鎌倉殿の13人 第39回「穏やかな一日」

まえがき

 先週の放送はSP対談だったため、何だかぼんやりとした感じで放送を見始めたら突然の長澤まさみさんの登場から始まったので、いきなり引きずり込まれてしまいました…
 その場面では承元2年(1208年)から建暦2年(1212年)の4年間を1話に凝縮するとのナレーションだったんですが、前回の時政追放は1205年の話ですので今回開始時点で既に3年が経っている状況から最終章は始まります。

病み上がりの実朝

 開始直後、実朝は疱瘡にかかっていたとのナレーションがありました。既に回復していた様子が映されていましたが、一時は危篤の直前まで症状が悪化していたらしく、もしもこのまま亡くなった場合は善哉を鎌倉殿に継がせるという話も出ていたようです。
 今現在では天然痘(疱瘡)という病気は根絶しているため、実際どのような症状だったのかは記録などでしか知る事が出来ませんが、発症すると高熱や全身に瘡痕が出るなどして死に至る可能性も出るくらいの伝染病であり、当時の人々には相当恐れられていたと思われます。

義時は完全に闇に落ちたのか

 前回時政との最後の会話であれだけ泣きじゃくっていた義時ですが、今回の義時にはもはやどこにも隙がなくピリピリした状態と言うか、三浦義村も表面上では楯突く事も出来ず、義時がその場を離れた後に怒りを露わにしていました。(同意を促された件というのが、定期的に守護を交代制とすることで北条家以外の有力御家人が出てくる事を抑止する目的であり、勿論義村自身もその対象に入る訳ですから内心この野郎と思ったことでしょう)
 また、和田義盛に対し上総介になりたいとの要望を断った場面では、大江広元の助言に頷いていました。
 (義盛は生粋の坂東武者であり更に御家人の中でも人気が高く、放っておくと鎌倉のためにも良くないために排除したいと思っているが、何の罪も無く誅殺してしまうと畠山の時と同じような事になるため、慎重に策を打っていきましょうという意味合いではないかと思います)
 表向きでは兄の宗時が残した坂東武者の世を作るため、と政子に打ち明けてはいましたが、実権を得た事により徐々に北条あっての鎌倉という考え方に転化しつつあるのでないかと見ていますが、鶴丸に平盛綱という名を授ける場面では泰時に疲れたとゴロンと横になるなど家族相手には気を抜いている様子も見られるので、完全には闇に染まっていないと見ています。
 今のところ実朝は義時がいなければ鎌倉が成り立たないため疎外感を感じつつ、言われるがままとなっていますが、お気に入りの和田義盛が排除されつつあるという動きに対しどのように動くのか気になっています。

善哉から公暁へ

 実朝は疱瘡に倒れている間、一時は善哉を跡継ぎにという話もあったことで、若干穏やかではない空気が漂い始めていました。
 現状子供がいないためにわざわざ善哉を猶子にまでしたのに、病気が回復したら一転出家させられてしまい、善哉としてみたら自分は跡継ぎになれないのか(勿論鎌倉殿にもなれない)と実朝や北条家に対して複雑な感情を持ったことは間違い無いのではと思います。
 修行のため京へ旅立つという場面では(いきなり剃髪して大人っぽくなった公暁ですがこの時まだ13歳くらい…)三浦義村が柱に隠れて善哉を見送っていましたが、大体こういう場合は何か策略を考えているであろうと思われるので、今後どの様に影響するのか気になるところです。

★以下軽いネタバレありますので注意★
 
この場面から約6年後に実朝は公暁に暗殺されてしまいますが、この事件の裏幕には義時や義村、又は後鳥羽上皇が絡んでいるのではなど色々な説が存在しており、先日歴史探偵という番組でも特集されていました(この番組では公暁の単独犯行説を採用してましたね)
 個人的な推定ではありますが、暗殺の目的が実朝ではなく義時暗殺という見方に変えた場合、三浦義村黒幕説というのも有り得るのではと考えています(実朝を父の仇と思いこんでいる公暁と、義時を排除したい義村が共謀し誅殺しようとしたが、寸前で義時と源仲章の役が交代されたことで義時は殺されず、まずいと思った義村は公暁を見限った…という流れですが、問題は義村(&公暁)が実朝と義時を葬ったとしてもまだ政子がいるために、義村が権力を握る事はまずありえないので、ちょっと可能性は薄いかも)
 とりあえず自分の説は置いておき、鎌倉殿の13人ではどんなストーリーとなるのか楽しみに待ちたいと思います(ガイド本の完全版購入済みですが、細かな脚本部分はドラマを直接見たいために、シナリオ部分は未読の状況で書いています)

実朝の想い

 表現が難しいのですが、今回の場合は実朝は泰時に片想いで、千世は実朝に片想い(というより結婚した相手を慕っているという表現の方が良いのかな)という一方通行な想いがドラマ内で表現されていました。
 個人的には千世に対して子を作る気持ちになれない事と泰時に好意を向けている事がLGBTの意味合いを持っているとは思ってなく、泰時に対しては憧れだとか尊敬なども含めたもっと純粋で淡い気持ちなんじゃないかという感じで捉えています。
 それを踏まえても一番浮かばれないのは千世ですよね…実朝の本当の気持ちを聞くことが出来て良かったとは言いつつ、だからといってこれ以上の関係になることも出来ず、また別れることも出来ないなんて不憫過ぎると思ってしまいました。

あと残り9回…

 承久の乱までまだ色々な事があるのに、残り話数が少なすぎる気がしてきました…まぁ去年の青天を衝けのような凝縮感は無いとは思いますが、12月まで全力で楽しみたいと思います。
 今週は若干書くペースを落としていますが、来週は所要も重なるため更に書くペースが落ちると思います。