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『重力の光』AFTER TALK LAST 10 DAYS:9/26(月)レポート👁✨

ゲスト:
🔶篠田ミル(音楽家)
🔶町田彩夏(政治アイドル)


☑️町田彩夏
1番印象に残ったシーンが、路上で亡くなった方の追悼集会です。「あなたもわたしもおんなじいのち」って横断幕に書いてあって、板に亡くなった方の名前が書いてあるんですが、氏名不詳の方もいる。国葬で16億円もかけてお葬式をする人がいる一方で、路上で名前もわからず亡くなっていく人がいるっていうのがすごく悔しくて。この世界はすごく不平等だと思ったし、だからこそ「おんなじいのち」と言わなきゃいけないんだと思いました。

この映画を見て国葬のことを考えたんですよ。これまでも国葬しないほうがいいと思っていたけれど、この映画の追悼集会のシーンを観た時に、「このまま黙っていてはダメだ」と強く思わせてくれた。映画の本筋のメッセージじゃないところを受け取ってるのかもしれないけど、私にとっては本当に衝撃的だった。

ずっと考え続けられる作品が好きなんです。最後結末がこうなってよかったね、というような物語もそれはそれで楽しいんですけど、この映画って「なんかあれってどういう意味だったのかな」「あのシーンって、今の現実の社会に照らし合わせるとどういうことだったのかな」とかを考え続けられる作品ですよね。

この映画って個人に焦点を当てて撮っているけど、実はすごくこの社会の全体の構造を映してる映画だなとも思いました。だから考えることがたくさんある映画なんだなと私は受け取ったのかなと思うんですけど。たくさんの方にこの映画を見てほしいし、考え続けてこれからを生きていってほしいなと思います。


☑️篠田ミル
僕はクリスチャン家庭で育ったんですが、育っていく中でクリスチャニティと距離を取るようになりました。信仰の意味や、信仰を持つことが生きる支えになることをすごくわかりつつそこから距離を取って離れてしまった人間が、映画に出て来たような信仰と関係ない世界で生きてきて、途中で出会った人たちを見ると、半分羨ましい気持ちがありました。

僕は大阪出身で家の周りにホームレスが結構いて。自分の教会では抱樸のような活動をしていたわけじゃなかったので、教会に行って救いの教えを受けることと、家の近所にホームレスや困窮している人がいるという景色が結びつかないっていうのが、なんかすごい根源的なこととしてあって。だから東八幡キリスト教会ってすごく特殊な教会だなと思いながら観ていました。

この映画自体が人々を映していくドキュメンタリー的な部分とキリストの受難劇を描いていく部分との両面で成り立ってると思うんですけど、そこで「神のみわざ」そのものよりも、むしろ「人間すげえな」みたいなことが立ち上がってくる。演劇の部分で言うと、パンをどうちぎるか、足を洗うのってさ、とかの話をみんなでしているのがすごく面白い。石原監督はもちろん、制作チームと撮られる人たちの預けあいというか、演劇の演出を彼らに任せて、その様子も撮っていき、出来上がった演劇も撮る。映画に限ったことじゃないと思うんですけど、とりわけドキュメンタリーとだとカメラを回して撮るっていうこと自体ある種権力的な行いじゃないですか。その中の一部分を預けることによって、ものすごくマジカルな時間が生じていた。

この映画で、神と共に生きることやコミュニティの中で生きていくことに人生の意味を見出していく人たちの姿を見て羨ましいと思いつつ、自分が何に対して「生」の意味付けをしていくか、みたいなことをすごく考えちゃって。落ち込んでいるタイミングだったので、改めてくらい直したんですけど…意味なんてなかなか与えづらいことなのかもしれないですけど、それでも生きていくことの意味や、何にそれを見出しているのか、みたいな話をしたいし、いろんな人の意見を聞きたいなと思いました。

『重力の光』AFTER TALK LAST 10 DAYS開催中!!

927(火)2045 _ 平岩壮悟(編集者) eri(DEPT Company代表) 石原海(映画監督) (3)


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