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やっぱり夢の国は日本一のエンターテインメント

新型コロナウイルスの流行がなければ、逆に行かなかったかもしれない。
それくらいにはディズニーランドに近い環境でいながら、なかなか足が遠のいていた昨今だった。

7月中旬。
たまたま友人とLINEでやりとりをしていた。こんな時世だけど息抜きがしたいよね、と何気ない一言。
「ああディズニーランドに行きたい」
そんなありきたりなやりとり。

けれど不思議な運が味方をした。
なんとそんな話をしていた5分後にはディズニーランドのチケットを手にしていたのだ。

お互い大量のチケットの払い戻しでお金と時間を持て余していた。
ディズニーランドに行くことなんて、そりゃあもう即決だった。

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そもそも舞浜で降りること自体いつぶりであろうか。
歩く人々はもれなくマスク姿ではあるけれど、わずかに見える目尻から、そのマスクの奥は満面の笑みであろうことは容易に想像できた。

かくいう我々もまだまだ入場なんて出来ない時間だというのに、耳に入るアナウンスだけで心は否応なしに浮かれていく。

普段荷物検査をするような場所でまず検温。フェイスシールド、マスク、手袋に身を包んだキャストさんが非接触型体温計をおでこに近付けてくれる。
体温が問題ないことを確認すると、待機列に並ぶ。

14時から入場のチケットだったけれど、13時半の時点で待機列はなかなかの列。とはいえ距離を保っての待機列だから、とても人が多いように見えても、きっと普段に比べれば少ないのだろうと思えた。

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14時になって入場する。普段みたいに入場した途端に走り出すようなゲストはいない。むしろ一人一人が一歩一歩ゆっくりと、この地に足を踏み入れた喜びを噛みしめているように見えた。

もうひとつ普段と違う景色。それはワールドバザールの両サイドにいるたくさんのキャストが笑顔で手を振って出迎えてくれたこと
確かにディズニーのキャストはいつもにこにこしているけれど、こんなに勢揃いの光景は生まれて初めて見た。

ゲストだけでなくてキャストの皆さんの想いも伝わるような光景に、なんだか胸がいっぱいになって、ちょっと視界が滲む。

歓迎の演奏も眩しい。
キャストのスマートな誘導で、均一で美しいソーシャルディスタンスが形成されるのも、ディズニーならではであろうか。

シンデレラ城に向かう道中、驚愕する。
こんなに人がいないディズニーランドはいつぶりなのかというくらい、少し目を疑う光景である。

シンデレラ城の前で記念撮影。
流石にこのあたりにはそれなりの人がいたが、それでも普段に比べれば格段に少ない。

いつもの感覚で近くにいたキャストさんに写真を撮って欲しい旨の声かけをすると「手を消毒していないのですがよろしいでしょうか」との反応。

こちらは頻繁に手指を消毒するつもりだったので「大丈夫です」と答えて自らのスマートフォンを渡したが、確かに言われてみれば少し悪いことをした。

他人のものを無闇矢鱈に触れることだって感染のリスクがある。とはいえ、記念撮影をしたいゲストは次から次へと現れるだろうし。
感染予防の難しさを痛感することとなる。

これは夕方に撮影したシンデレラ城前だが、いつ見ても大体これくらいの人数しかいなかった。閑散としている。

時間帯によってはシンデレラ城でキャラクターたちに会えるらしい。
その時ばかりはシンデレラ城前も流石に混雑していた。

ちなみに我々は完全にタイミングを誤り、一回もキャラクターたちには会えずに終わった。そんなところも普段通りではないから、逆に面白い。

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パーク内を散策すると、どこもかしこも長蛇の列ではあるが、待機時間を見ると長くても3〜40分だ。
距離を空けるため、換気の良いところで並ぶため、外での列を長く調整しているようであった。

実際アトラクションには幾つか乗ったが、立ち止まる時間よりも動いている時間の方が長く感じたし、あまりにそれが忙しないので時たま人が詰まってしまうこともしばしば。
それでも普段よりよっぽど少ない待機時間で乗ることのできるアトラクションは快適だった。

ほとんどのアトラクションでグループとグループの間は1列空席になっていたし、グループ同士は隣同士になれるけれども、それも人数の制限が設けられていた。

一番印象深かったのは「ホーンテッドマンション」
入場時の醍醐味である演出の一部がカットされていたのだ。仕方がないとはいえ、なんだか滑稽で面白かった。ぜひ機会があったら乗ってみて欲しい。
ゴーストよりもこわいのはウイルス。

アトラクションは流石に効率を考えてか、毎回の消毒はなかった。流石に「シューティングギャラリー」のような場所では、機材も都度消毒はされていたが。
代わりに入場口と退場口に消毒液が置いてある。

ただし強制されるものではないので、個人によっては徹底されていない部分もある。そのあたりは不十分だったであろうか。

スターツアーズに乗る直前、座席を消毒しているキャストを見かけたが、なんだか気の遠くなるような作業でめまいがした。

グリーティングが中止であることから、トゥーンタウンもほとんどの施設が中に入れないようになっていた。
ただ、こんなに人の少ない状況で外観を撮影できる機会というのはあまり無いであろうから、建物の造形が大好き!というファンには堪らない環境かもしれない。

新エリアも封鎖されてはいたが、少しだけ外観を確認することができた。
堂々とクレーンが見えるディズニーランドというのもまた、貴重な光景かも。

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ディナーは友人が当日予約してくれた「ブルーバイユー・レストラン」で。
ようやくマスクを外すことができる環境にホッとする。

これが噂の!という、マスク入れに興奮。
ありがたく利用する。

テーブル間の間隔は十分。たぶんいつもより定員も少ないのでは。
事前予約制だしコース料理だし…ということで全くストレスがなかった。

ひとつ驚いたことがあるとすれば、メニューがQRコードだったこと。調べたところ、他のレストランでもそうなっているらしい。
メニューを触ることも今やリスクであるから、これはとても良い試みだと思った。

久々のディズニーごはんはおいしかった〜。
行きたいお店は沢山あったけれど、食べ歩きも憚られるし、何より14時からの入園では時間的にやはりいろいろ難しく。
アトラクション、園内散策、ごはんの両立はなかなか難しい。次回があればリベンジしようと思う。

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8月も中旬。
状況は刻一刻と変わっていて、我々がパークで遊んだ時と比べると開演閉園時間が変わっていたり、年パス保有者が入場できるようになっていたりしている。

今後も都度変化しながらその時の最善を尽くしていくのだろうけれど、どうなるかはわからない。

とはいえ、感染予防をしつつも肩の力を抜いて無邪気に楽しむことのできる環境はありがたかった。
久々に笑顔の人ばかりの世界を見られたので、やっぱりディズニーランドはすごい。

すべての人々が無邪気にこの環境を楽しむことのできる世の中が、再び戻ってくることを切に願う。


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