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東京都交通局主催の意見交換&乗車体験会に、双子家庭3組と参加してきました!

こんにちは、フローレンス/多胎育児のサポートを考える会の市倉です。

昨日、有明で行われた交通局との意見交換に参加してきました。

私が勤めるフローレンスでは、約3年前から「双子ベビーカーを折り畳まずにバスに乗せてほしい!」という多胎児家庭の声を届けるソーシャルアクションを続けています。

アクションを始めた2019年には、東京では、バスに双子ベビーカーのまま乗る事は、残念ながらできませんでした。

が、東京都交通局をはじめとした関係各社のみなさんのおかげで、都内全線で「双子ベビーカーは折り畳まずにバスに乗れる」となったのが、今年6月のことです。


これまでも東京都交通局とは、当事者を交えながらの意見交換を3回重ねてきており、ルール整備から半年たったこのタイミングで、改めて当事者とバス会社双方が理解を深めるための会を開くことになりました。


●乗務員、双子ママで意見交換



ご参加いただいたのは、都内で2歳の双子を育てるママと、2歳の兄と1歳の双子を育てるママ。お二人ともお子さんを連れてご参加くださり、会は非常に賑やかなものになりました。

まず冒頭、バレーボール元日本代表の大山加奈さんより寄せられたコメントを市倉が代読しました。

本日は、私を含め当事者の皆さんを呼んでいただき、意見を交換できる場をいただけたことを、とても嬉しく思っております。都営バスの運転手さんや職員のみなさんが日頃、安心安全にバスを利用できるよう配慮してくださっていたり、快適に利用できるよう努力されていたりすることは重々承知しております。いつもありがとうございます。(中略)今現在多胎育児を頑張っていらっしゃる方や、この先多胎児を育てられるみなさんが安心してバスを利用し、あきらめることなくお出かけでき、笑顔で子育てができる、そんな社会をみなさまの力も借りながら、作っていけたらと思っております。本日はこのような場を作ってくださり、本当にありがとうございました。みんなが力を貸したり借りたりしながら支え合える、やさしい社会になりますように。

大山加奈さんからのコメント

意見交換の中では、大山さんのコメント同様、バスに乗れることになった事への感謝の言葉や、実際に乗れた時の嬉しかった気持ちなどが率直に語られました。

また、交通局の方からも「ぜひたくさん乗ってお出かけしてください」という温かい言葉をいただきました。都営バスの現役乗務員さんも参加されていたので、「双子ベビーカーをちょっと見せてもらっていいですか?」「サポートをするときは、どこの部分を持つといいんですか?」などという会話も見られ、非常に有意義な会となりました。

●その後、乗車体験へ・・

バスの乗車体験のために、一行は屋外の試乗スペースへ。

2組とも熱心にデモンストレーションに参加され、前扉からの声掛けや、乗務員のサポートを受けながらの乗車を体験しました。


印象的だったのは、2組のお子さん達の興奮した顔!バスに興味津々な様子がこちらにも伝わってきました。

2歳の双子ママ「今回このような形で乗務員の方にお手伝い頂けると分かったので、少し、これからは外出も1人でできるかなと思っています」

意見交換はこれで4回目の実施となりましたが、実際に多胎児のお子さんをベビーカーに乗せての乗車体験は初めての実施でした。
「私の経験が少しでも意見交換の役に立つなら」とご参加を申し出てくださった3組のご家庭に、心より感謝いたします。

(余談:カメラがずらーっと待ち構える中でお子さんたちのトイレタイムになったり、、、、とプチハプニングが続出しました。「子育てって本当にこういうことの連続だよね!私たちもサポートしていくので一緒に頑張ろうね、、、!」と心でエールを送りました、、、)

●配慮やサポートは、誰だって受けることがある

さて、私たちフローレンスが今回交通局さんとタッグを組んでこの会の実施に奔走したのは、ある思いからです。

それは、「このルールを、文化に変えて行きたい」ということ。

ついこの前まで、「双子ベビーカーに乗ってバスでお出かけすること」は、残念ながら夢の話でした。


3年間、いろんな方々とお話をしてきました

多くの方のご尽力と努力があり、実現したこのルール整備。

それが「新しいあたりまえ」として定着し、その先に「誰もが気持ち良く公共交通機関に乗れる」「配慮やサポートが必要な人には、誰もが手を差し伸べたり、暖かく見守る」、そんな文化を私たちは作りたいのです。

その文化は、配慮やサポートを受ける側の人とバス事業者だけの頑張りでは作れません。他の多くの「あたりまえにバスに乗れる人」の理解と協力こそが、不可欠なんです。


私たちは誰もが明日、何かの配慮やサポートを受ける立場になるかもしれません。それがなかったとしても、いずれ誰もが老いていきます。足が不自由になったり、動作に時間がかかるシーンも出てくるはず。

そんなときに「時間がかかって迷惑だなぁ」「サポートが必要なら、公共交通機関に乗るなよ」と白い目を向けるような社会に、私たちは向かっていいのでしょうか。

今回、報道陣の「丁寧に対応すれば運行に遅れが出るがどう対応する?」という問いに、東京都交通局の野崎さんが「相互理解ということでバスのお客様にもご理解頂きながらやっていく必要がある」と語られたのが、非常に心に残りました。配慮やサポートが必要な人を排除するのではなく、協力や見守りができる文化。それを作っていくのは、いずれ何かの形でそれを受ける当事者になる、私たち自身なのだと思います。


最後に、今回この会を実現するにあたり、本当に細かなご調整をしてくださった東京都交通局の皆様、そして三年前からいつもこの課題に寄り添ってくださっているまつば都議に、心からの御礼を申し上げます。本当にありがとうございました。

◇◆◇◆

「双子ベビーカーをバスに乗せる」というフローレンスのソーシャルアクションは、当然ですが、フローレンスの収益になることはありません。でも、関るスタッフ全員が「このままではいけない」「もっと素敵な世の中を次の世代に渡すんだ」という信念で取り組んでいます。
活動にかかる人件費などの多くは、フローレンスへの寄付が原資です。ふるさと納税でも寄付が可能ですので、応援いただけると嬉しいです。


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