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メタバースを体験してみた話

こんにちは、Libry(リブリー)のながいしです。

最近毎日のように目にする「メタバース」という言葉。ちょっと前にFacebookが「Meta」へと社名を変え、メタバースを本格的に構築しようとしているというニュースを皆さんも見られたのではないでしょうか?

リブリーでは9月頃から、そのFacebook社あらためMeta社の「Oculus」を使って、リモートワークやVR空間でのあれこれを体験していました。今日はその体験レポートを簡単にアウトプットしたいと思います。(本当はもっと早く体験記を出す予定だったのですが、11月も半ばになってしまった...)

ちなみに、「メタバース」というデカめの主語をタイトルにしてしまいましたが、今回体験してみたのはあくまで「Oculus」を使ったリモートワーク等の体験です。なので「メタバースの体験記」というより、厳密には「Oculus(VR)の体験記」なので予めご承知おきください。(きっかけはメタバース体験してみようぜ!だったので許して...)

そもそもメタバースって何やねんという方は、先日noteさん主催で識者のみなさんが語り合うイベントをされていて面白かったので、そちらをご覧いただければと思います。

体験を通して知りたかったこと、体験の目的 

今回リブリーでOculusを体験するに至った経緯としては、「Workrooms」がリリースされたニュースが出たとき、代表が「社内で体験してみたい人いない?」といっていたものに手を上げてみたのがきっかけで、自部署でちょいと検証してみることになりました。

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Oculusを使って検証してみたかったことは大きくは以下の3つです。

1. 使い心地、没入感(実際に活用できそう?)
2. 
リモートワークの改善(主にコミュニケーション面での)
3. 教育分野での活用可能性

1つ目はVR端末での体験って今どれくらい進歩してるの?ってもの。

2つ目は、現在色々と試行錯誤しつつリモートワークをしている中で、チームとしてのよりよい働き方の参考になればというもの。

3つ目は一教育事業者として、今後よりよい教育の体験を作っていくためにも、今の段階でメタバースを視察しておこうというものです。

こういうのは実際に体験してみないとわからないよね!ということで、試しにOculusを複数台会社で購入してもらい、体験してみることになりました。ありがてぇ。

実際に体験してみて

さて、ここからは先に上げた「知りたかったこと」に対して、実際に体験してみてどうだったかの感想を書いていきたいと思います。


使い心地、没入感

一番最初、Oculusの端末を付けてみて、映像と音が流れた時は純粋にわくわくしました。4~5年ほど前、VIVEのVR端末やMicrosoftのMR端末「HoloLens」を体験させてもらったことがあったのですが、まだ映像の解像度が低く正直そこまでワクワクしませんでした。そのときの体験からすると、かなり進歩しているなぁというのがファーストインプレッション。当たり前かもですけど、解像度大事ですね。

チュートリアルでは、VR空間上のモノに触れたり投げたり、キャラクターと踊ったりするのですが、初めてのワクワク感もあり、没入感は結構感じました。なんというか、チームラボのデジタルアートを体験している感覚。

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チュートリアルで謎のロボット?と踊ったりできる

一方で、使い心地という観点ではまだまだ「今後に期待」で、VR空間上にでてくる「手」が自分のものであると感じるような、いわゆる自己帰属感みたいなものはさすがにまだ感じられませんでした。現実世界でできることをさくっとできないのでちょっともどかしいです。

また、時間が経って慣れてくると最初のワクワクも薄れてくるので、それと比例して没入感も薄れていく感覚はありました。時間とともに身体的疲労も感じてくるので、そのあたりの要因で我に返る(?)のかもしれません。

ちょうどTOKYO GAME SHOW VR 2021が開催されていたので参加してみましたが、「わー!すげー!!」と楽しめたのは15分くらいで、その後頭痛と酔いがきてしまい離脱しました。これは個人差あると思いますが。


リモートワークの改善

お次はリモートワークの改善、特にコミュニケーションのしやすさが改善できそうかです。これに関しては、今回の体験のきっかけになった「Worksrooms」を体験してみてどうだったかの感想になります。

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アバターを設定しないとサ○ンパスのCMみたいになる


こちらに関しては、一緒に体験したみんなの声をいくつか抜粋します。

距離感が声の近さとかでわかるのが面白い!
オフィス空間が自宅とバチっと切り替わる点は好き
ゴーグル着用するの眼鏡だとキツくてコンタクトにした
思ったよりもそのまま仕事できそう
皆がわちゃわちゃしている中、ミュートの解除方法とか、ホワイトボードの使い方とかが分からず、置いてきぼり感があり悲しかった
移動できると思って移動していたら机に足がぶつかった(痛い)
自分だけの仕事をこなす、お昼ごはんをみんなで食べる、くらいライトな分にはいいかも
PCとの連動はすこし厳しいかも(遅延のため)
デスクの奥行きがないと手元のホワイトボードは難しい
ゴーグルが重いので15分でやや頭痛発生(体質による)
どっすか?みたいなライトなコミュニケーションは取れなそう
アバターが、それなりに似ていると、その人っぽさを感じることもできた
表情の感じ取り方は、Zoomの方がやっぱりキラキラしているとか、うつむいている感じとかがわかるから、どういう時に使えるんだろうなと考えながら話をしていました。

私の感想も似たようなもので、コミュニケーション観点でのポイントでいうと「空間を感じる音声」「アバター」「表情が見えるか」といったところでしょうか?

「リモートワークは改善されるか?」という問いに対しては、結論「現状ではさほど改善されなそう」というのが自分の答えです。みんなと一緒の空間にいる感覚はあるものの、上記にある通り、アバターの表情は分からないし、アバターの動きがぎこちなかったりして、そういう細かい部分がノイズになる感覚がありました。(コントローラーの左右を間違えて身体ありえん方向にねじれてる、とか)それならZoomとかボイチャでもよいかなと。

あとは何より身体への負担が大きく、気軽に使えない。使うために「元気」がいるので人を誘うのもちょっと億劫で、なかなかOculusとWorkroomsでMTGしようとはなりませんでした。

といってもこれは現状の話。理想の体験に環境が追いついていないだけで、これからの可能性は十分に感じました。端末の大きさは今後どんどん小さくなっていくでしょうし、「メタバース」でいうとVRだけじゃなくて色々あると思うので、もっと体験してみたいなと思います。今後に期待。

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 オフィスでの体験ブース


教育分野での活用可能性

最後に、教育での活用可能性についてです。

可能性があると感じるか否かでいうともちろん「ある」で、すでに活用されている事例もあったりします。日本で有名なのはN高とかでしょうか?

特にコロナの影響で広がった「リモート授業」や「遠隔教育」での活用はイメージが付きやすいと思います。「孤独」を感じる学生が増えたというニュースもありましたが、「そこに人がいる感」を感られることはソリューションになり得ると感じました。
また、その特性を活かして、みんなでディスカッションする、ワークするいわゆる「ピアラーニング」や「協同学習」にはぴったりとハマるのではないかなと思います。

上記のほかに、ここではキャリア教育への活用可能性について感じたことを書いてみたいと思います。ずばり、VR空間だからこそできる、「普段できない体験」を通じて、新しいことに興味を持つ、興味をより深める、自分のキャリアの選択肢を知る、そんな風に活用できるといいなぁと感じました。

以降うろ覚えの内容なのですが、以前ラジオ(J-WAVEのINNOVATION WORLD)で、JAMSTEC(海洋研究開発機構)の高井研さんという研究者の方が「経験は言葉では伝えられない。潜水艦で深海に潜っていく時の暗さとか温度が変わっていく感覚を経験すると海洋研究や深海に興味が湧くんじゃないかと思う」といった内容のお話をされていました。(たぶん、違ったらすみません)

当時この話にすごく納得した覚えがあって、やはり百聞は一見にしかずというか、実際に体験してみて、人の心に火がつくことって結構あるのだと思っています。ただ、着火ポイントは人それぞれ違うので、とにかく色々なことを経験することが重要で、でも経験することは結構大変で...というところに、VRやメタバースといったものがどんどん活用されていくといいなと。

上記を実現するに当たり、私が今回の体験を通して重要なポイントだと感じたのはやはり「没入感」です。先程の高井さんの話にあった「温度」とか、なにかに触れたときの「触感」とか、それから「匂い」とか、そういった五感への刺激やフィードバックを再現できるようにアップデートされてくると、よりリアルな体験にどっぷり浸かることができて、より誰かの心に火がつきやすくなるのではないかと感じました。あとは現状だと身体的負荷が結構あるので、意識が「疲労」に向かないようにある程度エンタメ性のある体験設計にしないとちょっとしんどいかも。

きっと同じようなことを考えられている人はすでに沢山いて、そういうコンテンツもあるにはありますし、開発も進められているのだと思います。
兎にも角にも、「普段体験できないことをサクッとリアルに経験できるコンテンツ」が今後増えていくといいなぁと思いました。

ところで、Libryでは現在「学校で学んでいる内容が社会でどう活用されているか」を、実際に活用している社会人のみなさんにインタビューしてまとめた「キャリアコンテンツ」なるものを作成しています。詳しい内容はきっと誰かがアウトプットしてくれると思うのでまたの機会にしますが、「リアルな体験」はまだできないとはいえ、結構良いものができそうです。ぜひ多くの方に知ってもらいたいので、よければアカウントのフォローをば。

まとめ

冒頭でも書きましたが、タイトルに「メタバース」というバズワードを入れながらも、実態としてはほとんどVR体験の話になってしまいました。大変失礼しました。もう少し時間をかけてどっぷり浸からないとメタバースの本質的な部分には触れられないと思いつつ、身体が追いつかず...

体験してみてのまとめとしては、端末の重さ・大きさによる身体的負荷、操作のちょっとした難しさなど改善されてほしい点は色々あるが、確実に進歩している感覚はあり、教育分野を含め今後様々なシーンで活用できそうでワクワク!という感じです。

5年後、10年後の社会がどうなっているかかが純粋に楽しみです。
がちなメタバース、できてるかなぁ。

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