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【レポ】都バスへの双子ベビーカー乗車が解禁されたので、乗ってみた

こんにちは、多胎育児のサポートを考える会の市倉です。

先日ツイッターでもお伝えしたとおり、本日9月14日(月)より、都バスの一部路線にて、【双子ベビーカーがバスにそのまま乗れる】というルールに変わりました!

初日の今日。

解禁された路線を使ってお子さんと一緒にバスに乗る方がいらしたので、同行して、その様子をレポートします!


「これまではバス通院が選択肢になかった」

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今日同行させていただいたのは、都内に住むKさん親子。

都内在住で、4ヶ月になる双子ちゃんが渋谷の総合病院にいく必要があり、産後も月1程度の頻度で通院しています。(ちなみに多胎児の出産はリスクが色々あるため、施設の整った遠くの病院での出産を余儀なくされることも多いです。妊娠中から色々壁があるんだよーーー!!(´;ω;`))

病院は駅から遠いため徒歩は現実的ではなく、バスかタクシーで向かわなければいけません。

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(※写真はイメージです)


Kさん「はじめは、大人2人でそれぞれに抱っこ紐で子供を抱っこし通院していました。でもこの夏の暑さで抱っこが厳しかったのと、双子のお出かけは荷物が非常に多くて、大荷物を肩に下げ、子供を抱っこし、病院の手続きをするのがかなりハードだったため、ベビーカーでの通院をするようになりました。」


Kさんはこれまで、都バスでの通院を選択することはありませんでした。なぜなら、都バスは「折りたたまないと乗車できない」というルールだったからです。

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折りたたむとなると、

●大人の1人がベビーカーを折りたたんでいる間、首ずわり前の子供を一人で2人抱っこしないといけない(・・・無理無理!)
●バス内で折りたたんだベビーカーの転倒の危険性(怖すぎる)

ということで、今までは片道5,000円弱かかるタクシーを使われていたとのこと。

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負担は、金銭面だけではありません。

タクシーはそもそも双子ベビーカーがトランクに入らない車種も多く、また、首や腰の座らない乳児をチャイルドシートのない座席に座らせられないため、大人2人体制で臨まなければならず、その調整もあります。

そのため、Kさんは「『バスに乗れたらなぁ、、、、』という気持ちがいつもあった」とのことでした。


「解禁のニュースを聞いたときは嬉しかった。でも・・・・」


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「ベビーカーを折りたたまずに乗れる、と聞いたときは、本当に嬉しかったです。でも、本当に乗れるのだろうか。運転手に『え?』て顔をされるんじゃないか。他のお客さんに迷惑をかけてしまわないか、、。」と、乗車前心配そうにはなしてくれたKさん。

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でも、「これがスムーズにできれば、これからは親に付き添ってもらわらなくてもひとりで通院できるのでは、と思い挑戦してみることにしました」と。

今まで乗車が許されていなかったのもあり、「バスに乗る」ただそれだけの事が、精神的にも大きなチャレンジになってしまうのだな、、、と感じました。


実際に、乗ってみた!後ろのドアから入り・・・・

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いよいよ病院に向かうバスがきました。

今回は始発からの乗車だったため、車内には乗客がおらず、Kさん親子以外に数名が乗り込む形。

運転手さんが慣れた手付きで、後ろドア正面のイスを折りたたんでくれます。

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中に入り、進行方向と反対に向き直し(下図黄色コメント)、もともと手すりに用意されている緑の固定ベルトで2箇所を固定します(下図赤色コメント)。

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初めてでちょっと手間取ってしまったのですが、この緑のベルト自体はかなり長いもので調整できるそう。

これでベビーカーの車輪ロックをすれば、かなり安定するように思います。(もちろん一連の作業に大きい音などは出ないので、乗っている双子ちゃんたちもスヤスヤ眠ったままでした。)

降りる時も非常にスムーズで、特に戸惑うことなく降車できました。

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Kさん「バス乗車が双子親にとってはすごく難しいことだったので感激した


こうして、スムーズに乗車して病院まで行けたKさん。

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降りた時、「当たり前な事のようですが、「バスに乗って病院にいける」は双子ママにとってはすごく難しいことだったので感動的でした」と言ってくれました。

側にいた市倉から見ても、運行に影響もなく、スムーズに乗車・降車をしていたと思います。(運転手さんのフォローがあったおかげです、ありがとうございます!)


「思い合える社会」へ


双子ベビーカーは、場所を取ります。それは、現実としてあります。

ただそれは、乳幼児を「2人以上」「安全に」連れて外出するために、必要な装備だからです。

これまでは二人乗りベビーカーの必要性が知られておらず、ゆえに、乗車ルールも整備されていなかったため、二人乗りベビーカーを使いたい家族がいること自体が知られていませんでした。それが今回やっと、二人乗りベビーカーでの乗車ルールを作っていく機運が高まっています。

本来公共交通機関というのは、誰もが使えるはずのもの

人それぞれの事情があり、人それぞれ使う理由がある中で、みんなが快適に利用できるように少しずつみんなが配慮するものなはずです。


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これを読んでるあなたや、あなたの家族や親しい人も、もしかしたら「周囲に何かを配慮される」出来事があるかもしれません。

その時に、温かい眼差しを向けられる社会かどうか。

それは、私達の今の行動ひとつひとつと、繋がっていると思いませんか。

多胎児家庭にとって優しい社会は、まわりまわって、全ての人が暮らしやすい社会に繋がっているはずです。

このルール変更が、そんな社会へ近づいた出来事のひとつになれるよう、多胎児家庭も、そうじゃない家庭も、意識をアップデートしていきましょう!


乗車エピソードを集めています


これを読んでいるみなさんも、今度双子ベビーカーでバスに乗ろうと考えているかもしれません。そして、そんな風景を見かける側になるかもしれません。

東京都交通局では、今後の路線拡大にむけて、「意見を踏まえた上で」と言っています。

もしよかったら、↓のフォームに、乗った感想、乗っているところを見た感想など、教えてもらえませんか。

まとめて、交通局に持っていこうと思っています。


最後に、このルール改善に至るまでに関わってくれた全てのみなさま、とりわけ東京都交通局のみなさまに、厚く御礼申し上げます。

今回、始発駅と終点駅にて都バス職員さんに声をかけられ、乗車方法をお話いただいたり、利用の所感を聞かれたりしました。今日からスタートの事で、試行5路線に職員さんを配置してくださっているそうです。交通局の配慮や気合を感じました。

本当に本当に、ありがとうございました!


日々の活動は、ツイッターにて行っています。






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