不妊治療の話 その8

長かった治療もラストスパート。
今回が最終回です。

今回のトピックは
4回目の体外受精
二個胚移植について
4回目の判定
振り返り

です。

4回目の体外受精

前回より家を買うことを決め、そちらの打ち合わせをしつつ、体外受精再開の日に向けて動き始めました。
今なら不妊治療に自分の全てを傾けているモードでないので程よく気を抜いて挑めるかも、と当時は感じていました。

4回目も3回目同様、自然排卵での移植となり薬や注射の量は少なめです。(3回目に一応陽性となったことでそちらが向いていると判断)
今回、お休み期間もあり、程よく気を抜けられたことによって、改めてちょっと頑張ってみようという気持ちになれ、自分なりに次のことを実践してみました。

・運動する
・パイナップルを食べる

運動することの重要性は言わずもがなですね。
特に私はデスクワークで一日中座って仕事をすることが多いです。デスクワークによる万年肩凝りのスタンダードタイプなOLといえます。

運動しなきゃなと思いつつ、家に帰って夕飯を作り次の日のお弁当を準備し……としたらなかなか運動なんて出来ません。
夜ウォーキングやヨガ等これまで試してきましたが、アフターファイブの家事をこなすとなかなか時間が取れず、続かないのが現状でした。

今回取り入れたのはyoutubeでダンス動画をみる。3分〜5分ほどのダンス動画がいっぱい転がってます。
当時は「アイドル」の曲に合わせた運動ダンス動画がいっぱいでした。
お風呂に入る3分前をこれに使えば、多少なりとも毎日有酸素運動が出来ると考え、やってみました。
とりあえず2種類ほどお気に入り(ハードめなやつと軽めなやつ)し、その日の疲れ具合や気分によって再生する動画を変えました。
余裕があれば2つ連続で再生したり。

この3分〜5分だけ運動はなかなか功を奏し、移植2週間くらい前から判定日まで毎日続けることが出来ました。

次にパイナップルを食べるですが、こちらはただのおまじないです。
トツキトウカをDLするとか、いろいろ陽性判定に向けてのジンクス的なものがたくさんありますが、その中に「パイナップルを食べる」がありました。
個人的にパイナップルは一番好きなフルーツで、共働きだとなかなかフルーツを食べてビタミンを摂るだとかそういう健康面の食事が出来ないなと思ったのでついでに取り入れたという感じです。
このジンクスには医学的根拠はありませんが、パイナップルの酵素がどうとかいろいろ書いてあり、妊娠アプリをDLして祈るよりかは良いなと感じました。
こちらは移植1週間前から判断日まで毎日続けました。
8月のパイナップルが美味しいと思える時期だったので夫婦で毎日食後のデザートに食べてたという感覚です。

ちなみに葉酸サプリを摂るも一時期やってましたが、不妊治療がしんどくなったタイミングで辞めました。ただでさえ薬の服用が多かったので、治療してる感が強くなってしんどいなと思ったからです。(サプリは妊娠判定出てからでも遅くないと思いました)

二個胚移植について

自分でやれることをやりつつ、クリニックの先生からも4回目に向けての提案がありました。

3回目の時点で言われていたのですが、1〜3回と失敗を繰り返しているので着床不全も考慮して、二個胚移植の提案がありました。

特に私の場合、Th1/Th2値が高く凍結卵を弾いているかもしれない疑いが強いため、二個胚移植で、例え一つが弾かれてももう一つは……という確率を上げた方がいいのではないかとのことでした。
もちろんリスクとして二個とも着床して双子になるかもしれないという説明もありました。

前回の3回目の時にいろいろ原因が分かって、薬を服用、これでやっと普通の人と同じスタートラインに立てたのだとしたら、この4回目は実質2回目の移植のようなものです。
そういう考えでは一個でも成功するかもしれない、一個で良いのではとも思いました。
ただ、夫婦の中でも双子のリスクよりも着床の可能性を高めたい、一個移植で失敗した時の後悔を天秤にかけると二個胚でやっておきたい、という結論が出、二個胚でチャレンジすることにしました。

迎えた4回目の移植日。
相変わらず前日に打つ自己注射は痛かったのですが、この時はいつもより比較的スムーズに針が刺さり、すんなりと注射が出来ました。
久々に打ったのになんだか幸先がいい感じがします。
また移植ですが、二個胚移植したからといって体に何か変化があるというわけではありませんでした。

4回目の判定

これまでの判定日は、日にちが近くなるといくつかの体の現象が起こりました。
まず下腹部の痛み。そして胸の張り。
どちらも毎回起こってて、起こる度にネットで検索するのですが陽性判定の印だとか、生理前現象だとか。
要はどっちにしろ起こる体の現象みたいです。
ややこしいし、変に期待を持たせないでほしい。
巷ではフライング検査も主流ですし私もやってみたいと何度か思ったことありますが、夫婦2人で結果を聞きに行くまで我慢しようと夫に止められていました。
フライングが陰性で病院でも陰性と、2回も陰性を突きつけられるのは自分を2倍傷つけるだけとか、フライングで陽性だったとして病院で陰性と言われたらショックが大きくなるとか。ごもっともです。
実際膣錠もあって市販薬の判定では信用できるか怪しいですし、結局市販の妊娠検査薬は一度も使わずに奥底に眠っています。

さて、今回の判定日もやはり近付くにつれ下腹部の痛みと胸の張りがありました。またこれか〜と陰性を覚悟していましたが夫はそうではなかったようです。
というのも下腹部痛の他に骨盤の辺りも痛いと訴えていたのですが、それがいつもと違う!と期待を持たせていたようです。

結果は……陽性

しかも妊娠判定値の100をそこそこ上回る、確実な陽性の妊娠判定でした。

ここのクリニックに通い始めて2年半、悔し泣きは数あれ嬉し泣きをしたのは初めてです。
看護師さんも先生の後ろで喜んでくれていました。
とはいえ、まだ油断出来ません。これはやっと辿り着いたスタート地点、ここからは不育症でないかどうかの戦いです。
まず次の診察で胎嚢を確認して、その次の週で心拍を確認、そこでやっと一息つけますとのことでした。

実際、不妊治療された知り合いから、自分は着床したけど心拍が確認出来なくてダメだったと聞いていたのもあって、まだぬか喜びしてはいけない!と嬉しさを持ちつつも油断しないように気を引き締めました。

その後、無事胎嚢(二個胚移植の結果、二つ影がありました)を確認し、心拍も確認(こちらも二つの心拍を確認)出来た時はホッとして、その帰り道にやっと母親に報告出来たことを覚えています。

振り返り

以上のように、3年間の不妊治療にやっと終止符を打ち、現在は妊婦として過ごしています。
長い不妊治療のこともあって毎回ちゃんと動いているか心配ですし、何かあったらと思うと最初はベビー用品もなかなか買いに行こうとなれませんでした。

ただ卒業おめでとうと先生やクリニックの看護師さんに送り出してもらって同じクリニックの産科に移れた時はやっとこちら側に立てるという思いでした。
二個胚移植したそういう時に限って二個上手く着くんですよねと先生はおっしゃりましたし、医師的にはハイリスクになる多胎妊娠は避けたかっただろうなと思います。
それでも私はきっと化学流産して悲しい思いをした分まで今回2人きてくれたのかなと思いましたし、何より3年という年月は普通に妊娠できる方なら2人目も産まれているような年月です。
頑張った分、ここで一気に2人分来たのかなと思うと自然に受け入れられました。

辛い思いは数え切れないくらいしたけどその分強くなれたような気もしますし、多少の壁は夫婦で乗り越えていける自信もつきました。
世の中には同じように辛い思いをしてる人がいるかもしれないと思うと鞄につけたマタニティマークはそっと鞄の内側に隠すようになったり、妊婦さんを見ても自分と同じ苦労をした人かもしれないと思ったり。

元々自分のメンタル的に頑張れるのは3年が限界だと思っていたので本当に最後の最後で出来たという感じで良かったです。
こうして記録を残したのも何かしら同じように辛い思いをしてつい検索魔になってしまっている人の励みや参考になれば、と思っての記録でしたが、さて参考になれているでしょうか。
記憶を掘り起こしての振り返りでしたのであやふやなところも多々あり、検査や治療方法については必ずご自身のクリニックの担当医に確認して下さい。

とりあえず分かったことは、不妊原因は一つだけではなく複数の原因が重なっていることもあります
根気強く、そして程よくお休みもして気を抜きつつ乗り越えていきましょう。
長いけどざっくりとした振り返りだったので詳しく知りたい部分がありましたらまたコメントください。(治療をしっかり覚えているわけではないので的確な返答ができるか分かりませんが……)
応援しています。

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