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老後に2000万使う暇があるか? 60歳で天に召される確率を知る!


確率95%……まあ大丈夫だろ!






……おや!? 95%の様子が……!






ざんねん!!

わたしの じんせいは

60さいで おわってしまった!!



人間五十年

というわけで今回は「人生100年」時代に反旗を翻すべく、特定年齢における日本人の死亡率を見ていきたいと思います。

自分の死亡時期を選ぶことは出来ませんが、

・〇〇歳で死ぬとしたら、これくらいの備えがあればいい

・●●歳まで生きるなら、こういう備えも必要になるかも

という形で人生計画の一助になれば幸いです。

まずは厚生労働省から発行されている「簡易生命表」から、50歳以降の死亡率を確認してみましょう。




死亡率なんてのは単なる目安だ!!

何列もデータが並んでいますが、超ざっくり言うと、

【(100000-XX歳の生存数)÷1000】

の計算式で、「XX歳で死ぬ確率」を割り出せます。

(左側の「死亡率」とは数値が異なります)


例えば男性が60歳までに死亡する確率は、

【(100000-93275)÷1000=6.725%】

になります。これは冒頭の画像の5%を上回る数値で、

単純計算で15人に1人は還暦を迎えずして天に召されてしまいます。

ちなみに、これは女性が68歳までに死亡する確率とほぼトントンです。


また男性が70歳までに死亡する確率は、

【(100000-84309)÷1000=15.691%】

になり、少なくとも7人に1人は年金を貰わないうちに葬儀を行うことになります。

(年金受給開始年齢が70歳になった場合です)

女性で同等のリスクを負うのは78歳以降なので、年金の払い損は何とか避けられそうですが・・・。


概ね平均寿命とされる、男性が80歳までに死亡する確率は、

【(100000-64183)÷1000=35.817%】

になり、仮に三つ子の兄弟であれば誰か一人はこの世を去る計算になります。

女性の平均寿命である87歳付近でも似たような数値ですね。


最後に、人生100年時代の到達点である男女が100歳までに死亡する確率はそれぞれ、

【(100000-1818)÷1000=98.182%】

【(100000-7510)÷1000=92.490%】

となります。

数値だけ見ると、人生100年って、分の悪い賭けってレベルじゃないですね・・・。



「勝算」があるんだ!

さて、確率や割合というものは状況によって感じ方が異なります。

ロシアンルーレットのように生死がかかった極限状況では、10発に1発、つまり当たりの確率10%でも実際に引き金を引ける人は稀です。

しかし当たりの確率が10%という点は同じでも、「10人に1人は飲食代無料」というキャンペーン中なら、普段より多く注文する人がそれなりに出てくるでしょう。

(10人中9人は通常価格で、外れの確率90%と頭では分かっていても)


よって「自分の死ぬ確率が何歳くらいだと思うか」は個人の感覚次第ですが、ここではあえてそれを割り出すため、日本で最も認知度が高いスポーツ(※下図参照)である、野球のバッターを例にして考えてみます。

(※令和3年度「スポーツの実施状況等に関する世論調査」の概要より)

素人感覚でも、打率3割を超えるバッターは「打ちそう」「当たりそう」、というイメージを多くの人に持ってもらえると思います。


ただ寿命というのは文字通り一生モノの話題であり、引き合いに出すのであれば生涯打率で考えたいのですが、生涯打率3割を超える打者は人数が少なすぎるので、指標として信頼性に欠けます。

そこで2022年度の全球団シーズン平均打率を参考にしてみたいと思います。

(※NPBサイト「シーズン成績」の「チーム打撃成績」より)

各リーグの上位3チーム、合計6チームの平均打率は0.250なので、打率25%を超えれば、「打ちそう」「当たりそう」なイメージがあるチームと言えるでしょう。


これを死亡率25%に置き換えて考えてみると、

男性なら75歳・女性なら83歳を過ぎれば、「死にそう」「倒れそう」と思われても不思議ではないということです。

もし年金を70歳で受給するとしたら、男性は5年・女性なら13年くらい貰った時点で、この世とおさらばする可能性を考慮しなければなりません。




雨の中、傘をささずに踊ってたら風邪を引く

さらに言えば、厚生労働省が出す簡易生命表は、個人の生活習慣を反映しているわけではありません。


(※参議院常任委員会調査室・特別調査室 「健康づくり政策に関する一考察」より)

生命表と同じく色々数値がありますが、ざっくり上記の図を参考にしてみると、週5日以上の飲酒や毎日喫煙しているような人、あるいはお酒やタバコに使っているお金が多ければ多い人ほど、平均寿命が下がっていることになります。

飲酒・喫煙だけでなく、肥満や高血圧の症状がある人だけからデータを集計した生命表があったとしたら、死亡率はもっと高くなるでしょう。




祖父母の寿命をチェックせよ

もっとも生命表で見る限り、少なくとも85歳までは、男女共に五分五分前後の確率で生き残れるとも言えます。

(男性85歳死亡率=52.250%、女性90歳死亡率=48.037%)

なので「祖父母世代の平均寿命が85歳以上」というような長命の家系の人なら、自分が長生きする前提でライフプランを考える方が合理的です。

逆に短命な家系の人は早めに身辺整理を行い、70歳以降はそれこそ年金だけで暮らせるような生活スタイルを身につけておいた方がいいかもしれません。

いずれにせよ、思ったより短い人生でも思った以上に長い人生でも、

最も重要なのは、動ける・考えられる年齢のうちに行動することです。

老いは体力のみならず、思考力や行動力も奪ってしまいます。

それはなにも、70歳・80歳になってから急に始まるものではありません。

60歳から70歳への10年、50歳から60歳への10年、人によっては20歳から30歳の10年で、大きく老け込むことだってあり得ます。

「もし本当に60歳で寿命を迎えるとしたら今何をしたいか」。

生命表を眺めながら、人生計画を練ってみてはいかがでしょうか。