見出し画像

ついに都営バス全線で「二人乗りベビーカーの乗車」が解禁!!みんなの思いが世の中を変えた日


こんにちは、多胎育児のサポートを考える会/フローレンスの市倉です。

今日は、本当に嬉しいニュースをお届けできます。

ついに、6月7日(月)より、都営バス【131系統=全線】で、二人乗りベビーカーの乗車が解禁されます!!

画像8

(画像はHPよりお借りしています)

長い、、、、長かったよぉぉぉぉ、、、、当事者の方にとっては、本当に長く長く待ち望んだものだったものではないでしょうか。

なんだかもう、ここまでの道のりへの思いがありすぎて感情が追いつかないのですが、東京都のリリース文を紹介します!

●東京都の発表内容



東京都の発表では、

・6月7日(月)より、都営バス131系統・全線で、折りたたまずに乗車を可能とする

・リーフレット「都営バス ベビーカー安全ご利用ガイド」を新たに作成し、バス車内等で配布

ユーチューブチャンネルと車内広告で啓発動画を公開

とのこと。

昨年秋から、主にNICUを擁するような大病院行きの5路線で試行をスタートしていたのですが、そこから9ヶ月。東京都交通局、やってくれました!!


●2年に及ぶ壮大な闘い。それは友人の言葉がきっかけでした



2019年夏。わたしは、幼馴染の双子ママの育児を時々サポートしていました。そんな中で、彼女から言われた一言。

画像9

「バスって、『双子ベビーカーはちょっと。』って言われて、乗れないんだよ。」

・・・衝撃でした。

(え、公共交通機関であるバスが乗車を拒否??そんなことあるの?だって、確かにスペースは取るけど、車椅子だって乗れるわけで、なんで双子ベビーカーは乗れないの?嘘でしょ?)

でも、それが多胎児の親にはある意味常識であり、「バス乗車はそもそも諦めている」という声がとても多いことが、その後にとった全国アンケートでわかり。そして、多くの親が、そういった社会の無理解にとても苦しんでいて、孤独な育児をしていることを知りました。

(アンケートを元に行った記者会見はこちら)

このアンケートを持って、私と双子ママパパ達でいろんなところを回りました。

東京バス協会2

でも、行っても行っても、ハッキリとした【敵】が出てこない。みんなが「うちが決めているわけではない」と、戸惑った態度を取るのです。

私達って、誰と、何と、戦ってるんだろう。

なんで、「子供と一緒にバスに乗る」ただそれだけの事が叶わないんだろう。誰が決めれば、こんな変な世の中は変わるんだろう。

何度もそう思いました。


●少しずつ変わり始めた反応


それでも、「やっぱりこの不条理は変えなきゃいけない」「こんなルールを次の世代に残すわけにはいかない」・・そんな思いで活動を続ける内に、少しずつ変化に前向きな姿勢が出てきました。

画像11

「様々な点から考えると、難しい」・・・そういった曖昧な返答だったものが、「どうすれば安全に乗れるか検討している」となり

実際に、国交省との実証実験に音頭をとってくれるようにまで。

このあたりから、交通局のみなさんの考えが『どうにか双子ベビーカーユーザーに寄り添った対応をしたい』という方向性に変わってきたことを実感しました。

画像12


が、コロナ禍へ突入・・・・。


いろんな事が遅れていく中、毎月交通局の方とコミュニケーションを取り続け、なんとかこの動きが後戻りしないようにお願いしていました。

そして、昨年9月。ついに、5路線での試行がスタートします。


もっと前進させたい。誰もが気持ちよくバスに乗れる世の中にしたい。

そんな思いで、当事者のパパと一緒に交通局へ面会に行き、広報・PR活動について申し入れもして車内広告も作っていただきました。


ここから更に2ヶ月。ついに、ついに今日、全線解禁のハッピーニュースがお届けできたのです。


●立役者はこちら


ここからは、この動きに力を貸してくれた方たちを紹介していきますね!

--------

松葉都議は、陳情に毎度かけつけてくださり、小池知事への直接要望の道筋を作ってくれました。ここで大きく流れが変わったように思います。

(右から二番目が松葉都議。お隣の栗林都議にも大変お世話になりました)

画像3

画像7

-------

東村都議は、「どこを変えれば、ルールが変わるか」を突き止めて、国土交通省を巻き込んで大きな岩を動かしてくれました。国交省が「乗車可」という基本方針を発表したことが、都バスのルール改善の土台になったことは間違いありません。

画像3

--------

菅原都議は、都議会の場で何度も何度も双子ベビーカーの乗車について東京都に交渉をしてくれました。最初にお話を聞いてくださった時に「こんな事が起きているなんて知らなかった。教えてくれてありがとう」と言ってくれたこと、一生忘れないと思います。

画像3

この他にも、本当にたくさんの議員のご協力があり、全線解禁という最高の結果につなげることができました。本当に、心より感謝をしています。

------

そして、都議会に一緒に行ってくれたママ達。この流れを止めないようにと、取材に対応してくれたママ達。Twitterでシェアやコメントくれる方たち。フローレンス広報のみんな。この課題に向き合う時間をつくってくれた同僚のみんな。

画像5

画像6

画像6


みんなで世の中をアップデートした感。変えたのはみんなだよ!!

心の底からそう思います。


●今後はこのルールを都バス以外にも拡げていこう

画像13


今回ルールが変わったのは「東京都交通局が運営する都営バス」のみ。

全国にはたくさんのバス会社がありますが、双子ベビーカーの乗車を正式ルール化しているのは、ほんのわずかです。

国交省が「二人乗りベビーカーを折りたたまずに使用できるよう取り扱うことを基本とする」方針を発表し、東京都が様々な整備をした今、ルール改善の機運が高まっています。全国のバス事業者が、これに続いてほしいと切に願います。


●多胎児家庭にとって心地よい社会は、全ての人にとって心地よい社会である


私がいつも多胎児家庭の事をお話する時、最後に「多胎児家庭だけを特別扱いしてほしいわけじゃない。マイノリティに光を当てられる社会は、結局は全ての人にとって優しい社会なんです」と伝えています。

画像15

駅のエレベーター配置が進めば、高齢者や足の不自由な人が使いやすい駅になります。窓口に行きにくい家庭のために行政のサービスのIT化が進めば、皆の手間が省けますよね。乗り物への乗降に時間がかかる人を暖かく見守れるような社会は、きっと他者に思いやりの溢れる社会のはずです。


生きていれば誰だって、何かの事情でマイノリティになる可能性があります。その時に、「それは無理ですね。諦めてください」と切り捨てる社会か。「そっか、大変だね。一緒に考えて、変えていこうよ」と言える社会か。

私は絶対に後者の社会でありたい。それはめぐり巡って、自分や大切な人の生活がより良くなることにつながっていくはずなんです。

画像15

「◯◯だっって大変なんだから、ずるい」じゃなくて、見えている課題を一歩一歩アップデートして、住みやすい世の中になっていくといいなと思います。


●多胎児のママパパへ


今回の発表は、東京の限られた地域で叶った社会のアップデートです。

バスに乗れたからといってみなさんの過酷な多胎児育児がいっぺんに楽になるとは、もちろん思っていません。

画像16

でもどうか、周囲を頼ること、半径5メートルの世界にいる人に自分の気持ちを伝えることを諦めないで欲しいなと思います。心を殺して我慢し続けないで欲しいです。

ご家族も、友人も、私も、あなたの多胎児育児を心より応援しています。


普段の活動は、こちらからお知らせしています。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?