【ライブレポート】新年のクラポライブ(+α)

1.はじめに


 1月3日、Zepp DiverCity(東京都江東区のライブハウス)で行われた「謹賀新年!アイドル初夢ライブ」という対バンライブに参戦しました。目当てはクラポとまねきケチャです。クラポは過去に2回ライブに参戦したことがありましたが、まねきケチャは初見です。
 主現場の虹のコンキスタドールが見たくてチケットを確保したライブでしたが、出番がよりにもよってラスト(20時30分終演)だったため、断念しました。翌日は仕事でした。睡眠時間にはかえられません。

 この記事ではそんな対バンライブについて書きます。

 過去に参戦したクラポのライブについてのレポートはこちらです。

2.最高じゃないか、人生だ、楽しもう


 2024年は出だしからつまずきました。
 開場時間に余裕をもって到着できるよう、駅すぱあとにルートを保存したのですが、どういうわけか出発時間を1時間誤認してしまいました。そして、予定より1時間遅い電車に何の疑問も抱かずに乗り込みました。誤りには車内で気がつきました。
 それでも、開演には間に合う見込みでした。しかし、予想もしていなかったトラブルに見舞われました。コインロッカーに荷物が入りませんでした。実家に持って行った衣類パソコンその他でリュックが膨れ上がっていました。四苦八苦しているうちに、会場からオープニングアクトの歌声が聴こえてきました。口の中に苦いものが広がりました。
――幸先が悪いな
 リュックは前後反転させたら難なく収まりました。先鋒を務めるグループの出番には間に合ったので、まだ心は平静でした。
 しかし、連鎖はまだ終わりませんでした。ペンライトに電池をセットして点灯させようとしたところ、赤から色を変えられなくなっていました。正確には、事前に記憶(愛用のキングブレードは1色に限り記憶させ、ワンプッシュで変えられる)させておいた緑以外には変えられなくなっていました。クラポが『たけのこにょっき』が歌われない限り使えない代物と化してしまった(クラポ現場では特定の曲を除いてペンライトを青く点灯させる)、ということになります。
 ここまで連鎖が続くと、もはや笑えてきます。頭の中では『ケセラセラっ!』が鳴り響いていました。

3.まねきケチャ


 せっかくチケットを買ったのだから最初からぶっ通しで観よう、などという心意気は数十分で潰えました。ライブを楽しむには、グループについて最低限の事前学習が必要だということが分かりました。

 しばらくの間、スマートフォンで新聞を読んだり入場時に買った飲み物を飲んだりして、廊下で時間を潰しました。
 まねきケチャの出番が近づいたので、会場に戻りました。音に聞こえたまねきケチャのライブです。期待を込めてステージに注目しました。

 圧巻のライブでした。4人組のグループなのですが、全員歌がうまいです。曲も乗りやすいだけでなく、品があります。楽曲派のファンも多いのではないでしょうか。そして、練習すれば振りコピもしやすそうです。質の高いパフォーマンスと楽しませる工夫が光っていました。
 有名な『きみわずらい』が聴けたことが嬉しかったです。反応から察するに、楽しみにしていた観客が多かったようです。名曲でした。

4.セピア色の自転車


 1グループを挟んで、いよいよクラポの出番になりました。前の方は立すいの余地もありませんでしたが、可能な限りステージに近づきました。

 クラポは昨年の12月28日に同じZepp DiverCityでワンマンライブを開催しています。「CROWN ROAD」と名付けられたこのライブは大盛況だったようです。そうできるだけの実力と自信がついたことが、この日のライブからうかがえました。

 初っ端は『Cheerful Butterfly』。ユーチューブに公式チャンネルからライブ動画が上がっている曲です。新年に初めて歌う曲にふさわしい、爽やかな希望を感じさせる曲です。アウトロでクラップをする練習はしていなかったのですが、奇跡的に思い出して対応できました。少し気分が晴れました。クールな印象を持っていた三田美吹いぶいぶの笑顔が柔らかくなっていて驚きました。「CROWN ROAD」を経て精神的な余裕ができたのかもしれません。
 次はなんと『たけのこにょっき』でした。ペンライトの活躍の場はないと思われましたが、ありました。雪月心愛みぃあの「みーぎ、ひだり、みーぎ、ひだり」に合わせた振りコピは楽しかったです。
 トークを挟んで『一途回路』。正統派なアイドルソングです。「CROWN ROAD」の初っ端で歌われたようで、その時のライブ動画が上がっています。初めて聴きましたが(ライブ動画が上がったのはこの日の夜)、曲の出来は良く、メンバーも歌いこなしていました。

 次に『青春Bicycle』。これが今回の目玉でした。
 「CROWN ROAD」のライブ動画が事前に上げられていたため、見ていました。AKBみたいな曲、という印象が強いです。曲調が似ている上、自転車はAKBの曲でよく使われるモチーフです。何度か見ているうちに「青空の下、学校制服を着たクラポの5人が草原に伸びる道で自転車を漕いでいる」という、いかにもAKBのようなミュージックビデオが脳内で再生されるようになりました。そのようなミュージックビデオは存在しません、念のため。
 AKBと言えば、私が大学に在籍していた前後に流行していたグループです。どこに行っても『ポニーテールとシュシュ』や『言い訳Maybe』といった曲が聞こえてきた記憶があります。大学を卒業して間もなく、流行は落ち着いたようで、曲を聞く機会はなくなりました。当時はアイドルに興味がなく(耳障りだ、と思っていた)、あえてユーチューブをあさることもしませんでした。それから数年経ってから、『青春Bicycle』を聴きました。AKBが身近だった時代を思い出しました。もう失われただろうと思っていたものが、変わらないままで目の前に現れたような、懐かしさを覚えました。
 自転車のハンドルを操作するような振り付けが曲に合っていました。振りコピもしやすく、楽しめる曲でもあります。AKBのように、イントロでMIX(タイガー、ファイアー……)をコールしたくなりましたが、我慢しました(MIXは公式が禁止している)。
 さて、ライブ動画では田中咲帆さほるんが印象的でした。飛び跳ねたり、走り回ったりする様子が曲の世界観に合っていたのでしょうか。そこで、『青春Bicycle』ではさほるんに注目することにしました(それまでは、その部分を歌っているメンバーに注目していた)。目まぐるしく変わる表情が視線を離させませんでした。しばらく曲の世界観に閉じ込められていました。高校の同級生だったさほるんと、アイドルとファンでは望めない近さで話したことがあるような気がしました。『青春Bicycle』はさほるんに似合う曲でした。

 最後は『alright!』でした。前回はコールできなかった、サビの「ヘイ」に対応できてさらに気が晴れました。さほるんはこの曲でも良い表情をしていました。
――『LOVE』のリリースイベントに行っておけば良かったな
 青くできないので消灯したペンライトを振りながら、思いました。
 『LOVE』は昨年の11月に発売されたミニアルバムです。『一途回路』や『青春Bicycle』が収録されています。リリースイベントの会場で買えばさほるんと話せる特典会に参加できた(さすがにワンマンライブ程の列はできない、と思われる)ので、惜しいことをしたものです。

 各グループの出番の間にはインターバルがありません。クラポの出番が終わると、急いで会場を後にしました。

5.最後に


 気になっていたまねきケチャを見ることができました。評判の高さが納得できました。気になるグループがあれば、とりあえず現場に行ってみると良いかもしれません。
 そして、8ヶ月以上間を置いて参戦したら、クラポが段違いに成長していました。歌やダンスの出来が良くなったことはもちろん、精神的な余裕が見えました。次に参戦した時には、アクリルスタンドが増えている可能性があります。

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