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コロナ禍だからこそ一スポンサーとして『女子サッカー』に恩返しをしたい!

■スポンサー契約を継続した理由

「女子サッカーを止めるな!」

昨年は、新型コロナウイルスの感染が拡大するなか、サッカー界も、スポーツ界も、社会すらも一時は活動停止に追い込まれた。そんな有事の中で、こんな言葉が飛び交うようになった。

現在は、関東を中心に第三波に巻き込まれるなか、「XF CUP 2020(第2回 日本クラブユース女子サッカー大会U-18)」は開催に向け、慎重に検討が進んでいる。現時点では、男女ともに高体連の高校サッカー選手権大会もスケジュール通りに実施されており、男子U-18カテゴリーの日本クラブユースサッカー選手権大会も無事に終了。残すところは「日本クラブユース女子サッカー大会U-18」だけとなった。

今年は、秋から女子プロサッカーリーグ「.WEリーグ」が開幕し、本格的に女子サッカーも文化の基盤づくりをスタートする。

昨年行われた「XF CUP 2019(第1回 日本クラブユース女子サッカー大会U-18)」は、すでにその準備を進める一環としての大会であり、1月9日(土)から予定されている第2回大会で止めてしまっては、女子サッカー界全体の勢いが途切れることになってしまう。ぜひ開催に向けて祈りばかりである。

このような環境下で「女子サッカーと一緒に歩もう」という企業もある。

それが第1回大会に引き続き、メインスポンサーとして手を挙げたサッカーブランドの「XF(エグゼフ)」だ。大会を前に、早川利澄社長にインタビューを行った。大会への思い、女子サッカーへの思いをご一読いただけたら幸いである。

――昨年はコロナ禍に巻き込まれ、企業としても非常に厳しい一年だったと思います。そのような中で「第2回大会もスポンサーに手を挙げた」のはなぜでしょうか?

早川「『女子サッカーに貢献する』ことを行動指針の一つとして、第1回大会に続いて第2回大会もスポンサーに手を挙げさせていただきました。昨年は、弊社も一企業として非常に厳しい一年ではありましたが、こんな状況であるからこそ「今、私たちにできること」を考え、行動した一年でした。

今大会については『直接的なコミュニケーションが取りにくい』などのマイナス面がありますが、そこは皆様と共に耐えるところですし、企業としてはまだまだ女子サッカーについて学んでいない部分に目を向けて関わり合いを持つことに取り組みました。

一つひとつの積み重ねを大事にしながら中長期的な戦略を立てて、この大会を意義あるものにしてけたらと考えています」

――心強いお言葉です。第1回大会から選手(クラブ)と連盟とスポンサーが大会継続という共通目標に向かって「メディアを活用したSDGs(持続可能な開発目標)」に関する新しい取り組みをスタートさせました。簡単に説明すると、「大会に関わる全員で盛り上げよう」ということですが、XF(エグゼフ)として第2回大会をどのように位置づけていらっしゃいますか?

早川「私たちは2018年に立ち上がったサッカーブランドです。幸運にもメインスポンサーとして大会に関わる機会を得て、第1回大会を通じて多くのクラブチームの方々にXF(エグゼフ)ブランドを知っていただく活動ができたことを感謝しています。

今回の第2回大会では、私たちが『どんなブランドか?』を周知していていただくような機会になればと考えています。

単に『サッカーウエアを販売している』『かっこいいウエアを提供している』ではなく、『どんな理由があってサッカー界、スポーツ界に関わっているのか?』を知っていただくことが重要だと感じています。

昨年度は1年生のような気持ちで大会に関わらせていただき、私たちに『何が求められているのか?』を現場で見て、聞いて、触れて学ぶ姿勢をもって大会に臨ませていただき、たくさんのことを吸収させていただきました。選手、クラブの方々の声に耳を澄ませ、それにブランドとして応えていくことが一つひとつチームに対する貢献、そして、その先のスポーツ界に対する貢献、地域貢献へとつながっていくのだと思います。

しっかりと大会に関わるみんなで同じ方を向いて歩いていきたいので、もっと選手、クラブ、連盟の皆様とコミュニケーションを多くとれるように尽力していきたいです」

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■女子サッカー文化を形作り一員でありたい

――ありがとうございます。実際に、XF(エグゼフ)の母体である「株式会社アイズ・カンパニー」はこれまでバスケットボールウエアを中心に提供されてきた企業です。女子サッカーを見て、どのように映っているのでしょうか?

早川「ブランドを立ち上げてから3年が経ちますが、女子サッカー界の指導者の方々に良くしていただいております。それはスポンサーだからではなく、それ以上に『女子サッカー』に興味、関心を抱いている方々すべてをもてなしてくれるというか、格別な配慮をしてくださる方が多いです。カテゴリーに関係なく、女子サッカーという広い枠組みの中で物事を考えている方が多いので、企業としてはそういう部分にも魅力を感じています」

――女子サッカーは男子に比べると整った環境ではありませんので、確かにそういう方が多いかもしれません。だからこそ今大会にかける思いも強く持っています。それはクラブユースサッカーの大会に継続という意味で「穴」を空けたくないからです。

早川「私も大人になってからの一年と、育成期の一年は大きな違いがあると強く思います。もしこの1試合がなくなったら頂点を目指すために積み上げてきた場所、表現する機会がなくなってしまうのでとても残念な結果に終わってしまいます。

現時点では中止ではなく、延期になって喜ばしく感じています。もちろん新型コロナウイルスの感染は命に関わることなので、受け入れないといけない部分もあります。だからこそここまで難しい決断をされた関係者の皆様には頭が下がる思いです。

ニューノーマルと言いますか、自分たちでできるセルフコントロールはいろいろありますので、マスクの着用や、うがい&手洗いが常態化していけるように私たち自身もそれを実践していくことが大事だと考えています。アスリートはそういう物事を引っ張っていける存在だと思うので、この大会を通じて何か一つ形にできたらと考えています」

――コロナ禍のなか、マスクも販売されましたよね?

早川「そうですね。従来の使い捨てマスクでは汗でべたついたり、毛羽立ちによって痒みが生じたりしてプレーにも影響が及ぶと考えたので、そうならない商品を開発しました。私たち企業にできることは『スポーツ活動時』のことを考慮した商品開発です。ワクチンができたとしても、この先はマスクが必需品になると思いますので、マスクを使って感染予防の啓発にも努められたらと現段階では感じています」

――サッカー界をはじめ、スポーツ界でも、きっとニューノーマルなあり方が模索されていく時代になります。昨年の第1回大会を観戦されて印象に残ったことはありますか?

早川「一つ心に深く残った出来事があります。それはアメリカからの招待チームと日本のチームがスマートフォンで写真を自撮りしながら交流していたことです。こんな風に『サッカーを通じて気軽に心の距離が近づくんだ』と、とても印象に残りました。

もちろんグラウンドの上では男子にも負けない真剣なプレーが見られましたが、『オフではこんな姿を見せるんだ』と女子サッカーの魅力を垣間見ました。中日に大会に出場した全選手で食事会が開かれたときも、出場チームが催し物を披露してくれましたが、その雰囲気の中に居られたことが幸せでした。

スポーツの醍醐味は技術力向上、勝つためであることが魅力であることは間違いありません。ただ、同時に人格形成がなされていく過程で大切なことを学ぶ場所だとも思うのです。この文化がJFAをはじめ、日本クラブユースサッカー連盟によって育まれていくことが非常に重要なことだと実感させていただきました。

それには一つずつ実行に移して形にしていくことが大事なことなので、私たちも大会に関わる一当事者として何ができるのかに挑戦していきたいと思いますし、次のステージへとより良くできるようにしっかりと参画していきたいです。」

――最後に、第2回大会に出場する選手、クラブ関係者、そして、それを支えている方々にメッセージをお願いいたします。

早川「今大会は全試合がライブ配信される予定です。女子サッカーにたずさわる方々の思いが実る形として『どこでも試合を観戦できる』環境につながっていき、非常に嬉しいです。そういう思い、行動の一つひとつが大会に集約されて『熱量』が伝わっていくことが今後のスポーツ界には必要なことだと思っています。

大会プログラムや大会特設サイト、SNSに至るまで、さまざまな方々の目に触れて徐々に女子サッカー文化として醸成されていくものだと思いますので、男子にも負けない試合を多くの方々に知っていただけるように、私たちも一緒になって大会を作っていきますので、ぜひ多くの方にご覧になっていただけたらと切に願っています」

▼大会特設サイト
https://womens-clubyouth-u18.com/

▼公式twitter
https://twitter.com/CupXf

▼公式Instagram
https://www.instagram.com/xf.cup_2020/

▼公式facebook
https://www.facebook.com/XFCUP/

▼公式WEBマガジン
https://note.com/k_jun/m/ma5d722b2c4cb

取材協力=株式会社アイズ・カンパニー
取材・文=木之下潤

#XFエグゼフ
#XFCUP2020
#第2回日本クラブユース女子サッカー大会U18

「僕の仮説を公開します」は2020年1月より有料になります。もし有益だと感じていただけたらサポートいただけますと幸いです。取材活動費をはじめ、企画実施費など大切に使わせていただきます。本当にありがとうございます。