見出し画像

2022 UCI グランフォンド世界選手権 71位

大変遅くなりましたが、9月18日にトレントで開催されたグランフォンド世界選手権に参加しました。143kmで獲得3900mというウルトラ山岳コースでした。結果はさておき、初の海外でのレースは最高に楽しかったです。

トレーニング期間

世界選手権に向けたトレーニングは順調。体重が軽くて坂が軽快。タイムも伸びる伸びる。パワーは炭水化物を摂れば出るし、摂らなければ出ないという状態だった。ただ、不調な日も目立ち、今思えば、軽くなりすぎてコンディションの維持が難しくなっていたように思う。最大パフォーマンスを発揮できる状態は、長年の経験とか、データの蓄積からある程度分かるけど、自分はそこが甘かった。

イタリア移動

体調を崩してイタリア入り直前からは喉の違和感と疲労感がひどい。一応、出国前の抗原検査は陰性。イタリアで薬局に駆け込み、店員さんに痛み止めを求める。錠剤ではなく、タブレット状のアメのようなやつを買ってしまい、しくじる。
この大舞台で万全のコンディションに合わせられなかった虚無感をどうすれば良いのか分からなかった。でも、レースの日はくる。そうなれば、今できるベストを尽くして限界まで頑張るしかない。
前日の5分テストは体感8割で360wを超えた。調子の良いときは後半上がってあまり苦しまずに終わるけど、今回は落ちないように耐えた感じで出力の割に調子は良くなかった。

しくじった

レース

走り始めたら意外と調子が良くて、後半はもっと調子が良くなることがある。そう信じてスタートを切る。スタート直後のラウンドアバウトの段差でボトルを一本失った。嘘でしょ・・・。レースにトラブルは付き物である。オフィシャルのペットボトルを確実に取らねば。
速いスピードで平坦を10km走ったら早くも1時間くらいの上りが続く。先頭から10番手以内をキープして登る。20分を超え、キツいけどまだ頑張れる。このまま山頂までは絶対に無理だけど、耐えればいつか緩む。そこまで気合いで粘ろうと集中する。でも40分でオールアウト。アベ300w。この時点で先頭は30人くらいはいた。ちぎれてからも、前が緩む可能性にかけて失速は最低限にするが、ついに完全ストップして、後ろからペースで登ってきた選手にズブズブ抜かれていく。
ダウンヒルは時速90kmをマーク。普通に恐怖である。

壮大クライミング


下りが終わったら、また1時間くらいの上り。1回オールアウトしてからは、他の選手にどんどん抜かされる。その度に気持ちを込め直して、このグループからは絶対に遅れないぞ、と決意するのだけど、やっぱり遅れてしまう。後ろからくる人たちも普通に速い。それを繰り返して、100位以下にまで順位を下げたと思う。側からみたら、諦めた人の走りだったと思うけど、全くそんなつもりはなく、どうにかしなければと苦しんでいた。
脚に力も入らず、失意の走りでゴールを目指していると45-49カテゴリの5位につけていた高岡さんが追いついてきた。5位はまだ表彰台の可能性があり、一方で順位を落とすわけにはいかない位置だ。19-34のレースから遅れている自分にできることはないけど、一緒にいれば損はないだろうと考え、一緒に行くことにした。余力を考えると、きっと途中で高岡さんからも遅れるだろうと思っていたし、実際に一度遅れた。

終盤持ちなおす



ふと思う。「あぁ、日本に帰ったら、世界の選手は強かった。でも、頑張った。良い経験になりました。」そうやって片付けるんだろうな自分は。と、気付く。なんと情けない。

本当にいいんだろうかそれで。自分にがっかりだ。もう感覚のない脚に力を込める。少し小さくなった高岡さんの背中を追いかけて、追いついた。高岡さんのおかげで集中力を取り戻して、そこから30人くらい追い抜かしたと思う。そのまま2人で40Kmくらいを走ってゴールまで走った。71位。

総括

全く通用せずに終わってしまったのは残念だったけど、壮大な土地で日本では絶対に経験できないダイナミックなレースに参加することができて良い経験になった。また頑張ります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?