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【歌詞を深掘り・第2回】光の中へ - odol

透き通るようなヴォーカルと、明るいようでどこか儚さを帯びたメロディー。そして、歌詞が描いている美しい情景。第2回は、odol というバンドの、”光の中へ” の歌詞を深掘りしてみようと思います。

前回は、歌詞を随所随所で引用しておりましたが、今回からは、見やすいように歌詞全文をあらかじめ引用したのちに、自分なりの解釈を述べようかなと思っています。

それでは、まずは歌詞全文を引用します。Google検索で出てきた歌詞から引用させていただきます。

空気が冷たくなりはじめている
目に見えないほどに遅く
時間が経っている
誰一人気付かぬ間に
ただ今日が終わってしまう気がした
目を合わせ僕がひとつだけ頷いたら
君だけに知らせていた合図だ

扉をあけてここを出よう
この気持ちが歳を取る前に
生きていく またひとつ答えを出す
今ならまだ間に合うと思う

離れていく雲の流れを見つけて
君は少し眩しそうにその目を細めた
どこまでも響いていくのかい
言葉は スネアのロールは
もし君に最後の音が聞こえたとしたら
離れてもそれが合図だ

灯りを分けるトーチのように
暗い中で抱きしめあった
降る雨にかき消されぬように
ただ強く僕らは闇の先を見ている

朝が来て光がさす
あの温度を あの美しさを
覚えている
そうやってまた
僕らは変わっていける

Googleより歌詞全文を引用

じっくりと歌詞全文を読んでみて、まず感じたのは、初冬の夜明けから朝にかけての情景を描いているのではないか、ということです。冒頭の歌詞から、少しずつ秋から冬に変わりつつある季節の様子を想起させてくれます。

全体的に具体的なようで、抽象的な歌詞ですね。この楽曲も、聴く人によって解釈が全然違うものになるような、そんな余白のある詞だと感じました。

私の中の解釈としましては、初冬の夜明けから朝にかけての情景を、自分自身の内面的な感情に投影しているのではないか、そう思うのです。その理由は、この歌詞全体から、曲のタイトルから、すべてを含めた上で、「明けない夜は無いのだ」というメッセージ性を感じたからです。

特に、”ただ強く僕らは闇の先を見ている” という歌詞が印象的で、「必ずその先に光があると信じている」という意味合いに受け取れました。

また、最後の歌詞も、”朝が来て光がさす あの温度を あの美しさを 覚えている そうやってまた 僕らは変わっていける” という風に締めくくられており、自分の内面的な闇から抜け出すことができそうなイメージを与えてくれています。ハッピーエンドの一歩手前、というような印象を受けました。

本当に全体的な情景描写が美しくて、切ない感情もありながら、それでも生きていかないと、と思えるような一曲です。

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