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劇場版おっさんずラブのエキストラに参加した話

わたしは、おっさんずラブというドラマが大好きだ。2018年4月に出会い、2019年の11月ごろまで、おっさんずラブのオタク活動に命を燃やし続けた。すべておっさんずラブを中心にまわる生活。

気付いたら、おっさんずラブの劇中と同じ婚約指輪をもらって、聖地で前撮りと結婚式していた。このツイートにたくさん反応もらえたので、このネタでnoteを書きます。

今日はまず映画にエキストラ出演した話。


2018年12月、おっさんずラブの映画化が発表された。

4月の放送後から、2回にわたるおっさんずラブ展(作中小道具などの展示)、サントラ発売、グッズ発売などが行われた。すべてに対してわーい!!!と飛びつき、貢ぐ日々。聖地巡礼を何度もして、ロケ地に行きたい人へのアテンド係になっていた。もはや聖地ツアーを組めると思う。

そんな中の映画化発表。予想だにしていなくて、もうとんでもなくうれしかった。あのキャラクターたちにまた会える。映画館で見れるのがうれしいとかじゃなくて、あのキャラクターたちの人生の続きをみれることが、ただただ嬉しかった。

2019年3月ごろにエキストラの募集があった(検索したらまだページがのこってた!)正直当たるはずないだろうと思いながら、こんなチャンス二度とない!と4月27日の募集番号16番、180人の募集に応募。

前日の4月26日、一通のメールが届く。

「当日ご参加よろしくお願いします。」

職場のトイレでメールを開き、卒倒しかけた。

当時のわたしは、おっさんずラブ関連で嬉しすぎることがあると、「やばい、どうしよう、やばい、どうしよう」が鳴き声になってしまうオタクだった。うれしすぎて、当時の上司にエキストラ参加の報告をするなどという愚行を披露していた(新入社員の戯言に「よかったね」って言ってくれた上司優しすぎ、ありがとうございます)。

社会人になってはじめてのGW。初日の4月27日。職場では着ることのないスーツをわざわざ着て、不動産会社職員になるために、海浜幕張駅へ向かった。

事前に合流したOL民(おっさんずラブオタクの総称)と、サイゼリアでどんなシーンの撮影になるのか妄想し、興奮しながらお昼ご飯を食べた。メールの着信音が春田と同じ人を見かけては、「仲間かもしれない!」と喜ぶ。

会場に着いて、スタッフさんに誘導されながら、手続きを済ませる。天空不動産の社員証のシールを貼って、不動産会社職員の出来上がりだ。助監督さんがズボンのポケットにねじ込んでいる割本、色々な媒体でインタビューを拝読した瑠東監督、貴島プロデューサー、メイクのはなちゃんさん。見たことあるスタッフさんがたくさんいる!わたしの大好きなものが!ここで生み出されている!!本当に幸せだった。

わたしが参加したシーンは、天空不動産の全社総会。牧凌太(林遣都)と狸穴迅(沢村一樹)が参加する新プロジェクトチーム「Genius7」の発表が行われ、その場に春田創一(田中圭)や黒澤武蔵(吉田鋼太郎)をはじめとする天空不動産第二営業所のメンバーが見ているシーンだった。

エキストラといっても、数時間ただ座っているだけ。たまに立ち上がって拍手をしたり、別の席に移動したりするだけの役割。

それでも、目の前に牧凌太のスタイリングをされた林遣都がいる!右斜め前には、春田創一のスタイリングをされた田中圭がいる!天空不動産のメンバーが仲良さそうに談笑している!それを近くで見ることができるだけで、天にも昇る気持ちだった。

しかしエキストラの仕事を全うせねば。そんなにニヤニヤした顔もできないし、ずっと俳優さんたちを眺めていることもできない。隣に座っているOL民と興奮を伝え合うこともできない。心の中は、盆と正月とクリスマスが一気に来ている状態。今すぐにでもスキップして、かっこいい!!と叫び出したいのに。そういうわけにはいかない。人生で一番興奮している瞬間に、人生で一番喜怒哀楽を押し殺して、静かに座っていた。

もちろん、俳優さんたちに会えたのもすごく嬉しかったけど、それだけじゃない。エキストラ参加は、映像作品を作ることの凄さを目の当たりにした時間だった。

同じシーンを色々な言い方で、いろんな間で何度もテストする。決まったらそのあとは、同じシーンを色々な角度から何度も撮る。アップで撮ったり、引きで撮ったり。シーンに合わせて、動くカメラでも撮る。私が参加したシーンは、会場の大きさを伝えるために、ドローンでの俯瞰映像も撮っていた。

会場の一部に少なめのエキストラを座らせて撮影した後、別の座席に移動して撮影。あとから席が埋まって見えるように合成するそうだ。俳優さんの近くに座っていた人は、手元の腕時計も映り込むので、映画の設定の時刻へ変更を依頼されていた。細かいなあ。

本当にどれだけの人が関わっているんだろうと考えてしまう。プロデューサー、監督、脚本家だけではなくて、カメラマン、照明さん、大道具さん、小道具さん、メイクさん、撮影の進行管理やエキストラの管理をする助監督さん。たぶんもっともっとたくさんの役割がある。そのたくさんの人たちの仕事によって、大好きなおっさんずラブがいま生み出されている。エキストラへの参加はこのことにも気づかせてくれた。

今でもこの時の感覚は忘れられない。ドラマも映画もアニメも大好きだから、作品に関わる色々な仕事人たちの努力を知ろうとする人でありたい。





ドラマ用サブスク代にします!