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第8回 柔整理論 2021.5.10

皆さんこんにちは(^^)

前回は高齢者骨折についてまとめましたが、ポイントは押さえられたでしょうか?
わからないところはインスタのDMで受け付けますので、何かあれば気軽に連絡下さいね(^_^)

では今日は小児骨折についてです。

小児骨折の特徴はたくさんあります。

1.骨膜が厚く強靱で血行が豊富
 骨膜が温存されやすいため、整復や整復位保持に有利。
 骨癒合は成人の2/3である。
 遷延治癒や偽関節が少ない。

2.骨が柔軟性に富んでいる。
⇒不全骨折が多い
 捻挫をしたときに靱帯損傷もあり得るが、付着部の裂離骨折を疑う必要
 あり。

3.成長軟骨板が存在する。
 成長軟骨板は長軸方向の成長に関与する。
 肥大軟骨層での損傷が多い。
 ソルターハリス分類が国家試験ではよく聞かれます。

4.骨のリモデリングが旺盛である。

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 捻転転位は自家矯正の期待が出来ないので注意!!

5.骨折の治癒過程で過成長が起こる。
 ⇒特に大腿骨骨幹部でみられる。

概説はこの辺で、問題をみていきましょう!

問題1.小児骨折で誤っているのはどれか。第19回

1. 不全骨折を生じやすい。
2. 長期の固定を要する。
3. 過成長がみられる。
4. リモデリングが盛んである。

答えは【2】です。

骨癒合に日数がかからないため固定期間は短く、関節拘縮も少なくすみます。

次に小児骨折の代名詞であるソルターハリス分類です。
ソルターハリス分類をまとめるとこんな感じです。

スクリーンショット 2021-05-12 1.54.51

では問題です。

問題2.ソルター-ハリスの分類で正しいのはどれか。第19回

1. Ⅰ型は肥大層の損傷に限局する。
2. Ⅲ型が最も多い。
3. Ⅳ型は成長障害を起こしにくい。
4. V型は受傷直後のエックス線像で判別が容易である。

答えは【1】です。

最も多いのはⅡ型です。これは絶対に押さえておきたいポイントです!!

成長障害を起こしやすいのはⅣ・Ⅴ型と押さえておいてください。
特にⅤ型はレントゲンでも判断しにくくやっかいなものです。

問題3. 小児の骨で正しいのはどれか。第28回

1. 肥大軟骨層で離開しやすい。
2. 類骨はコラーゲンが少ない。
3. 石灰化密度が高い。
4. 骨膜が薄い。

答えは【1】です。​

小児の骨損傷は『肥大軟骨層』がキーワードです!

類骨や石灰化骨の話はこちらで覚えておくのが大事です。

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類骨コラーゲン主体でリン酸カルシウムが付いていない状態のものです。カルシウムのコントロールがうまくいかないくる病や骨軟化症では類骨が多くなります。また、石灰化密度が高くなると硬くなります。小児の骨は柔らかいので、これも誤りです。

説明はこちらで確認してください(^_^)

では最後の問題。

問題4.骨端成長軟骨板で起こるのはどれか。2つ選べ。第23回

1. リトルリーガー肩
2. 上腕骨小頭離断性骨軟骨炎
3. 大腿骨頭すべり症
4. 腰椎分離症

答えは【1.3】です。

リトルリーガー肩と大腿骨頭すべり症はソルターハリス分類のⅠ型に分類されます。ソルターハリスということは骨端軟骨損傷ですね(^^)

また、腰椎分離症は疲労骨折なのでお忘れなく。

以上です!今日もお疲れ様でした(^_^)

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