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【RX木村】2019ツールドおきなわ市民210km 15位

【ツールドおきなわに向けて】
おきなわは自分の中で一番目標にしているレース。日本トップクラスがこぞって参戦し、日本一を決める。その価値は格別なものだ。自分に与えられた時間は4ヶ月。様々な制約の中、やれるだけのことをやる。これが社会人の鉄則。周りを見渡してもみんな制約の中で頑張っている。今年に入り、1月〜6月までの走行距離は計500km。7月から練習を始めた当初、一緒に走ってくれたイナーメ信濃山形の牧野に200w巡航で置いて行かれたのは記憶に新しい。

7月 1000km
8月 1000km
9月 1300km
10月2000km

7.8月は少しの練習で疲労困憊。ただ、距離を乗る。と言っても疲れて距離が伸ばせない。9月から負荷をかける練習を始め、10月は距離を乗りつつ、限界まで負荷を上げていく練習を行なった。
今回、一番気にかけたのは体重。パワーの絶対値を上げるには長期的な取り組みで筋肉量を増やす必要があると考えるが、その時間はない。いかに軽い体でアドバンテージを取りに行くか、という点にフォーカスした。


【沖縄入り】
過去は金曜入りすることが多かったが、今回は木曜入り。そのため、北海道との気候差を緩和することができた。先に記したが、ここでも体重計を持ち込んだ。沖縄入り時点で体重は56.0kg。カーボローディングをして58.0kgでスタートラインに立とうと決めていた。練習で5分382wを出したのが58kgだったので、その体重がベストなんだと自分の感覚を大切にした。

【序盤】
シードはないので、最後尾に並ぶ。するとチームメイトのまこっちさんがいるので、最後尾でも大丈夫なんだ〜、と謎の自信。スタートすると、まこっちさんはスルスルと先頭まで行ってしまい、置いていかれる。おや?おかしい…。これまで、ほぼ一人で練習してたので集団走行が心理的ストレス。転んだら職場に報告になるな…所属長厳重注意になるな…と、いつもの様に上司の顔が脳裏をよぎる。

【中盤】
体重をコントロールした割に、2日間で食べ過ぎて消化不良気味。お腹がくるしい、ジェルを食べると吐き気がする。一度に口に含む量を少なくし、内臓へダメージが行かないように配慮した。
1回目のダムはイージーで、インナーに落とすことなくクリア。下りは先行者のラインをトレースしていると、外側から異次元のスピードでまこっちさん。これは、vengeか、御本人の技量か…その両方だな。また行っちゃったよ、、と背中を見送ったのはスタート直後と今回で2回。
海岸線に出て、2回目のダムでセレクションがかかり、学校坂で10人になるパターンかな?と予想していたら、井上選手ら3名が先行しているではないか。高岡さんから前に出て捕まえるよう指示を受け、西山さん、まこっちさん、私、そして高岡さん自ら先頭でローテーション。

【終盤】
2回目のダムの上りで、井上選手と高岡さんが早くも勝負に出た。あり得ない速度で上り区間に突入。高岡さんが先行しているのに、ジワジワと全員連れていくわけにはいかない。飛びつくなら鋭く一瞬で!と思うも束の間、すでに限界。ケイデンスを落として心拍を下げ、パワーで誤魔化そうとするが、これ以上は力が出ない…。森本選手、松木選手らが後方から一瞬で先頭にジョイン。本物の実力を目の当たりにした。ここに加われなかったのが勝負の分かれ道となった。
ここからは30人程度で羽地ダムまで距離を消化していく。途中で前から降ってきた選手が先頭は10人弱いると言う。ということは…8人か9人?まだシングルリザルトを狙える。最後、羽地ダムで全員を振りちぎる自信はある。(結果もっと前に人数がいたので、最高でも12位であった。)

【羽地ダム】
全員を振りきってシングルリザルトを狙いに行くのが、今できるベストの選択。よし、やろう。と思っていたら同じくらい余力のある選手が1人いた。10月から一緒に練習していたイナーメ信濃山形の牧野だ。牧野が先に羽地ダムの麓からアタック、強い。約20m離れてしまうが、ジワジワと追いつき。2人になる。30人いたのが嘘みたいに後ろはバラバラだ。パワーメーターは終始350〜360wを示し、牧野の後ろにつくのが精一杯。トンネル内でVC佐藤選手が追いついてきて、3人。このまま行けるか?というところで、過去にお世話になった小畑選手らが追いついてきた。あの日本屈指のクライマー兼松選手までいる。結局は9人になりゴールまで。チームメイトの銀山さんと、スプリントの余力はどうか?とコミュニケーションを図り、余力あります、と返事したものの、小畑選手の番手で15位フィニッシュとなった。

【おわりに】
社会人になって色んな縛りの中で練習した結果、やればもっと出来るということが分かった。私の職場は休みが取りにくい。有給を使いきれる人なんて見たことがない。それも自分が選んだ仕事。そんな中、趣味の自転車という理由でおきなわに送り出してくれた職場、お子さんの学校の行事をキャンセルしてまで休暇を譲ってくれた先輩。本当は観光したくて、色んなものが食べたいにも関わらず自転車レース優先で行動してくれた彼女に心から感謝してます。来年参加できる保証はないけど、また勝負がしたい。日本一の消防士レーサーを目指して。

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