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てこの支点

数字に関することは詳しい方にお任せし、今日は「レバレッジ・ポイント」についてコメントします。

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大阪を代表するソウルフード、たこ焼き。

まだインバウンド需要の活気があった数年前、どの店が本当に美味しいのかを自分の舌で確かめるため、妻と2人、朝食を食べずに道頓堀へ向かい、10軒ほど食べ歩いたことがありました。

有名な橋の近くに、道を挟んで2つの店舗。店名を忘れましたが、仮に片方を本家、他方を元祖とします。

本家には20人を越える行列。元祖には10人ほどの行列。とりあえず本家に並びましたが、なかなか前に進みません。元祖はスムーズに流れ、10人程度の列を作ったり、減ったりしている。

元祖の店主が「ワザとゆっくり作ってる店やからいつまでも行列は減らん。ウチの方が旨いで!」と声を上げるも、行列に並んでいる8割は外国人。日本語では響きません。

本家の方は忙しそうに手を動かしながらゆっくりと焼き続け、時々ニヤけた表情を浮かばせているのでした。

(以上、実体験)
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競い合う両店舗にとって、行列のできる店になるには、一番旨い店になることでも、独自の味を追求することでも、効率的に早く作ることでもなく、作るスピードを行列に合わせて加減することでした。

問題を解決するためには、一般的に常識や当たり前と呼ばれるやり方を踏襲したり、どこかの成功例を真似たり、目に見えている事象から結果に直線で繋がる原因をロジックで繋ぐだけでは、充分とは言えません。

答えは問題のすぐ近くにあるとは限りません。問題のメカニズム、全容を把握した上で、どこに問題解決のツボがあるのか、てこの支点(レバレッジ・ポイント)を探し、解決を図ることが「システム思考による解決策」です。

ただ、この解決策は条件が変われば成立しません。

コロナ禍で行列を作る外国人客はおろか、日本人客も減ってしまった今、行列を作るための前提が変わりました。問題のメカニズムを捉え直した上で、新しいレバレッジ・ポイントを見つけないといけません。

場当たり的に見えるかも知れませんが、状況に応じてフレキシブルに変え続けることで、成果を出し続けることに繋がります。

まだコロナ禍は現在進行形。震災や台風など、過ぎ去った災害と同じ考えではいけません。活気ある道頓堀に戻る日を望みつつ、今はまだ、戻す時ではないと強く思います。


[2021.01.17投稿]いいね:13


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