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コア・コンピタンス経営 ゲイリー・ハメル&C・K・プラハード|経営ノート

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モヤモヤ好き


未来を創造する

我々の理論の原点は単純だ。未来のための競争とは、生まれつつある市場機会を自ら創造し、それを制覇する競争、すなわち新しく生まれる戦場の支配権をめぐる競争である。未来を創造するには、自らの手で会社の進むべき道を発見しなければならない。当然、競合他社の後を追いかけるよりも難しい。

「コア・コンピタンス経営」Gary Hamel and C. K. Prahalad

名著である。2001年に第1刷が発行されているが、まったく古くない。20年後の2021年、いまだに失われ続けている日本企業に向けた預言書のようだ。

未来の産業をつくり出さないリストラクチャリングを超えなきゃダメだよ、と当時のゲイリー・ハメル&C・K・プラハードと一條教授(訳者)は丁寧に警告していた。にもかかわらず、頭を使う必要がなく手軽で確実なリストラクチャリング・ダウンサイジング、リエンジニアリングを繰り返した結果、未来を創造できずに社員の士気が下がっている企業が多く存在する。

競争優位を "競合他社に追いついて追い越した先のポジション" であると勘違いしている企業はある。それは競合他社がすでに実行している戦略を真似て追従しているに過ぎない。競争の考えかたが "better" なのだ。よりよく、より早く、より安く…

後を追う会社にできるのは、せいぜい無難な道を進むことである。

「コア・コンピタンス経営」Gary Hamel and C. K. Prahalad


過去を清算し、未来への投資を削る下手な経営

投資収益率を改善するためには、分子である「純利益額」を増やすか、分母である「投資額・純資産総額・使用資金・従業員数」を減らすか、その両方をやるかである。

ただし、分子を増やすのは非常に難しい。力量がなければできない。一方、分母を減らすのに頭を使う必要はない。力量のない経営が確実に投資効率の改善をするならば、分母の見直しが手軽である。そのとおりだが、言うは易し、行うは難しである。分子を増やすことができていない経営が多すぎて、モヤモヤする。

すなわち、経営幹部のやるべきことは、プロセスのリエンジニアリングだけではない。業界の再創造と会社の基本戦略のつくり直しなのだ。

「コア・コンピタンス経営」Gary Hamel and C. K. Prahalad

分子(純利益額)を増やすことは、いうなれば未来の産業をつくり出すことだ。その未来も一つではなく、無数に存在する。未来は一つではないということは、誰かを後追いして "better" である必要はない。独自の視点で "best" を創ればよい。

競合他社にあって自社にないから取り入れようとか、競合他社に知られないように情報は極力オープンにせず水面下で自社内だけで新サービスを開発しようといった追いつけ出し抜け的な競争の考え方では、主導権はとれない。もうつまらない競争は、やめませんか。

先駆的な会社と後追いの会社、優秀な会社と平凡な会社を分けているのは、独創的な想像力なのである。

「コア・コンピタンス経営」Gary Hamel and C. K. Prahalad


Take an active role in all your endeavors , not a passive one.


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