飴細工

自分の中途半端なクズ加減に呆れることがよくある。僕は東京で塾講師のバイトをしており、来年は一月三日から働くことになった。社員から出勤を依頼されたときは「年末年始は茨城に帰省するし、わざわざバイトの為に東京に戻るのは面倒だから断ろう。」と思ったが、それも束の間、心の中に微かに潜む良心と、目先の金の欲求にあっさりと打ち負けて、次の瞬間にはバイトへ行くことを承諾してしまっていた。

もし自分の性格が生粋の真面目ならば嫌忌一つせずバイトへ足を運ぶだろうし、また、根っからのクズならばバイトなど眼中にもなく、適当な理由をつけて断り(もしくは無断欠勤をして)遊び呆けるだろう。僕の性格はその2つの狭間にある為に厄介だ。

大学生活でもそうである。授業や課題には目もくれず日々遊興に耽けているが、留年だけは避けたい為に土壇場になって焦り始める。そして案の定時間が足りずに満足な結果を得られずに後悔する塩梅である。この自分の面倒な性格をなんとかできないものか。

子供の頃は、二十歳にもなれば自動的に自立心が確立され、ちゃんとした大人になるものだと漠然と思っていたが、それは飽くまで幼い頃から自分で考えて行動するという当たり前のことを当たり前に出来ていた人でないと無理だということが分かってきた。

しかし今更そんな大事なことが分かっても、捻くれたまま固まった飴細工のようなこの性格を治すのは僕には難しい。今日も愚痴を零しながらバイトへ向かいます。

将来は立派な飴職人になりたい。

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