見出し画像

2023 MLSウェスタン・カンファレンス現時点でのメンバー&選手層診断

新しい年になり、まだオフシーズンはフル回転していないが、少しずつ加熱している気はする。新シーズンに向けてチームを分解して再出発を図るチームもあれば、少しずつ土台を築き上げているチームもある。

ということで、現時点で全29チームのここまでの動きとこれからの可能性をみていきたい。

ここではまだ、オフシーズンメンバー構成のバージョン1.0を共有したい。イースタン・カンファレンスは別記事で紹介した。今回はウェスタン・カンファレンスのレポートだ。

オースティンFC

これまでのオフシーズン(1月3日時点)
数名のベテラン選手とのオプションを行使せず。中でも大きいのはセントラルミッドフィルダーのフェリペ・マルティンスとGKのバックアッパーアンドリュー・ターベルだろう。ただ、どれも驚くほどのものではないが、サラリーキャップ枠をざっと$150万分ほど(ほとんどがダニー・ホーセンに費やされていた)空けることができただろう。

そして、オースティンは当たり前だけど、賢いことをした:ホーセンの穴をもっと良い選手で埋めた。ギャシ・ザーデスがフリーで加入して、どれくらいの年俸を手にするかはっきりとわからないが、キャップのことを考えれば、ホーセンと同じく、キャップ内の最大額を手にすることになる。

チームをよくするには、このようなわかりやすいアップグレードを施すことだ。ギャシは2018-21シーズンのように2試合に1ゴールというペースでゴールを量産しないだろうが、昨シーズンのコロラドで出場した2,000分を見る限り、信頼がおけそうだったので、オースティンが存在していた過去2年間に比べると、今まで頼り甲斐のある9番がいなかったので、楽しみだ。

フェリペの代役は獲得できていないが、2年目のソフィアン・ジェファルがなんとかしてくれるだろう。また、マット・ブレサーノが出場したわずかな機会を見た限りだと、GKのパックアッパーにしては十分だろう。

他にはベテランでユーティリティプレーヤーのエクトル・ヒメネスとの再契約と、若手2人の獲得だ。1人はドラフト経由(CJフォドリーからはブレック・シェイと同じ匂いがする)、もう1人(アルフォンソ・オカンポ=チャベス)はウェイバーで獲得。フォドリー、オカンポ=チャベスとオーウェン・ウルフは、ジョッシュ・ウルフ監督にとって育て甲斐のある選手だろうし、クラブのプロジェクトに厚みをもたらしてくれる。

次の動きは?
5人目のセンターバックと5人目のセントラルミッドフィルダーなどが考えられる。それ以外だとあまり手を加える箇所はない。このオースティンのチームはとても良く、完成形に近いだろう。

自信を持ってそう言える。

追加 #1 火曜日にファブリツィオ・ロマーノ氏がオースティンがフィンランド代表CBレオ・ヴァイサネンを獲得するのでは、と発表したが、その後、水曜日に公式となった。

どちらにせよ、あと1人セントラルミッドを獲得できれば、補強も終了とするかもしれない。

追加 #2 また、同じく水曜日に、クラブがルベン・カブリエルセンを放出したことが報道された。そのため、バイサネンは完全に穴埋めで、結局5人目のセンターバックが必要だ。

コロラド・ラピッズ

これまでのオフシーズン(1月3日時点)
いくつかの選手のオプションを行使しなかったが、オースティンへフリーで移ったギャシ・ザーデスと、昨シーズン後半にローンで加入したものの、完全移籍に切り替えるに値するプレーを見せることができなかったミッドフィルダー、フェリペ・グティエレスも契約更新には至らなかった。

限られた予算でもやりくりするクラブではあるが、それなりの補強はできているだろう。コール・バセットはオランダでの悲惨なレンタルから戻ってくるが、昨年あまり機能していなかった中盤に組み込まれれば、チームの助けにはなるだろう。センターバックのモイーズ・ボンビートはスーパードラフトで全体3位で選択されたが、すぐに出場機会を得られる可能性もあるだろう。さらに、シンシナティにGAMとのトレードでウィングのカルビン・ハリスを獲得したが、LAギャラクシーにも$100万分のGAMを支払って同じくウィンガーのケビン・カブラルを獲得している。

これがこの冬一番のニュースだろう。。。多くのクラブは実行しなかったトレードかもしれないが、カブラルは、ジュリアン・カランサマイアミで伸び悩んだ後、フィリーで輝きを放ったように、コロラドでも花開かせる可能性がある。彼はあり得ないようなミスをするため、たくさん非難をされることがあるが、蓋を空けてみたら安い買い物だった、と最終的に言ってるかもしれない。

ただ、フィニッシュができないカブラルの弱点は残念ながら事実だ。7桁の価値を証明できるかは、彼次第だ。

次の動きは?
左サイドバック/ウィングバックのルーカス・エステベスはレンタル期間が終了したが、クラブは彼の穴埋めをしていない。アカデミー出身のジャクソン・トラビスは活躍できるまで2年は必要だろうし、2年目のアンソニー・マルカニッチも候補として挙げられる。しかし、本職がウィングのサム・ニコルソンブライアン・ガルバンが一番の後継者だろう。

そして、本当の問題は、ロビン・フレーザー監督がこれらの選手をどのフォーメーションに落とし込むかだ。過去数年は4-3-3や4-2-3-1、3-4-2-1を活用してきたが、恐らくウィングをたくさん手にいれた今冬のことなので、ウィングをたくさんか活用できるフォーメーションにしてくるだろう。

FCダラス

これまでのオフシーズン(1月3日時点)
マット・ヘッジスをフリーで放出した判断は正しいかどうかわからない。もちろん、年齢も重ねていたし、年俸もそれなりの割合をしめていたとはいえ、過去に経験のあるセンターバックを放出したMLSのチームの大半が後々後悔したと言えるだろう。

ここまでは主にヘッジスの放出しか伝えられていないが、彼が抜けたポジションには昨シーズンMLSカップでも良いパフォーマンスを見せ、リーグを見渡しても、第3センターバックとしてはそれなりの信頼がおけるセブ・イベアガをフリーで獲得した。彼がLAで今後スタメンを張ることになっていたかもわからないし、ヘッジスを放出したのもヌコシ・タファリの出場機会を増やすためだったのかもわからない。それとも、更に選手の獲得を計画しているのだろうか。

その他では、U22枠でジョバン・ヘスースを獲得したことは(昨シーズン問題だった)右サイドバックのポジションの大きなアップグレードとなるだろう。それ以外のポジションでも若手を獲得して、層を厚くした動きが見られる。

次の動きは?
特に明確な動きはないが、4人目のセンターバック確保はどうにか獲得したいだろう。やはりスタメンを獲るのではなく、若めのバックアッパーだろう。

その後は、後腐れなくDPのセンターフォワード、フランコ・ハラに別れを告げることだろう。アルゼンチンへの復帰が噂されているが、クラブとしてはDP枠を早く空けたいだろう。万が一彼が残ったとしても、契約は6月30日までだ。そのため、そこまで急ぎではないし、どこかのチームがこの時点で彼を買い取る可能性は低いだろう。

ヒューストン・ダイナモFC

これまでのオフシーズン(1月3日時点)
これまで1番の収穫はベン・オルセンを監督として迎え入れたことだろう。この人事には少し驚いた。というのも、ヒューストンの新しいオーナー陣がこのようなビッグネームを採用するとは思わなかったからだ。しかし、リーグを知っている監督を獲得できたことには価値がある。

そして、良い選手を獲得することにも価値はあるが、ヒューストンにとってその点は今冬のチャレンジとなっている。12人程度の選手を放出(そのうちウィングのファファ・ピカルトとプレーメーカーのダーウィン・キンテロ、センターバックのティム・パーカーが主なメンバーだろう)し、スカッドの約半分を失った。

これを書いている時点で4人しか加入していないが、どの選手もスタメンというよりはバックアッパーなので、クラブとしてやることは多いだろう。

次の動きは?
トミー・スクープスによると、フリーのブラッド・スミスの獲得は決定的で、その後にパラグアイ人のウィンガーイバン・フランコがサブDP契約で入ってくるとのこと。

その後は。。。予想が難しい。現在U22枠が3つ全て空いているし、ロスターが更なるアップグレードが必要なのも顕著なため、もっと選手を獲得するだろう。動きは出てくると思うが、それがどこから来るかはわからない。

現時点では、昨シーズンウェストで13位、全体で25位に沈んだチームから9人のスタメン選手が戻ってくる予定だ。要は、フランコが超活躍し、オルセンがすぐにチーム内で化学反応を起こさないといけないということだ。

ロサンゼルス・フットボール・クラブ

これまでのオフシーズン(1月3日時点)
正直、もっと書く内容があると思っていた。しかし、一握りの選手たちの契約が満了になった以外、目立った動きはない。大きな売却もなければ、大金を叩いた補強もなく、3つ目のDP枠(カルロス・ベラデニス・ブアンガが使ってない枠)がどうなるかも明確ではない。

そうは言っても、全く何も起きていない訳ではない。ラティフ・ブレッシングは最終的にトレードされ、ニューイングランドに最低でもGAM $40万相当で去っていった。セバスチャン・イベアガはダラスにフリーで加入し、さらにセンターバックのエディー・セグーラもいなくなった。

ホンジュラス人のセンターバック、デニル・マルドナードが加入したが、今冬ここまで一番大きな獲得はU22枠で加入したクロアチア人ウィングのスティぺ・ビウクだろう。これは単なるバックアッパーではなく、約$500万で獲得したこの選手は、UEFAの「ゴールデンボーイ」賞40人の候補にも名が挙がっていた。誰もが彼に期待している。

今後更に大型の補強がありそうな気がするのは誰もが思うことだろう。

追加:上記を書いた1時間後にLAFCアーロン・ロングをフリーで獲得したと発表。もうセンターバックは安心だろう。

次の動きは?
ホセ・シフエンテスはまだロスターの一員だ。彼が長く居座ることは想像できないし、同国出身のディエゴ・パラシオスについても同じことが言える。そして、ジェグソン・メンデス。。。彼がエクアドル代表として、ワールドカップで見せた素晴らしいパフォーマンスからしたら、ステップアップしていくことはほぼ間違いないだろう。

ロングが加入した上、アカデミー出身のトニー・レオンエリック・ドゥエナスクリスチャン・トーレスがより出場機会を増すことが見込まれるが、前述したように選手が去ることを考えると、このチームがConcacafチャンピオンズリーグで躍進し、国内のトロフィーを他に勝ち取るのか、それとも2023は後退してしまうのかは、今後の選手獲得の動きが左右するだろう。

次回のアップデートには恐らく中盤を中心に、書くことが多くあることを予想する。

LAギャラクシー

これまでのオフシーズン(1月3日時点)
ケビン・カブラルを売却し、$100万分のGAMを獲得したが、向こう数年彼の年俸の半分を負担しなければならない。ただ、DP枠を一つ空けることに成功した。

そのDP枠をどう活用するかは今冬の目玉で、それ次第でLAギャラクシーが強いチームか、ただの楽しいチームかが言えるようになるだろう。

更に、センターバックのデリック・ウィリアムズとアカデミー出身のキャメロン・ダンバーの売却でそれなりのGAMも獲得した。それ以外は全て「オプションを行使せず」や「契約満了」の放出で、文字通り獲得はゼロだ。と言ってもフリーでセンターバックのCクリス・マビンガが加入することもあり得る。

次の動きは?
DPの左ウィングだろう。誰になるかはわからないが、元ギャラクシーの選手クリスティアン・パボンの名前をよく耳にする。ピッチ上のことを考えると、いい動きだと思う。

もう一つあり得るのは、全く期待はずれだったドグラス・コスタを売却し、DP枠を空けることだ。残念ながら巨額の年俸を得ながら、まだ契約が1年残っている。彼がグレミオへ戻るのではないかとも言われている。

どうなるにせよ、LAFCやトロントFCマイアミアトランタがどこで買い物するかが興味深い。ギャラクシーはどこでも買い物をし、彼ら版のベルナルデスキを獲得し、チチャリートリキ・プッチと組み合わせれば、100ゴールも夢ではないんじゃないだろう。

ミネソタ・ユナイテッドFC

これまでのオフシーズン(1月3日時点)
ルーンズ(ミネソタの愛称)から大きな動きはみられておらず、バックアッパーが去ったポジションをベテランやギャラクシーからの若手ウィングのキャメロン・ダンバーで埋めている。

恐らくこのチームは2年前にプレーオフで躍進したチームほど活躍できないが、ボンギ・ヒョンワニメンデル・ガルシアがブレイクしたり、ルイス・アマリーヤがDPとして活躍すれば、それも変わるかもしれない。

契約上、ガルシアを売却し、DP枠を空ける柔軟性はあるものの、恐らくそうはせず、シーズン中盤に問題が浮き彫りになるまで待つだろう。

次の動きは?
あまり大きな動きは期待できないだろう。バカィエ・ディバシーで物足りないとお思えば、新しいセンターバックを連れてくるだろうし、同ポジションに若さを注入する可能性もある。

ただ、そこまでクラブは余裕がないだろう。恐らくこのまま前進していき、昨年契約した攻撃的な選手に怪我なく奮起してもらうことを期待するのみだろう。

ポートランド・ティンバーズ

これまでのオフシーズン(1月3日時点)
記録を更新した!ポートランドはブラジル人のプレーメーカーで、FCミッティランでヨーロッパリーグのアシストランキングトップに君臨していた、エヴァンデル獲得に大金を叩いた。

彼は$1,000万ドル以上したが、本当にうまければ(ハニ・ムクタル級にうまそうだが)、それでもバーゲン価格だろう。そして、まだ24歳のため、彼を中心にチームを数年作っていくことができる。

ティンバーズにとって、加入は以上だろう。放出は主に、レギュラーとバックアッパーの間の選手で、右サイドバックのホセカルロス・バンランキンのオプションは行使されなかった。

次の動きは?
現時点では、二つのオプションがあるだろう:トミー・スクープスのレポート通り、新しいセンターフォワードだ。フェリペ・モラジャロスロー・ニエスゴダは両方一次元的で怪我が多いため、それは理解できる。

もう一つはセントラルミッドフィルダーのエリク・ウィリアムソンとの決別だろう。昨シーズン終盤にジョバンニ・サバレーゼ監督と確執があり、ベンチ生活を余儀なくされていた。

おかしな判断だった。ポートランドはウィリアムソンがスタートした試合は勝ち点1.8獲得していたのに対し、ベンチスタートだった試合は勝ち点1.0のみだった。そして、最後の2試合も彼をほとんどベンチに座らせ、プレーオフ圏内には、勝ち点1差で入ることができなかった。これほど違いを生み出せる選手を評価せずにベンチに置き続けるにはそうとう意志が強くなければできないことだ。

それでもサバレーゼは意志を貫いたが、だからスタートが確約されていない選手を獲得する可能性があり、ウィリアムソンをリーグとトレードするのであれば、ポール・アリオラ級のGAMを手にいれることができるだろう。

もちろん、興味を持っているチームも多いはずだ。

関係が好転して、ウィリアムソンを残したとしても、中盤の選手層は厚くしなければならないだろう。スーパードラフトで指名されたノエル・カリスカンがポジションを勝ち取っても驚かないが、そのような行動を、過去12年間ポートランドがとったのをみたことがない。

レアル・ソルトレイク

これまでのオフシーズン(1月3日時点)
アーロン・エレーラをGAM $50万分とインターナショナルロスター枠とトレードしたが、意図がわからない。彼はリーグでも最も年俸の高いサイドバックの1人ため、売却したらサラリーキャップに余裕はできる。ただ、彼はリーグで最もレベルの高いサイドバックだから故の高い年俸をもらっているのであり、ウィングバックやスリーバックの右センターバックもできる柔軟性も持っている。

もし、RSLが彼をトレードしないといけないと思った(そう思ったとしか考えられないが)としても、見返りが少なすぎる。モントリオールにとっては良すぎるディールだろう。

もう1人チームを去ったのは、昨シーズンで契約満了となったストライカーのセルヒオ・コルドバだ。ユタと再契約する噂は聞こえてこないが、復帰してもお驚かない。

他の放出はバックアッパーだったが、たくさんいたようだ。全てで9名いたが、ベテランCBのマルセロ・シルバとは再契約した。

加入も2名のみ。ジェネレーション・アディダスのアタッカー、イライジャ・ポールとベルタン・ジャケソンだ。

次の動きは?
コルドバともう一度契約してやりなおすか?彼でなければ、他のハイレベルなストライカーでもいいだろう。

ポールが活躍すると信じていて、パブロ・マストロエニが彼を抜粋するのであれば話は違うが、その可能性は低い。

センターバックももっといた方がいいが、それ以外はそれというポジションはない。かなり選手層は厚く、ダミル・クレイラチが健康を維持し、最初の4年通りのプレーを見せることができれば、昨シーズンのパフォーマンスを超え、2021年同様、プレーオフでの躍進が期待できるだろう。

サンホゼ・アースクエイクス

これまでのオフシーズン(1月3日時点)
シェイ・サリナスが引退した。その他8名の選手がオプションを行使されなかったか、契約満了となったが、そのうち1名、ジャジソンは再度チームと契約した。トミー・トンプソンがチームに加入する噂もあったが、現時点ではエリック・レメディとヤン・グレグス同様、まだフリーのままだ。

クエイクス(サンホゼの愛称)は「フィラデルフィア・ユニオン」のスタイルに似ており、DPの年俸を抑え、優秀なアカデミーを持っているが、スーパアードラフトも重要と思っているため、まだ完全にフィリースタイルには辿り着けていない。今年のトップ指名選手でセンターバックのダニエル・ムーニーはまだ正式に契約していないが、大学サッカー関係者は彼を絶賛している。ボールも運べることから、ティム・リームと比較する人もいたほどだ。

しかし、ルチ・ゴンザレス体制1年目は、目立った補強はそれ以外にない。サンホゼのロスターはムーニーがサインすれば23人となる。

次の動きは?
ムーニーとの契約と、その他のドラフト指名選手1、2名と契約することがネクストアクションかもしれない。

その後は守備的ミッドフィルダーだろう。ジャジソンは素晴らしいし、2019シーズンと2020シーズンはリーグでも過小評価されている守備的MFのトップ10に入っていただろう。それ以来彼はそこまで効果的な選手ではないように見える。

もちろん、それでも彼と再契約できたことはあポジティブだ。ただ、彼だけに頼ることはできないだろう。西地区のユニオンになるのであれば、ユニオンらしいことをしなければならず、ホセ・マルティネス級のエリート守備的MFを迎え入れなければならないが、そこまで簡単なことではない。

バックアップのGKも獲れたらいいだろうし、間違いなくジェレミー・エボビッセのバックアッパーとなるセンターフォワードが必要だ。しかも、報じられているように、AEKアテネからのウィング/センターフォワードのベンジ・キカノビッチへのオファーに応じれば、それはさらに急務となるだろう。

でも、上記のオファーは受けるだろう。キカノビッチはうまいが、代えがきかない訳ではない。ユニオンの様に、育てるだけでなく、育てて売るのだ。

ソンホゼは今までそんなことはしてこなかったが、そろそろその方向に進んでもいいのではないだろうか。

シアトル・サウンダーズFC

これまでのオフシーズン(1月3日時点)

サウンダーズ向こう数年大きな契約で縛られているため、大きな動きは今冬期待できないだろう。ウィル・ブルーインの放出が間違いなく一番のニュースだったが、NYCFCからエーベルを入れたことは、かなりのアップグレードだろう。

それに加え、フレディ・モンテーロを再契約したことにより、シアトルはセンターフォワードを3人で回すことになる。そのポジションは恐らくオフシーズンに入る前の2番目に重要なポイントだっただろう。

一番のポイントは、ベテランジョアン・パウロと若手のオベド・バルガスのコンディションだったが、両者とも来月開催されるクラブワールドカップのためにモロッコに行ける見込みだ

エーベルの獲得、上記2名のコンディション、更には右サイドバックのEイーサン・ドッベラエレリード・ベイカー=ホワイティングが計算できるということであれば、あまり心配することはないだろう。

また、ガース・ラガーウェイからクレイグ・ワイベルにGMを代えたことも特筆すべきだろう。サウンダーズは常にピッチ上とフロントで正しい方向に進めるから、常に上位にいることができるのだろう。

次の動きは?
彼らはヌフを売るだろうか。昨年が売却するタイミングだったかに思われたが、11月にワールドカップでいいパフォーマンスを見せたため、今冬いいオファーがくるかもしれない。

そして、彼らはそれを願っているだろう。ヌフは守備面では1対1が素晴らしく、5大リーグの多くのチームに貢献できるが、攻撃面でのオプションの無さと、パスの精度の悪さがサウンダーズを苦しめてきた。彼が売却されなくても、ワイベルが左サイドバックのスタメンになるべきだと思う。

もう一つの疑問はダニー・レイバが売却もしくはレンタルされるかだ。この19歳はなによりプレー経験が必要で、JPとオベド、ジョッシュ・アテンシオが中盤にいる中では、プレー時間は与えられないだろう。

リーガMXのプーマスがそんな彼に興味を持っているとされている。

スポルティング・カンザス・シティ

これまでのオフシーズン(1月3日時点)
クリスティアーノ・ロナウドにオファーを出していたことが未だに信じられない。なんてことだ。

これを読んでいるのであれば、スポルティングKCが本当にあのポルトガルのスターの獲得を狙っていたことを知っているだろう。しかし、彼はサウジアラビアへ旅立ってしまった。まあ、しょうがない。

そんなニュースがヘッドラインになっていったので、セルビア代表で2試合出場経験を持ち、ラリーガで200試合程度(ヨーロッパでは20試合以上)の出場を誇る、29歳の守備的MFネマニャ・ラドジャの獲得の話は影を潜めた。しかし、彼はチームが欲しがっていた、完璧な6番だろう。どうなるかは見てみないとわからないが、期待はしていいだろう。

総合的に安定したオフシーズンを過ごしているのも確かだ。ラドジャが現時点で唯一の補強だが、スーパードラフトの1巡目指名のスティーブン・アフリファともまもなく契約するだろう。そして、クラブを去ったのは僅か、ニコラス・イシマット=ミリンとカベ・ラドのセンターバック2名だ。

なので、結果的に話題となった噂以外は、だいぶ静かな冬を過ごしている。

次の動きは?
カンザス・シティ・スター紙のサム・マクダウエルが「スポルティングは既にヨーロッパのスター選手から興味を示されており、相思相愛の状況」ということを報じている。

「ヨーロッパのスター」はロナウド級ではないことは間違い無いが、彼の旧友のセルヒオ・ラモスがまさか加入することではないだろうか。もしくはジョルジョ・キエッリーニがMLSでの生活の良さに便乗して、レオナルド・ボヌッチが参加するのだろうか。

そんな契約が可能だとは信じ難いが、2名のセンターバックを挙げたのには理由がある。4年連続で、このポジションを強化する必要があるからだ。2人のスタメンを必要とも思うが、アンドレウ・フォンタスを連れ戻したし、若いロバート・ヴォロダーがMLS2シーズン目で奮起することも期待されている。

他のポジションは固まっているだろうが、アラン・プリドの去就は不透明なままだ。KCが最高額で契約した彼は、過去2シーズンでウィリー・アガダが昨シーズンの終盤で見せたほどのパフォーマンスを見せられていない。今年で契約最終年になるが、バックアッパーとして迎えることになるだろう。

彼を売却してDP枠を別ポジションで活用し、より安価なアガダのバックアッパーを獲得するのがいいだろうか。もしくは、アフリファがその役目を務められるかだ。

ただし、スポルティングがそう考えているかは、見当もつかない。

セントルイスFC

これまでのオフシーズン(1月3日時点)
ロスターを全員並べた方がいいだろうか?過去に新規参入チームの「これまでのオフシーズン」をどのように記載していたか忘れてしまった。

セントルイスはとにかく、DP枠でストライカー(良)とゴールキーパー(謎)を獲得し、たくさんのベテランセンターバックを獲得し、ウィングでは成長が見込める若手、20代半ばの働き屋のセントラルミッドフィルダーと2人の同様のサイドバック、そして、いくつか課題が残るポジションがある、といったところだろう。

それらの課題は「次の動きは?」でカバーするが、ほとんどの選手が、ハードワークやフィジカルという表現ができ、クラブのアイデンティティ通りだと言えるだろう。

そして、スポルティングダイレクターのルッツ・ファネンスティールはそれを、2ヶ月前のExtratimeで認めている。

「デシグネイテッド・プレーヤー、その言葉は信じない。ユニットとして働ける、同レベルのいい選手が必要だと思う。若いDPでもTAMでも、最終的にはチームの中で役割を担っているというだけだ。そのようにこれまでスカッドを組み立ててきた」と彼は語った。

次の動きは?
中盤を固めていくことだ。エドゥアルド・ルーベンは8番で盤石となりそうだが、トマス・オストラクヌジャブロ・ブロムアジエル・ジャクソンという選手は大きなクエスチョンマークだろう。

その3人がヒットしたとしても、チームのエンジンとなり得るポジションの層は薄い。向こう数週間で獲得は必至で、うち2名は必ずMLSにすぐ適応できる選手でなければならない。もちろん、そのうちの1名がDPレベルであれば助かるだろう。

もう一つ補強が必要なポジションがあるとすれば右サイドバックだが、スーパードラフト1巡目指名のオーウェン・オマリーがウィングからサイドバックにシフトするのではないかと予想している。それをできるだけのフィジカルが彼には整っている。

そして、最後に指摘すべきはロマン・ブルキのバックアッパーになるGKだろう。

追加:ある情報によると、ルーベンがDP枠で、ブルキはMAX TAM枠とも言われている。ただ、何も正式なニュースが伝えれていないので、この情報を一旦追加し、新たに情報が入ってきたら更新させてもらう。

数週間後にはより鮮明な情報があるだろう。

バンクーバー・ホワイトキャップス

これまでのオフシーズン(1月3日時点)
あまり動きはなかったが、細かいアップグレードを施し、スーパードラフトで一番注目されている選手を指名できた。ただし、問題があるとすれば、大学ナンバーワンのJ.C.ヌガンドは大学レベルで10番だったものの、プロではあ8番としてのプレーを覚えなければならないことだろう。

大きなステップアップだ。多くの青年は一線を越えられないが、ヌガンドは狭いスペースでのボールスキルが素晴らしいし、ボールを前進させることを得意としている。ダーリントン・ナグべ的な要素も兼ね備えており、キャップス(バンクーバーの愛称)がバンニ・サルティーニとマルク・ドスサントスのコンビではあまり冒険的ではなかったポジションにとってポジティブな補強であることは伺えるだろう。

もう1人特筆すべきはウルグアイ人センターバックのマティアス・ラボルダで、12月末には既に報道されていた。

一方で、多くの選手が去って行った。ベテランフォワードのルーカス・カバリーニやトサン・リケッツ、ベテランミッドフィルダーのジャニオ・ビケルにレオナルド・オウス、ベテランディフェンダーのジェイク・ネルウィンスキー、エリック・ゴドイとフロリアン・ユングワースが含まれる。つまり、BCプレイスで見るチームは昨シーズンと全く違ったものになるだろう。

次の動きは?
3人目のセンターフォワードだろうか?たくさんの放出はあったものの、層はそれなりに暑いからだ。

どちらかというと、サルティーニ監督の手腕にかかっており、それなりにいい選手が揃っているチームで、いかに若手を育て、ベテランを活かせるかに注目だ。

(原文:https://www.mlssoccer.com/news/where-mls-western-conference-depth-charts-rosters-stand-for-2023

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?