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お絵描き話 その1

どうも、ふにゃにゃん♪です。

今回は前回の最後に載せた、初作品の制作過程とその時感じた(気付いた)事を合わせて、つらつらと書いていこうと思います。

始めに

私は中学生の時、美術の先生に芸術関係の高校に進学したい旨を伝えた際、

『おまえの絵は下手ではないぞ。でもな、そういう学校ってのはそういう人間が集まって来るとこなんや。その中で頭ひとつ抜けなあかんねんぞ?悪い事は言わんから普通の高校いっとけ、な。』

と言われ『確かにそうやわなぁ』と思い、普通科に進学した過去があります。
勿論その高校の美術の授業で絵を描くこともありましたが、基本的に『描く人』から『観る人』になっていた為、それ以来の実に30年振りの『絵を描く』という行為になりした。
これは前回のぺりかん先生(@pekarika0031)との会話の中で、私が発言したものです。

まぁ、その普通科の高校も途中で辞めているんですが。(笑)

そこに『有る』という事

私はパソコンのモニターに模写対象や資料を表示し、ibisPaint(アイビスペイント) を使い iPad mini 4 にスタイラスペンで絵を描いています。
『村田蓮爾』さんの元絵を見ながら、本来は右手を壁についているのとレザー調の服にピンプラグが刺さったレトロSFを思わせる物なのですが、この時点での私の画力では描けないだろうと判断し、手とプラグコード等は描かない事にし服は変更する事にしました。
またヘッドフォンの形状も本来は丸みを帯びた物だったのですが、描いている途中で上手く曲線を表現出来ず、角張った形状に変更しました。
今となっては笑い話ですが、丁度良いヘッドフォンの資料が見つけられず、家にある物をスマホで撮り、それを iPad に取り込んで描いています。
ひと言『それ、いる?』という感じです。(笑)

この時の私の知識と技術はほぼゼロに近く、アイビスの『お絵描き講座』を見て機能を確認しながら作業をしていました。
ブラシの使い分けや、実用的なレイヤーの使い方もわかっていない状態です。

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レイヤーとは、日本語で「層」という意味で、アニメで使われる透明なセル(透明なフィルム)に相当します。

ibisPaint『お絵描き講座』から引用

下描きの段階で中々元絵の様にならず、何が違うのか?と隅々まで見る為に元絵を拡大してみると、実に細かい所まで描き込まれている事に驚きました。
現在の多くの鑑賞環境は、スマホやパソコンのモニターに映し出される小さなものになっているかと思います。
しかし元々のサイズはA4やA3のそれであり、描き手は驚く程の描き込みをしており、それがその作品の空気感などになっているのです。
直感的に『あっ、良い』や『なんか好き』と思ったイラストを、一度拡大して隅々まで確認してみて下さい。
装飾品に描き込まれた溝や服の刺繡や縫い目等、スマホでパッと見ただけでは気付けないところもしっかりと描かれている事に驚くはずです。
押井守監督が『イノセンス』のインタビューで、『画面では膨大な情報量が闇に消えていくが、それらが全体として世界の奥行き感・重量感につながっている。人間の目は不思議なもので、その時見えていなかったり、それと意識していないものでも実はちゃんと見えており、その評価の累積として凄い物だと感じ取る。』と言っていたのを思い出しました。
2004年公開の作品で、まだ地デジが始まって数ヶ月の頃の話です。
あっ、私のは拡大しなくて良いですよ、粗が目立つだけなので。(笑)

下描きをある程度で切り上げ、線画作業にはいります。
上でも書いたようにブラシの使い分けなども理解していなかったので、Gペンのハードのみを使用し、その太さも 2.0mm 固定で描いていたように思います。
思うように線は引けず、引いては取り消して消しゴムで修正する事の繰り返しでした。
YouTube で視聴した動画で、宮崎駿監督が『正解の線がわからない。だからひたすら繰り返す。』という発言しており、巨匠と呼ばれる人でもそうなのだから、私がそうなのは当たり前なんだと改めて思いました。
またお絵描き勉強系の動画でよくある質問で、プロの人や神絵師と呼ばれる人達が、ライブドローイングなどでササッと描くのを見て、自分には出来ませんというものがあり、その答えがその人達は何千何万とその作業をしてきており、頭の中にあるそれを描いているから簡単に描いている様に見えるだけなのだと。
絵を描き始めたばかりの私が、そうであるのは当然なのです。
この時の私は修正やバランス調整を繰り返していたので、絵を描いているというよりも切り取ったり貼り付けたりの工作をしているという感覚になった事を覚えています。

塗り作業に移り、また衝撃を受ける事になります。
それは、『そこに描かれていないものは存在しない。』というものです。
なにを当たり前の事を、と思われるかもしれませんが考えてみて下さい。
服や皮膚のしわは勿論、額に落ちる前髪の影すらも『そこに描かれている』のです。
つまり一枚の絵を自然に見える様にするには、当たり前にある自然なそれらをすべて描き込む必要があるのです。
勿論アニメの様に省略化されたものや、自然では有り得ない色味を乗せたものもあります。
それらもまた奥深いものなのですが、ここでは書かずにおきます。
この時から私のイラストやアニメを観る視点は、劇的に変わりました。
Twitter で仲良くして頂いている式森さん(@sh1k1_illust)の過去のツイートで『描かない人にはただの綺麗な絵でしかないが、描く人には宝の山』的なものがあり、その時にはその意味がわからなかったのですが、この時その意味が雷に打たれように理解出来、深い感銘を受けた事が忘れられません。
皆さんも一度そういう視点でイラストやアニメを観てみて下さい。
例えば作画が凄いと言われる『鬼滅の刃』などがそうですが、キャラクターは勿論の事、そこに存在する雲や草木、岩に至るまで凄まじいまでの拘りを持って制作されている事がわかるでしょう。

塗り作業はバケツ機能で面を塗りつぶしていき、そこに陰影等を足していく事になります。
ですがこれが、中々思い通りにいきません。
上でも書いたようにこの時の私は、レイヤーの効果的な使い方やその他の便利な機能も理解していなかったので、1枚のレイヤーに油絵の様に色を塗り重ねています。
今ならレイヤーを重ねクリッピングや不透明度を調節したり、フィルター効果を使用するでしょう。
それらも含めその時の作業を振り返る行為は、楽しくもあり悔しくもあります。あの時の私に教えてあげたい。(笑)

なんとか完成

試行錯誤しながらキャラクターは、なんとか完成しました。
前回にも書きましたが背景まではとても手が回らず、アイビスに上がっている背景で私のイメージに合うものは無いかと検索し、『なおみ@purumienaomi』様のコンクリートの壁を見つけてお借りしました。

作業時間は16時間、レイヤー数は16
タイムラプスを載せておきますので、興味のある方はどうぞ。
再生時間1分、960倍速になります。

今回も中々の散漫散文になってしまいました。

クロカ×シロー_20200824205642

次回は2作品目の『クロカ×シロー』(白猫プロジェクトのキャラクター)作成時のあれこれについて書きたいと思っています。

では、またの機会に。 <(_猫_)>



もちっと色々と積み重ねたらぁ、改めてサポートメッセージ書かせて頂きまッス ( ̄^ ̄)ゞ