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【深い社会】07 で、結局、構成主義って何なの。

あるセミナーのあと、所属するサークル代表が私に言いました。

「で、結局、構成主義って何なの?そこがわからないと。」

私は、ハハハ、と乾いた笑いをしつつ、
「そりゃわからないよなあ」と心でつぶやきました。

構成主義って何なのでしょう。
むしろ、わからないから構成主義なのかも。

大きく2つ、原理を挙げてみましょう。

構成主義の原理①
「概念はもともとあったものではなく、
 私たちが認識することによってつくられている。」

例えば、私たちが「消防」と聞くと、頭の中で、「消防士がホースで水をかけ、火を消す」イメージが浮かびます。
でも、古来、日本の消防は、火が出ると周りの家屋を取り壊して、延焼を防ぐようにしていたのです。
「破壊消防」といいます。
水で火を消すようになったのは、明治時代、近代水道が始まってからです。

このように、「消防」概念についても、もともとあったものではなく、私たちが作り上げたもので構成されています。

構成主義の原理②
「概念は、対概念を生み出し、再構成される。」

消防士がホースで水をかければ安心か。十分ではないですね。
震災のように火事が多発したとき、だれが消すのか。よし、消防団を作ろう。

消防団がいれば安心か。十分ではないですね。
地域住民が自分で消せるように、地域で訓練が必要です。

このように、概念の意味内容が豊かになると、対になる概念が生まれ、ジレンマを解消する方向に再構成されます。

サークル代表が「構成主義って何なの?」と、私に聞いたとき、
上手く説明できないのは、構成主義の中身自体が、空っぽだからです。
空っぽを埋めるための人類の努力、そのものが構成主義なのです。

「わからないなー」
「わからないですよねー」
「こういうこと?」
「そうかもしれないです。」
このやりとりが構成主義です。

以上2つの原理を構成主義を構成するものとして挙げておきます。
さて、カントとヘーゲルがきっかけを作った、構成主義ですが、世界の様々なところに影響を与えていきます。
その影響についてみていきましょう。
その上で、構成主義の価値についてみなさんで論じていきましょう。

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