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【技術士二次】必須科目の過去問を考えてみる

過去問を使って論文構成を考えてみます。
(あくまで論文構成であり、これに肉付けしていくイメージで)
今回取り上げた問題は、医療の持続可能性がテーマとして取り上げられています。
電気関係のエンジニアでも、こういったトレンドを抑えておく必要がありますね。

問題

地域(都市部を含む)医療では、従来から地域に密着した医療や遠隔医療の取り組みが行われてきている。しかし、技術実証から社会インフラとしての医療への移行・普及のため,健康ケア及び介護ケアを含めた、医療全体を考える必要がある。また、その対応は地域やそこに住む人々、職場、家族構成などによって異なり、実情に即した展開が必要である。
地域医療を充実・発展させるため、以下の設問に技術面で答えよ。(政策などは含まない

(1)持続可能な地域医療の実現に向けて、電気電子分野の技術者としての立場で多面的な観点から3つの課題を抽出し、それぞれの観点を明記したうえで、その課題の内容を示せ。
(2)前問(1)で抽出した課題のうち最も重要と考える課題を1つ挙げ、その課題に対する解決策を3つ、専門技術用語を交えて示せ。
(3)前問(2)で示したすべての解決策を実行しても新たに生じるリスクとそれへの対策について専門技術を踏まえた考えを示せ。
(4)前問(1) ~ (3)の業務遂行において必要な要件を、技術者としての倫理、社会の持続可能性の観点から題意に即して述べよ。

2022年過去問 attach_8850_1.pdf (engineer.or.jp)

(1)課題抽出

持続可能な地域医療の実現のために、わが国の状況を踏まえて抽出する。
①医師不足解消の観点より
 少子高齢化が進む中で、医師や医療関係者が減少していき、一方で医療を必要とする人口が増えていくことが予想される。業務効率化を進め、一人が診療できる患者数を増やす。
②医師偏在解消の観点より
 都市部への人口集中が進み、医師・医療関係者が都市部に偏る。郊外でも平等な医療を提供できる遠隔医療システムの構築が課題となる。
③DXによる価値創出の観点より
医療分野におけるDXの推進により価値創出していく観点から、診療情報のデータベース化・活用を行う。

(2)課題に対する解決策

(1)の3つのうち、②を最も重要として挙げ、解決策を検討する
①大容量高速通信インフラの整備
大容量映像データ伝送のため、無線通信において高速大容量通信を実現する5Gの利用が有効である。
②遠隔地の供給信頼度向上
配電線の隣接フィーダとの連系点新設や保安伐採の強化により、停電時間・回数を減らし、遠隔医療システムの安定稼働を実現する。
③マイクログリッドの構築による災害対応力の強化
系統からの電力供給が途絶えた場合でもシステムを稼働させるため、マイクログリッドを構築し緊急時には需要家近くに配置された分散型電源より供給を受ける。

(3)新たなリスクと対策

①断線等の需要家単位での停電時にシステムが停止するリスク
各需要家(家庭)へのEV・UPS導入拡大
②長時間の停電時
(3)①だけでは、不十分。公共施設に予備発電機を導入し、緊急時には遠隔医療拠点として整備する。

(4)倫理・持続可能性のため業務遂行上の要件

①公共の利益の優先
システムには、高信頼度部品の使用や二重化設計を行い、人命に関わるリスクを最小化する。
②持続可能性の確保
マイクログリッドで分散型電源を開発する際は、開発が環境に与える影響を評価し、比較的影響が小さい地域に電源を開発する等の取り組みを行い、地域住民に理解を得る必要がある。


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