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BLONDE

松・竹・梅、3つの選択肢があった場合、あなたはどれを選びますか?

3段階の選択肢に対し、人間は無意識のうちに真ん中の選択肢を選んでしまう傾向があるという心理効果のことを「ゴルディロックス効果」と呼ぶそうです。この名前は『3匹のくま』というイギリスの童話が由来。少女が3匹のくまが住む家で3種のカップに入った粥を味見。大きなカップは熱すぎて、中くらいのカップは冷たすぎ。小さなカップはちょうどいい温度なので粥を全部飲んでしまう・・という具合に、無人(無くま?)の室内で椅子を壊したり、ベッドで爆睡したりとやりたい放題。最後は帰ってきたくまと鉢合わせ、室内を荒らされて怒り心頭のくま達からスタコラサッサと逃げ出す話。この話を読んだとき、いったいどこか面白いのか、この話にどんな教訓があって読み継がれているのか、いまひとつピンとくるものがありませんでした。

なんだか無性に気になったので、Google先生に質問の嵐。「ゴルディロックス」というのは"金髪"を意味する、物語に出てくる少女の名前。しかし、どうやら元々は"銀髪"の「シルバーロックス」であり、少女ではなく老婆だったとのこと。「人の物は勝手に使っちゃいけないよ」ではなく「銀髪の老婆にご注意を!」という教訓だったのか?

更に、このイギリス童話をロシアの文豪トルストイがアレンジすると、女の子からは名前が剥奪され、3匹のくまにそれぞれ名前が付くという事態に。女の子の素性はどうでもよくて主役は3匹のくま。なんだかこぶたとおおかみのよう。余計にややこしくなっていますね。

ちなみに「うんとこしょ、どっこいしょ」の『おおきなかぶ』はA.トルストイの作品だけど、文豪のレフ・トルストイとは別人なので注意。『3匹のくま』が絵本なので『大きなかぶ』も同じだろうと勘違いしている人もおられるようでご注意を。

・・はい、既に冒頭の"3択"はどこかに行ってしまいました・・本当に書きたかったのは"極端な2択を迫られた後、示された3つめの選択肢には、元の2つとの関連性がなかったとしても、その第3の選択肢を選んでしまう"という心理効果の話。始めの2つが極端であればあるほど、第3の選択肢は数値的な根拠がなくても「これでいいや」「ちょうどいいわ」と錯覚してしまうという話なんですが。・・今回は余談で時間切れです。


[2022.10.21投稿]いいね:34


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