今後は体の専門家、脳科学者、メンタルの専門家、海外コーチ、現役Jリーガー、日本の上級ライセンス取得者など、以前に伝えた育成コーチにやってほしい5つの「インプット&アウトプット」に関わる講師をお招きし、みんなで一緒に価値観や思考を広げたり深めたりしていきたいと思っています。

今回はお忙しいなか、大変に申し訳ありませんが、このコミュニティの参加の有無を問い、参加の方にはもう一度と簡単なアンケートにお答えいただきます。アンケート期間は1週間とさせていただきます。

これはサポーター企業と一緒に「ケガ予防の啓発など」課題解決をしていくための大切なデータ資料として使用していくことになりますので、必ずご協力をお願いいたします。いずれみなさまにはサポーター企業からのアンケート、モニター、意見交換などの依頼にも協力してもらうことになります。そこは会員の方々に事前にお伝えしておきます。

「私はもっとプレー(目に見える範囲)に関わることだけを学びたい」と思っている方は、きっとこの「ジュニアサッカーカンファレンス2020」コミュニティよりもより良い場所があると思います。そこを判断するのは一人ひとりなので脱会されるのに何も気にされる必要はありません。もっとより良い場所で能力を伸ばされることを応援しております。

文字だけですべてを伝え切るには難しいですが、特に私たちコーチはファンではないので技術や戦術だけで関わるスポーツを語ってはいけないと私自身は考えています。だから、そこ以外のことも学ぶ姿勢を持ち、しっかりと行動をできる方にこのコミュニティを活用してもらえたらと思います。

こちらのGoogleフォームより、今後のコミュニティ参加の有無、また再アンケートのご記入をお願いいたします。

現在、私以外に76名の方がいらっしゃいます。また、この場でお会いできることを楽しみにしております。

素敵な1週間を!

木之下潤

【プロフィール】
文筆家&編集者/「年代別トレーニングの教科書」「グアルディオラ総論」など制作多数/子どもをテーマに「スポーツ×教育×発育発達」について取材・研究し、2020年1月からnoteで「#僕の仮説」を発表中!/2019年より女子U-18クラブユースのカップ戦「XF CUP」( @CupXf )の公式メディアディレクターを務める/趣味はお笑いを見ること/2018年4月〜2020年3月まで「ジュニアサッカーを応援しよう!」の特集担当として企画から執筆までを行う

▼コミュニティが目指すもの

#ジュニアサッカーカンファレンス2020
#僕の仮説を公開します
#ジュニアサッカーマガジン

「僕の仮説を公開します」は2020年1月より有料になります。もし有益だと感じていただけたらサポートいただけますと幸いです。取材活動費をはじめ、企画実施費など大切に使わせていただきます。本当にありがとうございます。