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【深い社会】05 あなた、構成主義にだまされていないか。

現学習指導要領が出る前、
中教審によって「アクティブ・ラーニング」なる概念が持ち出されました。

・・・アクティブ・ラーニングとは・・・なんだ?

直後、たくさんのアクティブ・ラーニング本が出ました。
様々な教育団体が、
「私たちがやっている実践こそ、アクティブ・ラーニング!」
と叫んでいました。

特に元気がよかったのが『学び合い』と「学び合い」です。

『学び合い』が上越教育大学の西川純氏による教育実践。
「学び合い」が学習院大学の佐藤学氏による教育提案(あえて提案と)。

西川氏の『学び合い』は教師は基本何もしません。
課題を出して、子どもは自由に学びます。
名前マグネットが黒板に貼ってあり、課題を達成するとマグネットを動かします。
達成した子は未達成の子に教えに行きます。

佐藤氏の「学び合い」は「学びの共同体」を作ろうという提案です。
教室内で協同的に教え合う場を作り、
職員室内で協同的に高めあう場を作り、
学校と地域で協同的に教育する場を作っていこう、という主張です。
氏の提案に対して全国の先進校?が協力して研究が広がっているそう。

どちらの学び合いも、若い人には魅力的に映るかもしれません。
しかし、私は違いました。

西川・佐藤「アクティブ・ラーニングは「学び合い」!」

はーーーー!?ほんとかー!?

若干引いた気持ちになったのです。
そこで始めたのが、この深い社会科セミナーのきっかけです。

「学び合い」の理論的支柱になっているのが「構成主義」です。
前述の大学教授が「経験主義から構成主義へ」と言ったのもここに理由があります。

構成主義と言っても、なんのことはない。
カントのコペルニクス的転回のことです。
向社神奈川がこれまで学んできた、「仮説化」「問い」「判断」でも触れてきた概念です。
そもそも、社会科自体が構成主義に根差した学問です。

では、なぜ、こんなにも、私は「違和感」を感じたのでしょう。

どうも、カントの構成主義と、学び合いの「構成主義」は、中身が違うようなのです。
そこを明らかにするために読書を続けましょう。

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