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2.2arufa

誰も覚えちゃいないさ

君が不意に発したこの言葉はその言葉とは裏腹に確かな熱を帯びていた

その言葉は嘘だ、僕がいる

君の前には僕がいる

そのはずだろ?


小さな世界の記憶の話

世界が君を忘れた、

そんなファンタジなお話は実際はどんなに運命が絡み合ったところで存在しないよ


彼は、出会って数時間お互いの距離が温まったころで言ったんだ

二年越しに見たこの世界は居場所がなくて、自分が消えた気がすると、


そして暫しの沈黙の後、


君も変わったんだね、成長している、

そんないい変化も僕にはちょっと妬ましいかな

君の世界は僕が広げたものだろ?と、

いや、ごめんね、世間じゃ良いことでしかないよ、ほんと根暗だったあのときの君は今じゃ想像できないね、


そうして彼は今日一番の笑顔を魅せた。


今思えば彼は今日という一日の間一度も目を合わせてはくれなかった。
















色んなメーカーの絵の具が散乱している。


◯✕社の赤色、△△□社の青色。


たまたまあなたと私は違う会社の同じ色。それだけで混ぜてはくれないのですか。

そっくりうり二つ、厳密には違う色なのかもしれないけれどあなたと私は同じ色に見えるから、何にも変化が得られない、それだけで、パレットの上で同居することはない


もしかしたら、この2色を混ぜて塗ったら色に厚みが出てゴミ袋に入れられた絵も、なんて









少なくとも君といる時間だけは僕は僕でいたい。

僕には目先のことしか見えないんなんて現実逃避、嘘みたいで苦手なんだ。君といたって、君と笑ったってすぐ後ろに明日が笑ってる。その笑みが嘲笑じゃなくて、嘲笑じゃなくて純粋な笑みであってほしいとありきたりに願いたい。こんな小さな幸せもただの願いで終わってくのかな


昔思ったけどさ、願いは願いで昇華するから美しくて良いんだよね。










変動して変わっていくものに愛なんて名前をつけるから

そんな不確かなものにメジャーを当てるから

ゆらゆらおぼろげに揺れる虚像みたいなものの大きさを図ろうとするから


だから、測りにくいんだと苛立ちを込めて愛を、その原因を、投げ捨てた

理不尽な苛立ちを込めて、投げた、叩きつけた


何度も拾ったメジャーで今更あったはずの場所を測ったって虚しいだけなのに

今も測り続けてる。







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