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東京都の令和2年度予算可決!多胎児支援サービスの詳細判明

こんにちは。

多胎育児のサポートを考える会の市倉です。


先日、都議会の予算委員会の全日程が終了し、無事に令和2年度の当初予算が可決されました。


以前の投稿でもお知らせしていたとおり、多胎児家庭支援において、東京都は国の制度に上乗せをする形で支援策を打ち出していました。

この上乗せした制度について予算が可決されましたので、晴れて令和2年度より事業のスタートが決定しました!(ただ、以前もお伝えしたとおり、この制度を各区市町村が導入しなければ住民は利用できません。

今回の予算委員会では、予算そのものをOKとするかだけでなく、制度についての詳細や「この制度、ここが不十分なんじゃないの?」という点を公明党の松葉多美子議員が時間をかけてたっぷりと質疑くださったので、紹介します。

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【1】多胎児家庭サポーター事業

多胎児家庭サポーター事業は、『家事・育児を支援する事業として、3歳未満の多胎児がいる世帯に、利用1時間につき2700円を補助する(年間利用上限は0歳児で240時間、1歳児で180時間、2歳児で120時間。)』というもの。いわゆるベビーシッター、家事シッターです。

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現在多くの自治体で家事育児シッターのサービスはあるものの、『(睡眠確保などのために)親が別室にいくこと』は認められていない場合が多く、慢性的な睡眠不足が続く多胎児(特に乳幼児期の)家庭にとっては文字とおり死活問題。ここを松葉都議がしっかりと聞いてくれました!

松葉都議『家事育児支援・外出時補助に加え、お子さんと部屋を離れて睡眠を取ることも可能となりよう、親の睡眠確保・一時的休息にも利用できるようにすべき』

これについては都も

内藤福祉保健局長『母親の休息のための利用も対象となる』

と答弁!今までより一歩踏み込んだサービスになることが期待できそうです。

【2】移動支援

移動支援は、乳幼児健診や予防接種への移動にかかるタクシー経費を、年24,000円まで経費を補助するよ、というもの。

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これも本当にグッジョブ!な施策で、バスや電車に乗り辛い多胎児家庭にとってたタクシーを使っての移動に補助が出ることはとても良い制度。月齢が小さく一人ではタクシーに乗りつらい家庭は、【1】の多胎児家庭サポーター事業に移動補助が含まれているので、組み合われば利用が移動がとてもしやすくなるはずです。

一点気になるのは、「これは予防注射に行くとき用のタクシー」「これは友人宅に行くときのタクシー」と、うまく分けられる方法があるのかどうか。

その運用のために細かい提出やレシート保管が必要、、、というようなヘンテコな制度にならないよう、実施主体の区市町村は運用時に気をつけてほしいです。

【3】多胎ピアサポート事業

こちらの事業については、松葉都議からは「ピアサポーターの担い手不足」の問題を念頭に置きながら

松葉都議『(ピアサポートをする)該当者がいない場合には、専門職や子育て支援団体がサポートをすることも有効なはず。また、産前からサポートを受けられるようになるようにするべき』

これにてついても

内藤局長『多胎児ならではの悩みを相談できるよう、経験者、専門職、子育て支援団体による対応ができるようにしていく』

と、なり手不足をカバーできるような回答でした!

また、この質問の最後には

松葉都議『補助上限額がすべての自治体で月215,000円と定額である。多胎児家庭の数は各区市町村で違うので、今後は対応を検討してほしい』

と鋭い指摘をしてくださいました!

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と、いうのも、例えば台東区では多胎児が生まれる家庭数は一年で約15組。世田谷区では70組、、、と、大きな差があります。

その状況で補助金額が一律では、家庭数の多い自治体で『訪問サポートや双子会をたくさん実施すればするほど赤字になる、、、』という事態に。

訪問型の支援は、他の制度では『訪問回数ごと』の補助金額設定がされており、定額制から従量制への変更が望ましいと思われます。

令和2年度から始まる新たな制度なのでそこまでは検討しきれなかったのかな、、と思いますが、2020年度の実施状況踏まえての改善が必要でしょう。


●あとは東京都の要綱を待つばかり!

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予算が可決された現在、区市町村が待っているのは【都の実施要項】。

この【都の実施要綱】がないと、区はどんな事業を(都のお金で)実施できるかを決められません。

要綱は6月あたりに発表されるのが通常のようですが、先日の問い合わせでは都の福祉保健局さんが『できるだけ早く区市町村に提示できるよう頑張ります!』という回答でしたので、期待したいと思います。

●各区の導入検討状況は・・・?

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東京の全地域を確認できていませんが、

少なくとも

台東区・江東区・港区・豊島区・品川区・江戸川区・目黒区・墨田区・文京区・渋谷区・北区・世田谷区・板橋区・杉並区・三鷹市・小金井市・八王子市・小平市・昭島市では2・3月の議会にて多胎児支援が取り上げられています(すごいこと!ものすごい注目度です)


今後の議会にて、この事業を導入するかを具体的に話し合われ、

2020年度の区の補正予算にいれるか

2021年度まで持ち越しになるか

導入を見送るか

が話し合われることと思います。

分娩の100組に1組が多胎児を産むこの時代。どの自治体にも、必ず多胎児を必死の思いで育てている親がいます。声を挙げにくいかもしれませんが、必ずいます。



東京都の制度が、たくさんの自治体で導入され、支援の輪がひろがることを願っています。



日々の活動は、Twitterにて報告しています。



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