鎌倉殿の13人 第37回「オンベレブンビンバ」

まえがき

 前回時政(と裏で操るりく)によって畠山一族は滅ぼされてしまったわけですが、無実の罪で謀反人とされてしまったことによって義時は時政を見限り執権の座から追い落とすことを決断しました。
 この後に牧氏の変と言われる出来事へと続く訳ですが、どのよう話へと脚色されるのか、また今回のサブタイトルである「オンベレブンビンバ」とは一体何のことなのか気になり過ぎて、この一週間モヤモヤを抱えたまま過ごしておりました。

政治から遠ざけられる時政

 畠山追討後の恩賞の分配を尼御台が執り行った事によって、執権である時政への信頼は失われて今後は尼御台が執り行っていくと御家人たちも見なし始めました。時政は執権と名乗ってはいるもののお飾りみたいな状況となり、怒りを露わにするのでした。
 本編ではこのような流れで推移していきましたが、時政は追い込まれてはおらず無実の畠山を討伐したことによって、時政と義時との間に亀裂が入った事に加えて更に時政がりくに唆されて暴走を始めた事が決定的になったようなんですが、前回平賀朝雅の告げ口(自分の罪を嘘を付いて擦り付けただけなんですが)でりくを焚き付け時政を動かし暴走させたという事もあるので、その流れを回収させる狙いと、権力を奪われ後が無い状況にさせることで時政の思惑をわかりやすくさせたのかもしれません。

りくの逆転の一手

 やることが無くなり不貞腐れる時政でしたが、りくは最後の手段として実朝を鎌倉殿から失脚させ代わりに娘婿である平賀朝雅を新しい鎌倉殿に据えるよう唆します(本当は息子の政範が畠山重保によって亡き者にされたと朝雅に騙されたままなんですが)流石にこれは無謀だと時政も難色を示しますが、結局りくの勢いに流されてしまいました。
 時政はりくに言われるがまま三浦義村を呼び寄せ自分達の味方になるよう説得しました。話を聞いた義村はいつもの通りこれを受けますが、これまでも自分に利がなければあっさり裏切るような男になぜ話を持ちかけたのかについては謎です(しかも義時と義村は子供の頃からの腐れ縁である事を時政が知らぬ筈は無いでしょうし)

一方京では…

 その頃、京では後鳥羽上皇の似顔絵大会が繰り広げられておりました…
(藤原兼子は破り捨て、慈円は握りつぶすくらいの画力なのでたかが知れているわけですが…というか後鳥羽上皇はいつも登場するたびに何らかの遊びをやっているんですが、今後も登場時に何かしら遊んでいる演出になるんでしょうか)
 平賀朝雅は既に時政から鎌倉殿に就任して欲しいとの連絡を受けていましたが、流石に鎌倉殿になるのは嫌がっていましたね。と言うか源仲章に唆されたとは言え北条政範の毒殺や畠山討伐の発端に加担するなど、ある意味自分の巻いた種でもあるわけで(既に畠山重保の報告によって義時には悪事がバレていますし)このまま不幸へ一直線という感じになるんでしょうか…

和田に通い詰める鎌倉殿

 そういえば鎌倉殿には泰時に替わって阿野時元が側近に付けられましたが、何やら実朝に対して良い感情を抱いていないようでした。時元についてはもっと後の時代に語られているので、この時本当に時政の味方に付いて実朝の動向を伝えていたりしていたのかは不明なんですが、少なくとも実朝に対して複雑な心境にあることは間違い無いかと思われます。
 実朝は泰時から時元に側近の変更を伝えられた時かなり動揺していたように見えましたけれども、もしかしたらLGBT的な可能性も考えられるのでしょうか?千世が魚の骨を取ろう近づいたら露骨に拒絶するような挙動をしていましたので今後泰時との絡みに何かあるのか気になるところです
 和田邸では義盛が急に昔話(何故か上総広常が初めて頼朝に顔合わせした時のエピソードだとか、武衛と呼んで良いかなど)を話していましたが、今後これが何かに影響するんでしょうか?義盛は上総広常のような最後とはちょっと違うと思っているので、話した相手である実朝の最後を示唆しているとか…?

オンベレブンビンバ

 阿野時元の情報より、実朝が和田邸に入り浸っている事を知った時政は義村に実朝を連れてくるよう指示しますが、大方予想した通りに義村は企みを義時に明かしていました。時政はりくに最後のダメ押しをされていましたが抱き合った時の表情が怒りに燃えているというよりも何かを悟ったような表情となっており、その後は政子の元へ訪れて久しぶりにりくを交えずに親子で酒宴を催しました。政子や義時は既に時政の企みを知っているだけに、何を考えているのか最初は怪しんでいました。
 酒も進み、時政がいきなり「オンベレブンビンバ~」と謎の言葉を唱え始めその場にいる者が全員?な状態になったんですが、時政いわく昔大姫が教えてくれたマジナイの言葉でした(結局間違って覚えていただけでした)そこからは全員で正しいおまじないの言葉を披露し始め最終的には微妙な空気が一気に和んだんですが、なぜこれがサブタイトルに選ばれたのか、ちょっと考えてみたんですけどかなり難しいですね…分断されていた関係が一気に雪解けしたきっかけの呪文となりましたし、それぞれの心の中ではこれが最後の団欒になるであろうと分かった上で、北条家の絆の象徴となるであろう言葉という意味だったりするのでしょうか?

強硬手段

 夜になり、義村は暫くは時政に指示された通りに行動するよう義時と事前に話していたので、和田邸にいた実朝を名越の時政邸に連れていきました。
 八田知家は急に実朝が連れて行かれた事に疑問を持ち、どうやら実朝が拉致されたらしいと義時と政子に報告しました。義村に指示通りに時政の元へ連れて行かせたのは謀反の証拠を押さえるためであり、報告を受けて非情な決断を下す事になるのでした。
 時政は隠居する下文を書くよう実朝に強要しますが、実朝は以前文面を見ないまま花押を書いてしまい、結果畠山の滅亡に繋がる事になってしまったということもあり、時政が刀の鞘を抜いてチラつかせても絶対首を縦に振ることはありませんでした…

 このとても緊迫した状況の中、「つづく」の文字が…
あまりに集中していたのであっという間に時間が過ぎていることにビックリしたんですが、無茶苦茶切迫した場面で今回終わってしまったので今回もモヤモヤが溜まった状態で一週間待ち続ける事に…