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形容し難い興奮と感動

 太陽章とは, ある数列を基にして, 数年毎に同じ曜日の月日になることを示す周期のことである. この周期は, 28年毎に数列を繰り返す仕組みになっている. 私がこの概念を知った時, 知らなくても問題のない知識だと感じた. しかし, 彼らにとってこの概念は, 事実としては必然ではあるものの, 気づきとしては偶然で代替のきかない産物であった.  その気づきを, 彼らは「形容し難い興奮と感動」と名付けている. 28年周期が節目を迎えるとき, 彼らは我々に向けて思いの丈を打ち明けるかのような演目を披露してくれた.

2024年4月24日 有明アリーナ 「BUMP OF CHICKEN TOUR ホームシック衛星2024」

 BUMP OF CHICKENのツアーファイナル 有明公演を鑑賞させて頂きました, りあです. 今回のツアーは2008年公演の ホームシック衛星 のリバイバルツアーであり, 楽曲の殆どが16年以上前のもので構成される稀有なライブでした. 新参者としては, 4人のメンバーと彼らを好いている方々が未来へと繋いでくれた過去の楽曲を聴くことが出来たことが印象深かったです.
 このnoteでは, ツアーファイナルの軽い感想と, ライブを通して感じた事柄を述べたいと思います. 最後までお付き合いいただけると嬉しい所存です.

星の鳥 → メーデー

 呼吸が止まる. しかし, 胸が高鳴る. このイントロ曲から接続する表題はひとつしかない. もちろん メーデー だ. 彼らのライブで最も聴きたい曲のひとつだったため, 興奮と感動の涙でいっぱいだった. セトリのプレイリストを聴きながら執筆している今でも, 思い出してウルっとなるぐらい最高のスタートだった.

ハルジオン

 この楽曲をライブ会場で聴くのは2回目だった. 1回目は, ライブツアー Silver Jubilee のZepp Osaka Baysideでの公演1日目であった. 忘れられないのが, この楽曲でのみ全編ハンドクラップをしていたお兄さんの姿. 彼が聴く ハルジオン にあるストーリーに胸を躍らせたことは記憶に新しい. そんな ハルジオン を再び聴くことが出来たのが喜ばしい体験だった. もちろん全編ハンドクラップさせてもらった.

アリア

 ここまで続いてきたライブに突如現れた aurora arc からの新しめな楽曲. 後に友人からお話を聞いたところ, 28枚目シングルだからセトリに入れた楽曲らしい. なんて粋な計らいなんだ. 28という数字が好きになってしまうではないか. ライブ中は, サビ後半部分のコーラス部分を歌うのが楽しく, 会場に一体感が生まれていた. 本当に綺麗な楽曲だ.

星の鳥reprise → カルマ

 星の鳥reprise が演奏される, 後ろにツアーファイナルTシャツに描かれる映像が流れる. これは言わば 確定演出 だ. 続く楽曲はもちろん カルマ . 楽曲もさることながら, 赤色に点灯するPIXMOBが創り出す会場が印象的であった. ゲームの主題歌としての側面を持つ楽曲でもあるため, どの視点から傾聴するのがベストなのか迷ってしまった. 個人的に本会場において, 1番の盛り上がりを感じた楽曲であった.

リトルブレイバー

 アンコールの2曲目で演奏された楽曲. イントロから歌い直す藤くんの粋な計らいから始まった本公演最後の楽曲は, 最後に相応しい勇気をくれる楽曲であった. 執筆中に気づいたのだが, 本公演で最も古い楽曲が リトルブレイバー だった. その後のMCでも語られたように, この楽曲を聴くことが出来たのは, BUMPに関わる人達が大切に紡いできたからこそなのだろう. 大事に奏でる彼らの姿を目に焼きつけることが出来たことに, リバイバルとして最上級の価値を感じた.

その他楽曲と少し感想

 ピックアップさせていただいた楽曲以外にも沢山の感動をもらった. orbital period のライブだからこそ聴くことが出来た ハンマーソングと痛みの塔かさぶたぶたぶ . 優しい歌声とラストの盛り上がりが美しい arrows. 今回のツアーが初披露だった 東京賛歌 . 藤くんが思いの丈を沢山の歌詞改変で紡いだ 花の名 . 既存曲の組み合わせから成る新曲 voyage+flyby などなど……
 BUMP OF CHICKENのライブには過去3回参加させていただいているため, ある程度の期待値を持って参加させてもらったつもりだ. しかし, 期待値を遥かに超える壮大なライブであり, 私の中で形容し難い興奮と感動を覚えるものだった. 彼ら4人や会場を盛り上げてくれた全ての人に感謝をしたい. ありがとうと言いたい. でも, 本当のありがとうはありがとうじゃ足りないんだ. 次のライブも参加出来るといいな.

異なる視点から楽しむライブ

 ここからが私なりのライブに対する思いとなる. 私は, ライブに行く度アーティストさんを楽しむだけでなく, 自分に与えられた座席という配置を楽しむようにしている. 今回のライブは, その視点から考えるとかなり良い環境で, 周囲の人々にも恵まれていた. 座席はスタンド右側, 2階席の最も開けた場所. ノリノリで楽しむには適した位置だ. しかも, 4人の動き全てを上から俯瞰できるので, 全てを楽しむことが出来たと思う.
 周囲の観客は, 家族連れやおじさんが多かった. 彼らのバックグラウンドにあるBUMPとのストーリーを考えることも楽しかった. あの家族は, 両親がファンなんだろうな. あの熟年夫婦は初期からのファンで, orbital period なんかはド世代なんだろうな. 娘さんと2人で来ているおじさんは, 終始ノリノリでBUMPをカーステレオで流したりしているのかも……などなど. 考えれば考えるほど楽しい.
 やはり, ライブに行く価値はアーティストさんが全てではない. ライブを共にする観客たちが, そのアーティストさんを好いている遍歴なんかを考えることも楽しいと思う. 今回のライブ感想を執筆したのは, この視点を共有したいと思ったこともひとつのきっかけである. ぜひ気にしてみてはいかが, というところで終わりにしておこう. それではまた.

ちなみに, 「形容し難い興奮と感動」というのは藤くんからの引用です. この言い回しをするために, とんでもない長文を用意するのは面白い人だ.

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