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「遠距離現在」を見てきた

国立新美術館で開催中の「遠距離現在」を見た。
ついこないだも行った美術館だったので、また来たって感じがした。

ティナ・エングホフ〈心当たりあるご親族へ〉

この作品群が一番心に残った。

「過日、下記の人物がご逝去されました。故人に心当たりのあるご親族の方々は、お早めにご連絡ください。」

遠距離現在 作品紹介
心当たりあるご親族へ――男性、1935年生まれ、自宅にて死去、2003年3月2日発見
心当たりあるご親族へ

こういった写真がその区画中に展示されていて、誰かがそこで生きたり暮らしたりしていた気配があるのに、その人は孤独に死んでいったという事実が積み重なって、重かった。
その人のことを私は知らないし、生きた国も違うし関係もない。
こんなに生活の気配があるのに、身寄りなく亡くなってしまったというのが、寂しいなと思ってしまった。

徐冰《とんぼの眼》

本編は時間が合わなかったので、10分ほどのメイキング映像だけ見た。
企画展ページに予告編とメイキングがあるので見てほしい。

全ての画面が、ネット上に公開されている監視カメラの映像のつなぎ合わせである。チンティンとクー・ファンのセリフは吹き込まれたもので、画面に映っている男女は、場面ごとに異なる。それによって、まるでチンティンとクー・ファンが画面の中に登場しているように錯覚を促す。

遠距離現在 作品紹介

試みとして面白いなと思ったのもある。
その映像のすべてが演技ではなく、現実に起こったことだというのが、怖かった。

おわりに

ビデオ作品が多くて、時間の問題でしっかり見ることができなかった。
展示で1時間近い動画があるとき、すこし見るだけで終わりにしてしまうので、受け取りきれてないなっていつも思う。


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