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【RX木村】2024東日本ロードクラシック E1 2位

レース結果

結果から言ってしまうと、RXでワンツーという最高の結果を残すことができた。
でも正直、この結果は、たまたまだと思っていて、というのも、今季実走を開始したのは3週間前からで全く仕上がりを感じていなかったし、基本1人練習なので、人と競り合って走ることがなかったから、ライバルに対して相対的にどれくらい走れるのか分からなかった。それと今回逃げ切ったメンバーが良すぎただけで、自分が強かった訳ではない。

レースとは

ロードレースで勝つには自分の得意な展開に持っていく必要がある。改めて自分の得意な展開を考えてみた。
自分は軽量な割にスプリントも出来る(1200wくらい出る)かと言って真のスプリンターとやりあって集団スプリントで勝てるほどではない。20分くらいの有酸素がっつり使う上りは得意。2分から5分のパンチ効いた上りはもっと得意。脚つることはほぼ無い。スタミナに自信あり。平坦は不得意だけど、今年になってほとんど1人で走る環境になり、少し改善した。
このレースで自分が勝つために出来ることは、疲労耐性を生かして後半勝負に少人数の有力逃げを作る。最後は上りで一発決めるか、スプリントで勝つ。これしかない。

OK!かしこまり!

前半

スタートしてしばらく、とても平和なペース。前の方に行くと北海道の仲間のたろうがいた。「木村さんパーマかけました?」とか言ってる。何のことだろうか?私はガチガチの直毛である。よく分からない。めちゃ戸惑ったぜ。
そんなこんなしていたら、なかつ君が逃げていた。このタイミングから逃げ切るのは不可能だと思っているので、焦らない。後半の勝負に備えて、補給戦略を徹底する。高岡さんが先頭付近で遊んでいるのが見えた。

逃げを打つまで

トライクルの橋本さん含めた4人逃げを確認している。橋本さんはチームの事前の意思疎通でも逃しては行けない選手。高岡さんも同じ認識を持っているようで、タイム差を管理するよう指示を受ける。
たまに、大前さんが後方から一気にポジションを上げて前までいくこと数回。その度に、行かれたら決まっちゃうじゃん。と、チームメイトなのに、こちらも慌てて前に出ること数回。なんやかんや1番勝てそうにないのは大前さんなのよ。
2時間が経過してからの有力逃げは許さないし、誰も行かないなら自分から行くと決めているので、淡々とそのときをひたすら待つ。

高岡さんが行くんかーい

15周目。丁度2時間が経過。以降、事前にチーム員に宣言していた選手を含む逃げは自分もいく。逃げ切れる自信はないし、脚もないかもしれないけど、ロードレースを考えたとき、自分が優勝出来る可能性を考えたら、集団に残る選択はない。少人数の有力な逃げで、最後はスプリントで勝つ。
まさかの、アタックして行ったのはチームのボス高岡さん。これは少し想定と違うんだけど、どうしよ?ま、行くか!ってことでフルもがき。この日の最大971wをマークして一瞬で追いついた。高岡さんが「えっ、お前きたの!」って顔。「1分稼ぐぞ」と高岡さんからの指示。
逃げは、高岡、なかつ、木村、西尾の4名。
西尾はローテ回れる感じではないので3人でひたすらローテ。なかつ君は友達で、なかなか男前で根性あるから、RX2人相手でも手を抜く気配ない。これは逃げ切れるかもしれない。あと50kmあるけど。
高岡さんの引きがナチュラルに強い。まじ千切れる・・。逃げって上りも下りも4倍から5倍で淡々と行くんじゃなかった?高岡さん上りで7倍とか踏んでますけど。これ合ってますか?高岡さん・・これ合ってますか・?と心の中で反芻。きつ。

8周逃げて勝利まで

西尾が遅れて3人に。高岡、なかつ、木村。依然として、集団とは1分もないくらいで、後ろから追走3名が30秒くらいで来ていて、しかも、じわじわ詰めて来ている。
これは逃げ切れるだろうか、確信はない。でも、追う側の意思がまとまる訳がない。追いつきたい選手、ラクしたい選手、いろんな目的を持っているアマチュア選手の追走が機能することはない。今まで、追いかける側で嫌ってほど味わっている。なので、ひらすら踏む。それだけ。
もし、追いつかれたとしても、大前さんがスプリントで勝つに違いない。
既に脚はキツくて、高岡さんの引きは依然として1番強い。ただ、この3人でスプリントになれば勝つのは多分自分だ。

ラスト1周

なかつ君がいなくなった。さみしい。ちぎったわけじゃないけど、坂で自然と消えた。最初の逃げでもう限界なんだろう。ここからは高岡さんと2人になって、極めてシンプル。チームメイト同士、協調するだけ。逃げ切り濃厚。
しかし、一気に脚に異変を感じる。完全に消耗している。乗り込み不足がここで一気にきた。もう強くは引けない。高岡さんから千切れないようにするしかない。最後まで一緒に行けば、スプリントで勝てると思う。でも、この逃げ切りは間違いなく高岡さんありきだった。悔しいけど、自分は対等どころか、もう強くは引けない。それを踏まえてスプリントしない旨を高岡さんに伝えた。

逃げで上り7倍は合ってますか?

最高のゴール

たまたま運が良くて逃げ切れたと思っている自分と、自分の練習の成果だと思いたい自分がいる。多分、たまたまなんだけど、また同じように勝負に出て結果を出したいと思う。仕事もプライベートも色々大変なことばかりで笑えないことも多いんだけど、もっと強くなりたいと思う。職場環境が変われば、家庭環境が変われば、毎年今年が最後かもしれないと思ってやっている。今を全力で生きたい。覚悟が違うのよ。やっぱり高岡さんを信じて食らいついて行って良かった。全部、白州ハイボール飲みながら書きました。おわり。

完全勝利



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