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Footwork & Network vol.27 私が見た、子ども食堂の魅力

私は今、鎌倉にある「Children's Cafe B&B Kimie」という民泊でもあり、カフェでもある子ども食堂に定期的に足を運んでいる。私が関わっているのは子ども食堂なので以下では私の子ども食堂での発見について共有したい。

ここはきみえさんという女性が開いている子ども食堂で「きみえ食堂」と呼ばれている。余談になるのだがきみえさんは鎌倉に住んでいない。鎌倉が好きだから、という理由で鎌倉に来て子ども食堂をやっているらしい。ゼミのフィールドワークをきっかけにきみえ食堂に出会った私も実は鎌倉まで片道2時間ほどかかるのだが、きみえさんの人柄と鎌倉の街にひかれてついつい通ってしまう。(笑)   そんなきみえさんはどんな人かというと、とにかくパワフル。きみえ食堂はつい最近5周年を迎えた。子供たちに手作りのおいしいご飯を食べてほしいという動機から始めた子ども食堂を、民泊で出た利益を基に5年間毎週開くのは相当大変だったと思う。食育に力を入れていて調味料も食材もすごく気が使われている。当然赤字もある中、どうしてこの活動を続けられるのだろう、と疑問に思っていたのだがきみえさんに聞いても「楽しいから!」と笑顔で答えられてしまう。7月3日にきみえ食堂へ行ったとき私は想像していた子ども食堂とは異なる魅力に気が付き、きみえさんのこの回答の理由が少しわかった気がした。

きみえ食堂にはオープンの17:00と同時にお客さんが一気に入ってくることが多い。この日も17:00と同時にたくさんの人が入ってきて、私は親子がご飯を食べられる和室のようなスペースのところで子どもと遊んでいた。2歳の赤ちゃんを連れたお母さんが「この子、寝ちゃったから少し抱っこしていてくれる?」と声をかけてくれたのでその方がご飯を食べている後ろで赤ちゃんを抱っこしていた。そうすると、お母さんたちが話している会話が聞こえてきた。「私女の子の水着買うの初めてなんだけど、スカートタイプでもいいのかな?」「この前旦那が相談なしにゴルフクラブ買ってて~」「この前の雨の日、この子すっごい泥んこで帰ってきたの!」そんな会話とともにお母さんたちがたくさん笑っていた。子供たちが勝手に遊んでいる横で、子供たちと少し離れて親同士楽しそうに交流しているを見て心が温かくなった。

またきみえ食堂は19:00で子ども食堂が終わった後に大人食堂も開いている。大人食堂には地域のおじいちゃんおばあちゃんが来てお酒を飲みながらゆったり食事をしている。その時間に私たちボランティアもご飯をみんなで食べる。年齢も住んでいる場所も違う学生の私に鎌倉のいいところについてみんながたくさん教えてくれたのがうれしかったり、もともと友達のように見えた人達が実はその日きみえ食堂で出会った人たちであることを知って驚いたり。子供と食べることが好きで子ども食堂に行こうと思った私が鎌倉のおじいちゃんたちと話をしているときに一番笑っていることに気が付いた。

私がきみえ食堂で気が付いたことは、この場所が子供がご飯を食べる場所としてだけでなく大人の居場所になっているということだ。お母さんたちは家で子供にご飯を食べさせるときそれが「家事」になり仕事になる。お母さんたちが笑顔でしゃべりながらご飯を食べているのを見て、楽しくご飯を食べることの大切さに改めて気付いた。私も一人でご飯を食べるときよくyoutubeなどで動画を見ながら食べてしまうことが多いのだが、同じ一回の食事でもおじいちゃんたちに混ざって話をしながら食べる手作りのご飯はいつもよりおいしくて幸せな時間になった。ボランティア同士、準備の時からつまみ食いをしながらバタバタワイワイ動いていて私はきみえ食堂にいる時間が大好きになっていた。みんながご飯をおいしく楽しく食べる、そうすることでそこが私含めみんなの居場所になることが私の気づいたきみえ食堂の魅力である。私はこれからもきみえ食堂でおいしくて楽しい時間を作るお手伝いをしながら自分もちゃっかり幸せになって帰ろうと思っている。


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