見出し画像

iPhone 15シリーズ発表についての記事を書きました

マイナビニュースさんの連載で、先日発表されたiPhone 15シリーズに関する記事を書きました。

記事にも書きましたが、昨年以上に「Pro」モデルと「スタンダード」モデルの立ち位置の差が明確になって、以前の混沌としたラインアップがスッキリしましたね。iPhone 12、13あたりはチップも同じものが載っていて、カメラとボディの素材くらいしか違いがないのでは……と思ったりしたものでしたが。

スッキリしたのは多分、スペックや機能差からユーザー像をイメージしやすくなったことと、Proモデルが新機能の先行者であることを明確にしたことが理由なのだと思います。

スペックの違いはチップの名称にも表れています。「A17 Pro」という、初めてiPhoneのチップにProの名がつくものが誕生しました。来年、iPhone 16スタンダートモデルがA17を搭載することになっても「A17 Bionic」となったりするんじゃないでしょうか。A17だけど5nmとか、USBコントローラが3.1対応じゃないとか(ひどい)、どこかしら差がつけられたりするのかも。

あと、一番印象的だったのは新機能の「お下がり」システムですね。昨年iPhone 14 Proシリーズに新しく搭載されたA16 Bionicと、ダイナミックアイランドと、48MPメインカメラとが、みんなiPhone 15に搭載されました。

すでに1年間実績のあるものですから、部品の調達にイニシャルコストがかからず、開発も調整・カスタマイズが中心になるなら短期間で済むと想像されます。昨年の”最新機能”を、コストを抑えつつスタンダードモデルに盛り込むことが可能になるわけですね。

なんか見たことある構図……。
自作PC華やかなりし頃、面白いパーツや怪しい設定を試しては知見を提供する”人柱”。あるいは、ガラケー全盛時にスマートフォンなるものを手にし、多少失敗したり試行錯誤しながら市場の糧となってきたアーリーアダプター。その役割が今、Proモデルユーザーに託されているのではないかという気がしています。

もちろん、あの頃のデバイスより全然信頼性は高いし、プロの現場で文句なく使えるスペックを備えた上で、ということになりますが。例えば長らく使われてきた消音スイッチに代わる「アクションボタン」の使われ方、活用方法などは、先行者たるユーザーたちの反応が次のスタンダードモデルのフィールドテストになるのでしょう。

そういう意味で、iPhone 15/15 Plusは「買って失敗のないモデル」と言っていいと思います。しっかり実績のあるパーツを取り入れ、”2番目に最新”の機能がそろったモデルが堅実なお値段で手に入るわけです。いや、お値段については日本は現在大変不利*になっていますけど、本来はそういうコンセプトであるはず……だと思います。

振り返ってみて、ブランドの成熟とはこういうことかと改めて思いました。同じ企業の同じシリーズの電子デバイスがこれだけ長くアップデートを続けつつ一般人にアホほど毎日利用されているケースってそう多くないと思うので、マーケ的・技術的・時代的側面から研究したら結構おもしろうそうですよね。

*iPhone 12もiPhone 15も、米国では$799〜。iPhone 15が12と同じ82,280円(税抜74,800円)だったら悪くない値段ではないかと。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?