カニコ、ニックケイヴのコンサートでアッシュビルに行くの巻

去年サウスカロライナに引っ越してから2回目のアッシュビル、ノースカロライナ。前回は三女のジムナスティックの大会と観光でしたが、今回は夫が大ファンのニックケイヴのコンサートでのアッシュビル。
因みに私はニックケイヴは夫が車で聴いてるときに流し聴くぐらいであんまり詳しくないので、このブログはニックケイヴをよう知らない初心者の私によるニックケイヴについてのブログです。玄人の皆さんごめんね。ごめんね。

ニックケイヴはオーストラリア出身のポストパンクからキャリアを始めたシンガーソングライターで、Q誌(2020年に閉刊したイギリスの音楽雑誌)の選ぶ歴史上最も偉大な100人のシンガー」において第82位。(日本語ウィキペディアから引用抜粋)
彼の音楽のスタイルは激しい感情の表現が特徴で、死、宗教、愛、暴力から大きな影響を受け、その世界観は歌詞に強く反映されている。(英語ウィキペディアから意訳)

ということで今回の全米ツアーの皮切りがアッシュビルということで行ってきました。


アッシュビルはノースカロライナのなかでも大きい街の一つとはいえ、南部だったらアトランタとかニューオーリンズとか大都市からツアー始めそうなものなのに、アッシュビルに思い入れがあるのかなと思ったけれど、コンサート冒頭で「あれ?俺らどこにいるんだっけ?アッシュビル?飛行機で飛んできてからリハーサルしかしてないから、何処いるか忘れちゃったよ。」って言ってたので、特に思い入れはなさそうです笑

ニックケイヴがピアノでレディオヘッドのコリングリーンウッドがベースという二人だけのシンプルなバンドセットでコンサートスタート。前から3列目の席だったのでこの通りよく見えました。

因みにレディオヘッドは「Creep 」くらいしか知らないんですけど、この曲には大きな共感があります。若さゆえの悲観とか、自信のなさとか「ザ 恋 自虐編」って感じでとても好きです。若い頃にこの曲聴いてたら、ロック好きになってたかも。

観客の年齢層は高めで、最前列の席には70代くらいのご婦人がいたり、私の前の席のカップルは40代後半とかなのかな、トゥルーロマンスのクラランスとアラバマみたい。男性はロングヘアを肩でおろし黒いスーツ、女性も黒いスーツにサングラス(夜なのにね)真っ赤なリップスティックのメイキャップで、何の仕事してるのかなあなんて思いを巡らしてみたり。普段は男性は長い髪をまとめて大工さんで、ガールフレンドの仕事は退屈なデスクワークだけど、今晩は若い頃のようにお洒落してニックケイヴを見に来たとか想像してみる。
後ろの席のカップルの女性からは何かヨーロッパの訛りが聞こえた。

ニックケイヴはすらっと背が高くとてもフィットな体型で素敵だったけれど、実生活では2人の息子を亡くしていて、息子のジェスローを亡くしたのはつい最近の去年の5月。私たち夫婦も含めお洒落をしてコンサートに来ているファン一人一人に人生があるように、ケイヴの後ろにも何とか背負っている人生があるんだろう。

途中から後ろの席の客が席をたち、ステージの前に集まり、他の観客から「見えないから席に戻って!」と文句が出ると、「みんな席に戻れる?(誰も戻る様子がない) これに関して自分にできることがないんだけど…(ちょっと考える)。Anyways、次の曲聴きたい?」とか、

彼の初期のパンク時代の曲をリクエストされて(ニックケイヴ初心者の私は曲名覚えてません、玄人のみんなごめんね。ごめんね。) 「歌詞覚えてないんだよなあ笑。」と苦笑いしながら、「歌うの手伝ってね。」って最前列にいた男性を舞台に上げて、きっと若い頃はパンクキッズだったんだろう強面のおじさんは、ケイヴへのリスペクトを表するためにキャップを取り、感激で涙ぐみながらFワード満載のパンクソングを歌っていて胸熱だった。

2時間40分ぐらいのコンサートでリクエストを取りながら(誰かが「レディオヘッドの曲!!!」ってリクエストしたら、「○ァックノー!」って言ってたけど)、本当に演奏するのが好きなんだろうなと終始楽しそうだった。

帰り道に「ニックケイヴは天才なのは分かるけど、70年代からキャリアがあって曲のアイディアは枯れないのかしら?」とふと夫に言うと、「カニコもブログを書くでしょ?書きたいことは渇れないでしょ?」と言うので、「私はケイヴなり才能のある人たちに触れてその時の感じたことを書くだけだから。凡人の感想。」と答えると、夫は「スティーブンキングは毎日4時間本を読み、そのあと4時間書くんだって。きっとニックケイヴも誰かからインスパイアされて曲になるんじゃないかな。」と続ける。あ、その考え方とても好き。凡人の自分もいつか何か産み出せそうな気分になった。

では最後にニックケイヴ初心者のカニコからのチョイスの一曲。コンサート中、この曲と「Marcy seat」だけ分かりました。(はい初心者)


私の宗教観はこの曲にとても近くて、 アメリカ特に南部に住んでいると、信心深い人たちと共存しなきゃいけなくて、そういう人たちと隣人になったり、友人になったり、もしくは家族になったりしながら生きていくわけですが、いつも愛を信じて一緒に生きているつもりです。

And I believe in Love
And I know that you do too.
And I believe in some kind of path
That we can walk down, me and you.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?