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水晶発振子をVFOに置き換えるコツ

今回製作しているQP-7C FT8、私が下記のデジタルVFOを製作した時、こういうことをやりたかった、というのが、具現化されておりました。

この時の実験では、水晶をデジタルVFOに置き換えただけでは、うまく行きませんでした。それはなぜか?を、オリジナルのQP-7CとFT8改造版との回路の比較で、検証していきたいと思います。

まずは、該当の箇所(周波数可変化)についての、解説を引用してみます。

Si5351モジュール(秋月電子)を使用し,発振出力”CLK0”を68pFのコンデンサーを介してドライブ段に入力しました.
Si5351は,Arduino Nano互換機からI2Cインターフェースで制御.
秋月電子のSi5351モジュールは3.3V駆動なので,本来はI2Cバスの電圧変換(Arduino Nanoは5V)が必要ですが,アマチュア的に電流制限抵抗(10kΩ)の直列接続で使用しました.
周波数変更の最も単純なやり方は,Arduinoのプログラムで周波数を固定して発振させる(周波数を変えたいときはプログラムを変える)方法です.
https://github.com/je1rav/QP-7C/

なるほどなるほど、Si5351モジュールからの発信出力をドライブ段に入力している、とある。
回路図を比較してみました。

オリジナルQP-7CとデジタルVFO化したものとの回路図の比較

確かに、記述通りの回路図になっています。

私は純粋に水晶の部品の位置にVFOの入力を行っていました。そうではなく、発振段全体をVFOに入れ替えてあげる必要があったということですね。
前回の実験がうまく行かなかったのはここに理由がありました。

ところでこの回路図の比較でおやっ?と思った箇所がありました。
それはオリジナルとの相違として「Q2」が新たに入っているところです。
これは何のために入ったのでしょう。
改めて解説を確認すると、下記のように書かれています。

”QP-7C_FT8.ino”では,デジタルモード時の送受信切替をSi5351のON/OFFのみで行なっています.
ドライブ段は常にONのままなので,受信時にもドライブ段にバイアス電流が流れています.
LTspiceを使用して見積もったところ,12V電源でコレクタ電流が27mA (320mW), 5V電源で7.7mA(39mW)でした.
受信時にこれはもったいないので,ドライブ段もON/OFFすることにしました.
また, CWモードでは受信時もSi5351がONのままで局発信号が漏れていますので, そのON/OFFも行うことにしました.
ちなみにファイナルはC級アンプなので,無信号時に電流はほとんど流れません.  
https://github.com/je1rav/QP-7C/

なるほど。受信時にも送信部が電流を消費するのを抑えるための工夫がこのQ2で、「Arduino Nano互換機のデジタル出力でKEY端子をオープンコレクタ接続を使用して制御」している部分になります。

電鍵端子はD2ピンに接続し、電鍵の状態をArduino Nano互換機で検出します(前と同じ).
ドライブ段のON/OFFをArduino Nano互換機のデジタル出力(D13ピン)で制御します.
汎用NPNトランジスタ(余っている2N4401など)を使って KEY端子をオープンコレクタ接続で制御します.
D13ピンを制御用に使用して,送信時にはHIGH (5V), 受信時にはLOW (0V)としています.
汎用NPNトランジスタのエミッターをグランドに接続し, コレクタをドライブ段の”KEY”端子に接続します.
(ドライブ段の”KEY”端子は,オーディオジャックの電鍵端子には接続しません.)
ベースとD13ピンを, 抵抗(数kΩ)を介して接続します (余っている1kΩでもOK).
送信時には, ベースへの5V印加でNPNトランジスタがONになり, ”KEY”端子がグランドにつながります.
https://github.com/je1rav/QP-7C/

D13ピンからベースへ5Vが印加されるとKEY端子がグランドにつながり、送信状態になり、受信時にはD13ピンからの電圧は0Vとなり、ドライブ段のバイアス電流が流れず、消費電力が抑えられる、と理解しました。

ここまでを確認した結果を踏まえ、改造版の送信機系統図を作ってみました。あまり慣れていないというか初めて作ってみましたが、こんな感じでしょうか。


QP-7C FT8 送信機系統図

これは保証認定の際に必要な図です。はやく動作確認し保証認定まで行いたいところです。

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