【空と青とアイツ】からわかる「芹沢あさひ」について
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こんにちは。
久しぶりの更新です。正直、【十二月短編】杜野凛世や【薄桃色にこんがらがって】で更新しようとは思ってたのですが、タイミングが合わず...
今回は、【空と青とアイツ】芹沢あさひのコミュを見て、「芹沢あさひ」について語りたくなったので書いていこうかなと思います。
※芹沢あさひのコミュに関するネタバレを多く含んでいるので見たくない方は注意をお願いします
1.「芹沢あさひ」について
芹沢あさひをプロデュースする中で重要なファクターとして、あさひが天才なのかについて考えを話す必要があると思います。
あさひが天才、もしくはそれに類似する言葉で形容されている理由は様々であるが、個人的にはWING編で語られている「テレビで一度見たダンスを再現」するところが多いと思います。しかし、自分はあさひについて天才だとは思っていません。これは、コミュの中であさひが一度も天才と直接的に言及されたことがないからです。プロデューサはあさひと初めて会うコミュの中で、「すごい才能の持ち主かも」と表現はしていますが直接的に天才とは言ってませんし、これ以降も言及しているコミュはありません。また、自分があさひを天才だと思わない理由は、並々ならぬ細部にこだわる努力もあるからです。そもそも、天才とは「天性の才能、生まれつき備わった優れた才能」、「人の努力では至らないレベルの才能を秘めた人物」のことを指します。あさひはコミュで語られているダンスの並々ならぬこだわりと努力からで天才ではないと感じています。また、天才は実行できた物事に関して理論を持っていると言われています。あさひはこれにも該当していないというのが自分の考えです。
一方で、あさひが天才だと言われる所以は、あさひという女の子が普通とは違う考え方や言動、振る舞いをするからだと思います。
人はいくつかの欲を持って生きています。例えば物を欲しがったり、人に褒められたかったりなどです。人はこういったいろんな軸、欲を持っている為に物事を決定する時に悩みます。一般的に人は、この自分の欲をある程度コントロールします。人がつい流されてしまう所を理性で考え、物事に順序を付けるので、結果行動に一貫性を持ちます。大事な事を成し遂げる為に、それ以外の大事なものを諦める事ができるのが人間です。
しかし、天才と言われる人は、本来人が持ち合わせているはずの欲、つまり未練というものが欠如していると感じます。例えば、人は多かれ少なかれ人からどう見えているかを意識して生きていますが、天才といわれる人の中にそういう感覚が全く欠如しているのではないかと思う人がいます。人目を気にするという未練の欠如です。欲が全くない訳ではないのですが、何か欲が所々抜けていて、代わりにある一点に、集中している。だからそこでの集中力とそこから得られる成長がとてつもなく、持って生まれた才能とともに結果として抜きん出る。普通迷うという局面で迷わない。そういう部分に違和感を感じたときに人は天才だとある人を認識すると感じています。あさひは一点に集中して周りから今どう見られているということがわからなくなるコミュがあります。そういったコミュを見ると人はあさひに対して天才に近いような感覚を持つのだと思います。
こういった考えの中で、自分は結論として芹沢あさひという女の子がコミュの中で意図的に天才のような描写はされているがそうではないという考えになりました。この理由は後述します。
2.「芹沢あさひ」のプロデュースについて
あさひのプロデュースは街頭のテレビで見たアイドルのダンスと、プロデューサーにスカウトされた事から始まります。あさひはどことなく普通ではない少し違う女の子であり、興味を持ったことに関しては一点に集中して周りが見えなくなることが多々あります。
そんなあさひに対して、プロデューサーがとった行動は、彼女の行動には逆らわず、否定せず、尊重することです。あさひがアイドルになるきっかけである「ドキドキ」を求めているのならば、そこにプロデューサーが話に乗ることで、あさひがアイドルに対する興味を失わずうまくコミュニケーションを取っていく。時に、あさひを理解出来ていなくても... そうすることであさひがアイドルとして成長させるためなんだと。
実際、このプロデュースであさひは今までとは違う反応が見えて来ます。
WING編優勝コミュでは、あさひがひとりぼっちであったと明かします。
続いて、【WorldEnd:BreakDown】では、あさひは知り合いから距離を置かれていたこと示唆している描写があります。
あさひの性格からして周りから距離を置かれていたことについて想像するのは難しくないと思います。あさひの性格や行動力に最初は興味・関心を抱いていた人でも、次第について行けなくなる。あさひはアイドルをしていて楽しいとも明かしています。あさひは今まで彼女が抱いた興味を共感出来る知り合いが居なかった。もしくは居ても離れてしまったのではないかと思います。しかし、プロデューサーはあさひを否定しないし見捨てない。あさひの個性と向き合い尊重することで最高のプロデュースが出来、あさひは本当の意味で孤独では無くなったのではないかと思います。
3.「芹沢あさひ」に共感する
自分があさひをプロデュースする中で問題点がありました。それは、あさひに全く共感出来てなかったことです。【さかさま世界】で雲が気になって色々な角度で見たり、【がしゃーんとがらがら】で自動販売機の補充が気になるから作業中にのぞいて見たり、【ジャンプスタッグ】で都内のクワガタに興味を抱いたり。正直な話、あさひは色々な興味・関心があるんだなーとは思っていたものの、あさひについてよくわからないことだらけでした。しかし、【空と青とアイツ】のコミュを見た時、初めて「芹沢あさひ」に共感出来たと感じました。
あさひはロケで訪れたお土産物屋でバットを手に取り欲しいと言います。
あさひは未確認飛行隊が来た時に打ち返したと突拍子もないことを言ったあとにプロデューサーは笑ってしまいます。
その時、プロデューサーは過去の経験から「なんでこんないらないものを買ったんだろう」という気持ちになります。これは誰もが経験したことはあると思います。
実際は、あさひに買っても「きっと帰ったら忘れちゃうぞ」と忠告します。案の定コミュの終盤で違う事に興味持ったあさひは忠告通りバットを忘れてしまいます。これも良くある話だと思います。
プロデューサーの経験があさひの行動と共感していく場面です。
ここで、初めてプロデューサーがあさひに対して共感出来たと同時に、プロデューサーを通して多くの人が初めてあさひに共感出来たと思います。あさひをプロデューサーというフィルターを通して多くの人理解してもらえるような技法になっていて本当に上手いと関心しました。
また、「芹沢あさひ」というアイドルは人の見る観点や感覚、経験次第で全く異なって見えるということです。【空と青とアイツ】では多くの人に共感しやすい経験を通してあさひに共感してもらえるよう意図的に作られています。しかし、今まではそうではなかったにしてもあさひに共感していた人はいると思います。自動販売機の仕組みや雲の形が何に見えるか等々。人が人に共感出来るポイントは人それぞれです。人の生き方や考え方で異なってくるのは当たり前です。つまり、あさひはある特定の人に多くの共感を得られるのではなく、様々な人に共感されるポイントを多く持っている無邪気な普通の少女であるというのが自分が考察した結論です。自分とは違う考え方ではあるけど、誰かがあさひと同じ考え方かもしれない。そう思うとあさひにぐっと近づいたような感覚になりました。
また、あさひはプロデューサーに配慮する場面が【空と青とアイツ】のコミュから伺えます。
あさひはプロデューサーから言われたことに対して、自分自身の探求心が壊れずにプロデューサーの意図を汲んだ。つまり、人目を気にするという未練の欠如とは異なる行動をしたと考えました。あさひもプロデューサーも傷つかない良い按配だと思います。ここからも、あさひは無邪気さに富んだ普通の少女であるという認識を持った理由の一つです。
最後に
ここまで「芹沢あさひ」が天才かどうかについて書いてきましたが正直な話、あさひが天才かどうかはどっちでもいいです。様々な人に共感ポイントが多いことが天才的だとか、それとは違う様々な意見がいっぱいあると思います。今まで書いて来たのは個人の意見に過ぎないので。大事なのは天才かどうかではなく芹沢あさひというアイドルの個性に正しく触れることが出来るかどうかだと思います。あさひのWING優勝コミュを見るとそう感じます。
今回は以上です。自分の周りにあさひのプロデューサーが多くないというのもあり少し考察が不安ですが読んでいただけると幸いです。駄文失礼しました。