鎌倉殿の13人 第25回「天が望んだ男」

はじめに
 前回の衝撃的な最後が尾を引いていたので開始直後から身構えながら見始めたんですが、終盤まで最近にないくらいコミカルな感じで推移していったので、もしかしたら予想していた頼朝の最後は次回に持越しなのかなと思っていたんですが…

今回の舞台背景
 オープニング前のシーンでは前回から引き続き、鎌倉殿が毎日のように悪夢を見る所から始まります。建久9年12月の末となっていましたので、既に大姫が亡くなってから2年が経過しており、ドラマには出てきませんでしたが後白河天皇は若いながらも譲位して上皇となり、既に院政が始まっておりました

死の恐怖が付きまとう鎌倉殿
 鎌倉殿は不安に駆られるあまり、全成にどうすれば死の不安から逃れられるか相談していました。赤色は避けるとか赤子を抱けば命が吸い取られるなど忠告していましたが、その後のシーンではあまりに聞かれるので途中から適当に答えていたと話していました。これまで全成が真剣に占った時は半分しか当たらなかった訳ですから、言われた通りにしないといけないはずなのですが、ことごとく全成が答えた内容の出来事が発生してはやってはいけない方に話が進んでいく様子を見て、最後が近い印象が強くなっていきました

鎌倉殿と似ている頼家
 嫡男の頼家には比企能員の娘せつ(若狭局)との間に一幡が誕生しておりました。しかし頼家は子供の母親とは別の源氏の血筋だという女性を正妻にしたいとまずは義時に相談、結局鎌倉殿との間を取り持つ事に…
 鎌倉殿は弟の範頼を焚き付けたと噂されている比企への信頼が落ちていたため、渡りに船といった感じで血筋が正しいのであれば認めると約束していました。この頃の頼家は今回のような重要な話を取り持ってもらうよう義時に相談していたりと信頼している様子でしたが、ここから数年も経たず血みどろの争いが起こるとは…

この時点では結束が高い北条一族
 北条家では、稲毛重成の亡き妻(義時の異母妹)のために橋を架け、この日はその近くの寺で供養ということで鎌倉殿も参加することになっていました。
 鎌倉殿は縁起を担ぐために、方違え(演技の悪い方向を避けて目的地を向かうこと)しながら向かいますが、和田義盛邸に寄った時に巴御前との会話で涙を流しながら過去を振り返ってしまった上、途中工事で塞がれて八田知家に追い返されてしまい、結局方違え出来ないまま寺にたどり着きました

 鎌倉殿が到着し、供養はつつがなく終了となりました。その後北条の面々は一族の習わしである丸餅を作りますが、りくは手を汚したくないからとその場を離れ鎌倉殿と初めて?直接会話し、京に戻るつもりはないのか(平家のように京を支配するつもりはないか)とけしかけました。鎌倉殿は最初はそれも考えたが、自分達を今でも番犬のように扱い、その顔色を伺いながら暮らすよりも鎌倉を京にも負けない都にすると明かしました。
 信頼している者ですらなかなか本音を語る事のなかった頼朝でしたが、ここに来て何かを悟ったかのように顔が晴れやかになったので、まさか?と思った直後に、時政が持ってきた餅を口にして喉につまらせ、あわや窒息死…となる寸前に義時の助けで何とか餅を吐き出し一命を取り留めました

憑き物が落ちた頼朝
 しばらくの間、外の風当たりの良い場所で政子が背中をさすり鎌倉殿は落ち着きを取り戻しました。義時が水を差し入れた所で鎌倉殿は言っておきたい事があると話し始め、義時には常に頼家に寄り添い支えるように、政子には鎌倉殿の母として見守るように言い残しました。そして自らは頼家に鎌倉殿を継がせ大御所になると…いずれ、海を渡りたいとの希望も語っていました…
 政子が立ち去った後、鎌倉殿は人の命を抗うよりも甘んじて受け入れようではないか、受け入れた上で好きな様に生きると義時に打ち明けました。義時は鎌倉殿は昔から私にだけは大事なことを打ち明けて下さる、とお互いの信頼関係が更に深まったところで不幸は次回に持ち越しかな?なんて思っていたんですが…

 鎌倉殿は疲れたので夜の宴会には参加せず、このまま一足先に御所に戻ると言い残し、藤九郎(安達盛長)を共に二人だけで帰路に
 義時との会話で不安も払拭されたのか、避けていた昔の話をしながら馬を進めていた時、にわかに鎌倉殿の言語が不明瞭になり、手の痺れのあと気を失い、落馬…
それと同じ頃、政子を含め何人かには鈴の音が聞こえましたが、手を合わせている義時にはそれが聞こえませんでした…

今回の振り返り
 サブタイトルは天が望んだ男となっていましたが、ここ数回の話の中で頼朝は今まで聞こえていた天の声が聞こえなくなったと語っていましたので、天が望んだ男は義時に引き継がれたと考えて良いのか、今回の話の中では義時自身にはそのような兆候は無さそうだったんですが(最後に鈴の音が聞こえていない事が関連しているのかどうか?)いずれ、義時もいくつか困難が訪れた時に何か聞こえるようになるのでしょうか?
 最後、頼朝は何らかの病気を発症しその後亡くなりました。仮に頼朝が長生きしていた場合、源氏はどうなっていたのか自分なりに想像してみたんですが、結局うまくまとまりませんでした…(頼家に盤石な体制で引き継がれて暫くは鎌倉は安泰になるのでしょうが、結局は鎌倉殿と御家人の間で争いが起き、早かれ遅かれ鎌倉殿の力が弱まり比企と北条のような御家人の中での権力争いが起きてしまうような気がします)

今回までで壮大な前置きが終わり、次回からようやく本編が始まるということで期待が膨らむばかりですが、次回は用事のために記事のアップは次の日にずれ込む予定となります