秋刀魚の味 鑑賞終了
後半を見終わりまして。
ネットフリックスの秋刀魚の味。
小津安二郎監督ね。
ちょっと、どこが秋刀魚の味なのか?
結局秋刀魚が1度も現れなかったと思う。
だけど、そういう雰囲気がある映画だったすね。
秋刀魚は家庭的な食事の象徴として書かれたものかも知れない。
良質な文学作品を読んだ後のような、いろんなことを考えさせる映画だと思います。
ぶっきらぼうな喋り方で、わざとそういうふうに喋らせてるんだと思うんですけど、独特の雰囲気がそれだけで出てます。
非常に品の良い紳士な初老の主人公の、娘を嫁に出す父の心の揺れ動く様を観る人は追う事で、人生について考えさせられました。
娘を育てるのはつまらないなんてセリフもありますが、今は女性が活躍する社会なので、娘を持つ父の感想は、また違うのでしょうね。
ひょうたんの飲み屋での懺悔、娘を自分の身の回りの世話に利用してしまったと。それで、婚期を逃してしまったと。
娘を不幸にしてしまったと。
その言葉を聞いて、主人公は娘の縁談を積極的にすすめるようになる。
娘の結婚式の当日の夜、バーで感傷的になる主人公。
家に帰っても、なかなか、礼服を脱がず、また飲み直す。
音楽がいいか悪いか?
これは難しい。
時代もあると思う。
現代人の耳にはあまりにも時代が古いので。
もう少し時代背景とか、その時代のトレンドとか、映画音楽史とかを、知る必要がある。
でも武満徹のような緻密な不協和音なんて出てこないし、坂本のような洗練もない。
男はつらいよシリーズとかの、あの音楽の感じなんですよね。
強いメロディがあるばかりの、基本的に明るい音楽。
坂本と武満が作り替えたらどうなるか?
というのは興味深いですね。
もっとしっとりとした音楽をつけていただろうね。
結構、今ついてる音楽は、カラッとしてるんですね。
あとは、この作品はじめ、小津映画で多く主演を務めた笠智衆がキャストされた、波の盆というテレビドラマで武満徹が音楽をやっている。
これはドラマは観てないけど、音楽は素晴らしいです。
波の盆、ドラマも観たくなったなぁ。
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