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個を磨く! って言ってもタイミングがあるよね。 【毎日のつぶやき/僕のネタ帳12】

ジュニアサッカーにおいて指導のタイミングは大切なこと。

その条件に大きく関わるのは「発育発達」。他者への認識が低く、思考力が未熟で、集中力が散漫な小学校低学年で必要以上に戦術的なことを指導しても、まだ子ども自身の心身が整っていない。だから、「個を磨く」練習メニューが多いのは必然。

しかし小学校低学年であっても、選手はサッカーというゲーム性に魅力を感じてる。だから、戦術的な指導はもちろん実行する必要がある。ここでクラブとして大事なのは各コーチが思う「戦術感」だ。何をもって戦術というのか? きっと個からのアプローチになるわけだが、どんなことをすればいいのか。

そして、個を磨く発想はその個に対する戦術的なアプローチでなければ意味がない。

そこに技術が紐づく。僕がアドバイザーを務める街クラブでは「見る」(≒認知)ことがすでに「戦術」だと定義づけしてる。相手を認識することが個の戦術としてのアプローチの始まり。すると、相手の状態を質問できる。

相手の状態、たとえば「重心がかかっている足がどちらか?」は、うちのクラブにとっては個人の戦術の域。そこで逆足にボールを運べば相手を抜くことができる。この状態を自ら仕掛けることで作り出すことが「フェイント」になる。だから、技術として練習メニューの中に「フェイント」を取り入れる。

サッカーは相手の裏をかくスポーツだ。

そうでなければ数的優位も、質的優位も生み出すことはできない。基本的にジュニアサッカーでは「個々が相手の裏をかく」発想を持たないと「チームとして優位には立てない」ということを指導しないと個は磨かれない。何のために技術を磨くのか? 理由が大事。

ここで「最近は減ったな」と感じることがある。それは「ターン」できる子どもが減ったことだ。もしかすると世界的な課題なのかもしれないが、しっかりと相手からボールを守りながらも自力で前を向ける選手はチームにとって貴重な存在だ。だけど、そんな素質をもった選手を見逃している可能性はある。

だからこそ「コーチがどのカテゴリーで何を指導するのかを整理しておくこと」が大切だと思う。ジュニアの街クラブにおけるゲームモデルは、こういった内容が紐づく状態になっていないと意味がない。決してコーチのイメージに選手を合わせるものであってはならない。個の才能を発揮するための存在。

※このコンテンツは「Twitter」で毎朝つぶやいている内容をまとめたものです。頭の整理を目的とするもので、記事として書いているわけではありません。その点をご理解の上、ご一読ください。

木之下潤

【プロフィール】
文筆家&編集者/「年代別トレーニングの教科書」「グアルディオラ総論」など制作多数/子どもをテーマに「スポーツ×教育×発育発達」について取材・研究し、2020年1月からnoteで「#僕の仮説」を発表中!/2019年より女子U-18クラブユースのカップ戦「XF CUP」( @CupXf )の公式メディアディレクターを務める/趣味はお笑いを見ること

▼ジュニアサッカーを応援しよう!
2018年4月〜2020年3月まで「特集担当」として企画から執筆までを行う。

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