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パパイオアヌー『INK』を観た

SNSの広告で見て、舞台上で水を使っていることに衝撃を受けて気になり、勢いでチケットを取って観てきた。せっかくなので忘れないうちに印象に残ったことや感想などを書く。

ストーリーを汲み取ることはできなかったけど、演出はおもしろかった。
理解できなかったという悔しさがあるし、もう少し知りたいとも思うので、またこういった公演を観に行きたい。
でも、どうやってこういう舞台を見つければいいかわからない。広告でいい感じにサジェストしてほしい。

感想

水の使い方がすごかった。

舞台上でほぼずっと水が出続けていた。
床一面に水が薄く広がっていて、波紋が天井から吊るされた半透明のビニールに反射していた。
ホースから噴き出す水が落ちる音や、吊るしたビニールの壁にぶつかってしとしとと雨の日のような音がしていた。
ホースの先のアタッチメントは時々取り替えられ、シャワーのように広がる形で出たり、絞られて勢いよく出たりしていた。

透明な穴の開いたガラスかプラスチックでできた球体に水を入れ、回転させたり、壺のようにして水を零したりしていた。球の中の水をぐるぐるしている様子を見て、日本神話の国産みを連想した。

ところで、この水がどうやって舞台上から排出されていたのか気になってしかたなかった。
舞台上にはレコードプレイヤーとスピーカーもあって、壊れないかそわそわした。
ホースの先を放水機のようにゆっくり回転させていることもあり、角度を間違えると客席にかかってしまうのではないかと心配にもなった。

その他

舞台では当然のことなんだろうけど、ちゃんと演者の動きに合わせて照明や効果音があって、表に出ているのは2人でも裏でたくさんの方が作り上げているのだなと感じた。

全身黒い服を着た一人と、ほとんどずっと服を着ていない肌色のもう一人で、色の対比もきれいだった。二人の距離感が、未知の出会いから興味を持って近づいて親しくなっていく様子だった。
舞台上一面に敷かれた透明なパネルの下を這うように忍び寄る様は、未知の恐ろしいものが寄ってくる感じ。これも、そんなことしていいんだって思った。
二人が一緒に、なにか赤いものを貪り食べているシーンは、お互いの生肉を食べているようでもあった。片方だけが最後まで食べ続けて残されていたのが、寂しさもあった。

びちびち跳ねる、モーター音のする、魚のような物体が登場するシーンがあった。双眼鏡で覗いても、はっきりと魚には見えなくて、なんだったのか気になった。
細長い三角形のビニールのようなもので包まれた跳ねるモーター。
自分でもこういう動くものを作ってみたくなった。

終わりに

はじめて舞台を見るからちゃんと見たくて、念のため双眼鏡も買った。
ライブだと、全体を見たいし、歌とか話を聞けて、手拍子したりできたら満足なので、双眼鏡は必要としていなかったので持ってなかった。
2階席だったこともあり、双眼鏡は持って行って正解だった。
小道具もはっきり見ることができた。

構想スケッチも一部展示されていて、オマージュだったり、参考にした作品がサジェストされてた。でも、私はそのほとんどが分からなかった。『蛸と海女』だけわかった。
ギリシャ神話のことを知ってから、改めて公演を思い出したら、また分かることが増えるかもしれない。

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