ジュニアは軽視されるが、日本サッカーの未来だ。 【マガジンへの思い/僕の仮説01】
元旦から「全日本U-12サッカー選手権大会」の原稿を書いて過ごした。翌日、記事は掲載され、昨今のスポーツWEBメディアの変化に感謝する。しかし、心の片隅では少し不満もあった。
それはSNSで拡散してくれなかったからだ。年始は箱根駅伝や高校サッカーなど市民権を得たスポーツが盛りだくさんあるから、ジュニアサッカーの優先順位はさらに低い。理解はできる。ただ、SNSで扱われないのはどうかと、悶々とした気持ちを抱える。「日本では、情報の世界でも年功序列や肩書き主義があるか」と自分なりに理由を探し、苦笑いするしかない。
なぜ日本はジュニアを軽視するのか?
昨年から専門メディア以外の媒体にジュニアサッカーの記事を寄稿し始めた。コンテンツのタブやその中の項目に、「ジュニアサッカー」の文字はない。これだけでもマスメディアの考える「市場価値の低さ」がわかる。コンテンツを商品価値順に並べると、「日本代表 → Jリーグ → 五輪代表 → 高校サッカー → その他」。高校サッカー以下はその他に部類され、企画を売り込んでようやく予算組みが検討される。情報が世に出る率が低いから、話題に上がることは難しい。
ただ一つ例外は、2011年にワールドカップで優勝した「なでしこジャパン」。世界一に輝いたメンバー人気に後押しされて女子サッカー・ブームが2年ほど続き、優勝後はフォトブックが出版されるなどメディア的にはレアケースとなった。しかし、現在のなでしこリーグの観客動員数の減少を見ると、女子サッカーはまた「その他」に逆戻りしてしまった。
ここ数年、明らかにジュニアサッカーの報道陣は少なくなった。
年末の「全日本U-12サッカー選手権大会」の取材陣は、昨年の3分の2から半分くらいになった。マスメディアが予算を削るのは真っ先にジュニア世代であり、女子サッカーである。「社会的な仕組みだから仕方ない」。そう言われたらそれまでだが、納得はいかない。なぜなら、日本代表のプレーに関する問題点はジュニア世代の子どもがプレーする問題点に通ずるからだ。
よく考えたら、当たり前のことだと思わないだろうか。
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写真提供=佐藤博之
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